210、まず "3." の選択肢から
●【No.210】●
このままロートアンリルス連合国で、やるべきことはもう終わってると思われる。
そこにヴァグドーたち一行が、最後にこの国に来たことで、この大陸にある人間が住む国や場所を、一通り見たり行ったりしたことになる。
またこの国で行われてるエネルギー武闘台の参加と、優勝・準優勝のワンツーフィニッシュを決めたヴァグドーと勇者アドーレの二人。
それとここで悪魔神オリンデルスと勇者見習いのモモネも、ヴァグドーたち一行に同行することが決まった。
そして予定通りに大型船も手に入れた。
ここまで全てが既定路線、ゲームの攻略本のように進んでいる。
だがしかし、まだこの大陸を去るワケにはいかない。 この大陸でまだまだやるべきことが残ってるからだ。 それをせずして、この大陸を立ち去るワケにはいかない。
悪魔神オリンデルスによる悪魔神独演会も無事に終了して、最後にアテナ代表がヴァグドーたち一行に話しかけた。
「えー、皆さん、本来なら優勝者の勇者アドーレ様と準優勝者のヴァグドー様の祝賀パーティーを開催したいところなんですけど、悪魔神オリンデルス様から "パーティーの開催を中止して下さい" と申されまして、今回は別の祝賀会的なモノを考えております。」
「ほーう、オリンデルスよ。 やっぱり、お前さんも気づいておったか?」
「やっぱり、あなたもこの異常な状態を知っていましたか? 悪魔神よ」
「ねぇ、これはアイツの仕業だよね? お父さん」
「……アイツとは、一体何なんでしょうか……?」
「あぁ、この大陸の遥か上空に漆黒の大型の鳥、【カラス】が蔓延しつつある。 この【カラス】が飛び回ってる場所で大規模なパーティーを開催すると、その【カラス】が人間を……特に高位の美女を狙う仕組みになってるみたいだね。」
「やっぱり、そうじゃったか」
「パーティーの開催が引き金になって、あの鳥がデュラルン女王陛下やアテナ代表を、また狙い拉致するワケですね。」
「まぁ、そうでしたの? それは大変ですわ。 このまましばらくの間、大規模なパーティーが開催出来ないとは、意外と辛いですわ。」
「あの鳥は一体何なんだ?」
「あの【カラス】が象徴する悪魔神は悪魔神トニトリエクルスだと思われるよ。 もしかして、これらの出来事は全てヤツの仕業かもしれないね?」
「なんだと悪魔神トニトリエクルスですってぇ!?」
「ほーう、やっぱり悪魔神トニトリエクルスが関係しておるか?」
「え~っ、じゃあ、悪魔神トニトリエクルスを打倒しないと、パーティーが開催できないのぉ~っ?」
「それは解らない。 ただ悪魔神トニトリエクルスが象徴する動物が【カラス】であり、何か関係があるかもしれないね。」
「ほーう、なるほどのう」
「その悪魔神は "パーティー" に対して、何か憎しみや嫌悪感とかあるのかしらね?」
「………」
「それでアテナ代表。 その別の祝賀会的なモノって何なんですか?」
「はい、この国の森の奥の方にある "混浴露天風呂" がありますので、そこで皆さんが温泉に浸かって、リフレッシュ・リラックスしてみてはいかがでしょうか?」
「おっ、温泉があるのか?」
「いいですね。 ぜひとも入浴してみたいですね。 ヴァグドー殿」
「ふむ、そうじゃな」
「はぁ~ いいわねぇ~。 また温泉を堪能したいわねぇ~」
「あの、ボクは遠慮したいんですけど……」
ここで勇者アドーレが温泉に入ることを拒否してきた。
「おう、そうじゃったのう。 アテナよ、アドーレは不参加じゃな」
「え~っ、そうなんですかぁ~?」
「すみません、アテナ代表」
「ほっほっほっ、色々あるんじゃよ。 残念ながら、彼はこういうのはダメなんじゃよ」
「はぁ~ 残念ですけど、仕方ありません。 ヴァグドー様は大丈夫なんですか?」
「ほっほっほっ、ワシは大丈夫じゃよ。 温泉大歓迎じゃよ。」
「は~い、私も行きま~す♪」
「できれば、私もお願いします。」
「判りました。 参加できる方は来てください。 兵士に案内させますので」
「ふむ、わかったのじゃ」
一応はアテナ代表の別の祝賀会的なモノの内容は理解できた。
ここでアテナ代表がおすすめする "混浴露天風呂" の入浴参加者は、次の通りである。
ヴァグドー、大魔女シャニル、カグツチ、ロンギルス、エクリバ、ニーグルン姫、テミラルス、悪魔神オリンデルス、勇者見習いのモモネ
男女一緒に温泉の集団入浴が大好き仲間。
またアテナ代表がおすすめする "混浴露天風呂" の入浴不参加者は、次の通りである。
勇者アドーレ、ルドルス将軍、アルベルス、アルラトス
男女一緒に温泉の集団入浴が苦手な仲間。
━-ー・●・ー-━
ヴァグドーたち温泉入浴参加者は、各自お風呂に入る準備をしてから、先頭のアテナ代表の兵士の案内のもと、森の奥の方にあるとされる "混浴露天風呂" の場所まで向かっていった。
その道中で皆が和気あいあいと話し合ってる。
「お風呂、お風呂、楽しいなぁ~♪」
「この国でも温泉に入れるわね。 ロンギルス」
「はい、今から楽しみですよ。 カグツチさん」
「まったくルドルス将軍には困りましたわ。 私の護衛将軍でありながら、ここまで同行しないなんて、温泉に入れないまでも、せめて外周警備とかやりようがありますのに」
「ははは、もしかして若いおなごの裸は見られない、なんて昔気質の堅物じゃないだろうな? アンタの将軍」
「さぁ、どうでしょうか? 私にはよく解りませんわ。 テミラルスさん」
「まぁ、いざとなったら、最強無双のボディーガード・ヴァグドーがいるから、何も問題ないけどな。」
「まったくその通りですわテミラルスさん。 ヴァグドー殿がいれば、何も問題ありませんわ。」
「ははは、そうだよニーグルン姫。」
「皆さん、到着しました。」
「おう、ここか」
ヴァグドーたち一行の目の前に現れたのは、木で作られた小屋であり、小屋の内部に男女別の脱衣場があって、その向こう側に "混浴露天風呂" の温泉がある。
「それでは失礼します。」
「おう、案内ご苦労」
兵士がヴァグドーに一礼すると、もとの外周警備の任務に戻っていった。
そこでヴァグドーたち一行が小屋の中に入って、男女別の脱衣場で衣服や下着を脱いで、全裸になったヴァグドーたち一行が "混浴露天風呂" の方へ向かった。
「ん?」
ここでヴァグドーがあることに気づいた。
「は~い、みんなぁ~ お久しぶりぃ~♪」
「ハーディスゥ!?」
なんと巨乳のナイスバディで、全裸の冥界の女神ハーディスが、既に先に "混浴露天風呂" の温泉に入浴していて、こちらに向かって笑顔で手を振っていた。
「は~い、みんなぁ~ お・ま・た・せぇ~♪」
久しぶりの冥界の女神ハーディスが登場する。