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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
G.大魔王.VS.大魔王編
236/329

232、大魔王の時間稼ぎ

  ●【No.232】●



 ガシャガシャ、ガシャーン!


 援軍に駆け付けた《スライム・ソルジャーマン》が新たな隊列を組み、大魔王エリュドルスやデイラルスを中心に "鉄円の陣形" を作って、彼らの周囲に二重三重に防衛ラインを策定する。 まさしく《スライム・ソルジャーマン》自身が盾・壁の役目をしており、大魔王デスゴラグションの脅威・攻撃から、大魔王エリュドルスを守っているのだ。


 ―――ピピッ!

『………』


 ダッ!


 ()()()()()シル・バニーオン・ズドが早速(さっそく)、その "鉄円の陣形" を打ち崩す為に、その《スライム・ソルジャーマン》の所まで地面を蹴って高速接近するけど、今度は《スライム・ソルジャーマン》の前に、大魔公ウエルルスが現れ、シル・バニーオン・ズドの邪魔をする。


「そうはさせん」

『ジャマ』


 そのシル・バニーオン・ズドが右手甲の隠し装置から、銀色の鋼鉄の刃を突き出して、ウエルルスに斬りつける。

 一方のウエルルスも右手を手刀にして、その手刀から "白色の剣形エネルギー魔力刀"《ホワイト・マジックブレイド》を発生させて、()()()シル・バニーオン・ズドの刃を受け止める。


 ガッキィーーン!


 ウエルルスとシル・バニーオン・ズドが、お互いに刃を交えて互角の勝負を見せる。


「自分がシル・バニーオン・ズドを破壊する」

『………』


 さらにウエルルスとシル・バニーオン・ズドが、お互いの刃をぶつけていて、なかなか勝負がつかない。

 もっともウエルルスは時間さえ稼げれば、それでいいのに対して、シル・バニーオン・ズドはこの後で大魔王エリュドルスも倒さないといけない。 時間的余裕があるウエルルスと時間をかけられないシル・バニーオン・ズド。


 ―――ピピッ!

『チッ!』


 ノーモーションからの突然、シル・バニーオン・ズドの真紅の瞳(ロボット・アイ)から "真紅の殺人レーザー光線" が高速で飛び出して、ウエルルスの方へ向けて発射された。


 ビビィッ!


「むっ!?」

『くらえぇぇ!!』

「ぬっ!?」


 フッ!


 接近戦での攻防の中、シル・バニーオン・ズドの "真紅の殺人レーザー光線" がウエルルスの心臓部めがけて発射されており、ウエルルスの胸部に "真紅の殺人レーザー光線" が当たる寸前に、突然ウエルルスの姿が消えた。


『ッ!!?』


 その(スキ)をついて、《スライム・ソルジャーマン》が鉄壁の陣形 "鉄円の陣形" を敷いて、完全に大魔王エリュドルスとデイラルスを守ることに成功した。 一応、ウエルルスの時間稼ぎは成功したことになる。

 この "鉄円の陣形" とは、大魔王エリュドルスを中心に《スライム・ソルジャーマン》が円陣を組んで構えており、その《スライム・ソルジャーマン》が二重の盾・三重の盾・四重の盾となる。 この360度・四重の盾にもなる "鉄円の陣形" こそが、大魔王エリュドルスを守る鉄壁の盾となる。


 ガシャガシャ、ガシャーン!


 これで回復系担当のデイラルスは、弱りきった大魔王エリュドルスの、体力と魔法力の回復に専念できるだけの、十分な時間稼ぎができた。


 フッ、ブーン!


『クッ!?』

「くらえっ!」


 ガッキィーーン!


 シル・バニーオン・ズドの背後から、またウエルルスが姿を現し、白い刃 《ホワイト・マジックブレイド》で攻撃を仕掛ける。 シル・バニーオン・ズドも銀色の刃を背中に回して、背後からの攻撃を(ふせ)ぐ。 ここからまたお互いの刃を激突させながら接近戦で、ウエルルスがシル・バニーオン・ズドを足止めする。 これではシル・バニーオン・ズドは動けない。





 これで大魔王エリュドルスの周囲には、鉄壁の《スライム・ソルジャーマン》がしっかりと何重にも防御(ガード)しており、シル・バニーオン・ズドもウエルルスと交戦中で手が離せない。 従って、大魔王デスゴラグション自らが動かないと、この事態を対処することができない。 この時間稼ぎとしては、十分に満足できる状況である。


 一方では、それでもこの状況にも黙って静観して、腕組みしながら立っているだけの大魔王デスゴラグション。


 そして大魔王エリュドルスと大魔王デスゴラグションが無言で(にら)()う。





 大魔王エリュドルスのそばにいるデイラルスが回復魔法 《ヒール・エンジェル・ミカエル》を発動させて、大魔王エリュドルスの体力を徐々に回復・全快させる。 また同時にデイラルスが回復特技《大魔法力再生祝祭(ルシフェルト)》を発動させて、大魔王エリュドルスの魔法力も徐々に回復・全快させる。 徐々に全快に近づく大魔王エリュドルスに、作業を続けるデイラルスが話しかける。


「あの大魔王デスゴラグションは、あの位置からちっとも動きませんね。 この状況は彼にとっても嬉しくないハズなんですけど、何故でしょうか?」

「わからん。 昔から、あやつが一体何を考えているのか、ちっとも解らぬ。」

「あのままじっとしてるのですかね?」

「確かに疑問ではあるけれど、あやつの背後にいる〈地球神アクナディオス〉の存在も不気味だ。」

「そういえば背後にいた()()の大きな黒い人影も見当たりませんね?」

「……? ふん、大方戦闘に巻き込まれるのが嫌で、あやつの体内に引っ込んでおるのだろう?」

「なるほど、確かに戦闘が出来ない者にとっては、この状況は静観が最善ですからね?」

「………」


 確かにおらぬ―――だが〈地球神アクナディオス〉も何を考えているのか、ちっとも解らぬから、ここで考えても仕方あるまい。



 実際にデイラルスに指摘されるまで、大魔王エリュドルスは〈地球神アクナディオス〉の存在[姿消失]を失念していた。 常に大魔王デスゴラグションの背後に()()く様にいた()()の〈地球神アクナディオス〉の姿が見えない。

 本当にただ戦闘に巻き込まれるのが嫌で、大魔王デスゴラグションの体内に隠れ潜んでいるだけなのか? それとも大魔王デスゴラグションが一向に動かないのと、()()()()と何か関係があるのか?



 もしかしたら、()()()()()()()()()()()()()()()()()



まさか大魔王双方で時間稼ぎをしている?

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