18、賢者ロンギルス:1
新キャラ登場!!
●【No.018】●
ワシとカグツチは、次の目的地である第7の都市、タールハジャルの町の方に向かって、歩き始めていたのじゃ。
ワシはカグツチに質問を聞き返したのじゃ。
「なんじゃ? その "地獄の翼" と言うのは……?」
「はい、タールハジャルの町の上空に大きな翼があって夜になると、そこから強力で凶悪なモンスターが出現するような噂話を以前、何処かで聞いた覚えがあります。」
「ほう、その翼が凶悪なモンスターにでもなるのか?」
「いいえ、そこまでは解りませんが……街の上空に大きな翼があるのは事実です。」
「ほう、それはまた面白そうだの。 今度の凶悪なモンスターは一体どの程度、強いのか……?」
「…また、戦うおつもりなのですか? 師匠」
「ふん、無論じゃ! このワシが凶悪なモンスターを全部、討伐してやるわい!」
「私も師匠に見習わないといけませんね。 頑張りますよ!」
「………」
現在は第8の都市、サルマンディオスの町と次の目的地である第7の都市、タールハジャルの町の丁度、中間の道を歩いていた。
ヴァグドーは第10の都市、アーラントの町からずぅーっと、ここまで歩いて来ていた。
ヴァグトーには、馬や馬車や荷台車などの乗り物での移動は選択肢になく、修行中なので特訓にはならないと言う訳で、ここまでの道程を徒歩だけの移動にこだわってきていた。
ワシはカグツチに言い聞かせていたのじゃ。
「よいか? 歩くと言う事は足腰を鍛える上での、基本的な特訓になるのじゃ。 ワシはこうして、いままで鍛えてきていたのじゃ。」
「はい! なるほど、さすがですね!」
「まぁ、辛くなったら、いつでも馬でも購入すればいいと思う。 無理だけはするなよ!」
「……はい、判りました……」
カグツチは心なしか、力のない返事をしていた。
ヴァグドーとカグツチがしばらくの間、歩いていると前方から突然、女性の悲鳴が聞こえてきていた。
「きゃあああぁーーーっ!!」
女性が慌てて、ヴァグドーとカグツチの所まで走ってやって来ていて、女性がヴァグドーの背後に隠れて、懇願をしていた。
「お願いです! どうか助けて下さい!」
「………」
「何っ!? 誰かに追われているのか!?」
すると、前方から "額に白い角が生えた青色の身体をした狼のモンスター" が、6匹ぐらいで走って現れていた。
「ふん、雑魚め!!」
「師匠、ここは私にお任せ下さい!」
《白角青狼》
白角の青色の身体の狼で、牙や爪で攻撃する。 レベル:30
カグツチが赤い剣を取り出して、"狼のモンスター" である白角青狼の方に向けて構えていて、白角青狼たちが一斉にカグツチに襲いかかるのだが、カグツチは見事に白角青狼の6匹の撃退に成功していて、白角青狼たちが逃げていった。
カグツチは白角青狼に見事、勝利した。
「どうだ! この程度の敵ならば、私だけでも十分だ!」
「ほう、これはなかなかやるのう、カグツチよ」
「はい、ありがとうございます! 師匠」
「あのーー……」
ヴァグドーの背後に隠れていた女性が、ヴァグドーたちに話しかけてきた。
その女性は、碧色の髪の肩までのショートヘアーに碧色の瞳で、碧色の魔導師ローブを着ていて碧色の杖を持っている、全身が碧色の可愛い顔立ちの美少女が、そこに立っていてお辞儀をしていた。
「助けて頂いて、どうもありがとうございます。」
「…それで、お前さんは…?」
「はい、私の名前はロンギルスと言います。 本当にありがとうございました。」
「私の名前はカグツチだ」
「ワシの名前はヴァグドーじゃな。」
ヴァグドーの顔を見ていたロンギルスが、顔を紅くしていて、
「……かっこいい……」
…と、ポッとしながら思わず言ってしまった。
「……はぁ?」
ヴァグドーは唖然としていた。
絶望老人、ヴァグドーよ!
さぁ、次の目的地へ!!