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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
F.ロートアンリルス連合国編 ~エネルギー武闘台~
208/329

204、最後の決勝戦・バスターC

  ●【No.204】●



 ここで勇者アドーレの八本の黄金の剣がヴァグドーを襲う。


 その黄金の剣の剣先が、ヴァグドーの伝説の皇剣【消滅罪の剣】の刀身に触れると、同時に小規模な爆発が起きていた。


 ボォン、ボォン、ボォン!


 ヴァグドーは盾も持っていないし、鎧も着ていない。

 なので剣の刀身で防御(ガード)する以外に(ふせ)ぐ方法がない。

 まさか生身で(ふせ)ぐことができないので、回避や後退ができない時には、剣の刀身で(ふせ)いでいく。


 だけど勇者アドーレは、構わず八本の黄金の剣を(たく)みに操って、剣先の爆発で容赦なくヴァグドーに襲いかかる。


「ふむ、なるほどのう」

「ふふふ、さぁーヴァグドーさん! 一気に行きますよ!」


 なおも勢いづく勇者アドーレと、何かを考え込みながら対処するヴァグドー。


「ほっほっほっ、なるほどなるほどのう。 彼にも通用するか否か、ひとつ試してみるか」

「……??」


 そこでヴァグドーが、八本の黄金の剣の猛攻をかいくぐり、またもや猛烈に全速力をもって、突然走り出した。


 ダッダッダッ!


「……っ!!?」

「行くぞ!! アドーレよ」

「ですが、行け! 黄金の剣よ!」

「むっ、来るか!?」


 ガギィ、ガギィ、ガギィーーン!


 ここでヴァグドーの素早い動き・走りにプラスして、左手に持った伝説の皇剣【消滅罪の剣】の刀身で、襲いかかる黄金の剣を次々と(はた)き落としていく。

 ここまでは前回と同じ動きだが、ひとつだけ違う動きをしていた。


 それがヴァグドーの右手の動きである。

 ヴァグドーの右手、()()()()()()()()


 ダッダッダッ!


 ヴァグドーの高速の走りは、あまりにも速すぎる為に、八本の黄金の剣でもヴァグドーの動きを(とら)えることができず、ヴァグドーを襲うこともできずに、遂にヴァグドーの独走を許す。


 このまま一直線に勇者アドーレに攻撃可能な距離まで、一気に駆け上がるのかと思ったけど―――


 ダァッ、ブゥン!


 なんと突然ヴァグドーが、ある程度まで勇者アドーレに近づくと、右手に持ってた剣を勇者アドーレの胸部めがけて投げつけた。


「ふん!」

「……っ!!?」


 ガキィーーン! グサリ!


 とっさに勇者アドーレが伝説の皇剣【磨羯龍の剣】の刀身で、ヴァグドーが投げつけた剣を(はじ)()ばし、その剣は勇者アドーレの近くの地面に剣先が突き刺す形で立っていた。


「こ、この剣は……っ!!?」

「…ふっ…」


 勇者アドーレがこの剣を見た瞬間(とき)、あまりのことに驚愕して硬直した。





 また一般観客席に座って観戦していた、カグツチやテミラルスやニーグルン姫たちも、あの剣を見た瞬間(とき)、動揺してざわついた。


「あ、あの剣は……師匠の禁断の魔剣……ではないか?」

「そういや、ここ最近使ったところは見てなかったわね。 ヴァグドー」

「遂にヴァグドー殿が()()を使用しましたか?」

「まぁ、相手が勇者アドーレ様では仕方ありませんわ」


 お久しぶりに使用した、あの剣に対して、それぞれが感想を()べている。





 それと一般観客席の一番後ろの方で立って観戦していた、あの勇者アクナルスでも、あの剣を見た瞬間(とき)、凄くビックリしていた。


「あ、あの剣は……ヴァグドー先輩は、遂にあの剣を……?」

「……??」


 一方の隣にいた悪魔神オリンデルスは、一体なんのことなのか、疑問でしかなかった。


「あの剣が、一体なんだと言うのだ? あの剣が……?」


「あの剣は……魔蛇の剣……だよ」

「な、何ぃっ!!? あの剣が魔蛇の剣……だとぉっ!!?」

「ああ、正確には……伝説の皇剣【八魔蛇(はまじゃ)の剣】だけど……ね。」

「な、何ぃっ!!? 八魔蛇(はまじゃ)の剣……だとぉっ!!? バカな……あの剣は人間では扱えないはずだぞぉっ!!?」


「そう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……!」


 ここで悪魔神オリンデルスも驚愕して絶句する。





 それにしても驚くべきは、ヴァグドーだけが装備できて、使用頻度も少なかった、あの "魔蛇の剣" を使用してきたことだ。 限られた者にしか装備できずに、使用できる戦闘も制限されてきた剣で、実際には、拳などの肉弾戦を好むヴァグドーにとって、活躍する場面があまりなかった剣である。

 この魔蛇の剣も、実は伝説の皇剣【八魔蛇(はまじゃ)の剣】であった。

 もっとも、この事実はヴァグドーをはじめとするヴァグドーたち一行なら知らない者はいない程、既に周知されている。


 その伝説の皇剣【八魔蛇(はまじゃ)の剣】を、ヴァグドーは勇者アドーレに対して、遂に使用してきたのだ。





 動揺する勇者アドーレは、剣先が地面に突き刺さった魔蛇の剣を見て、少し考え込む。


 こ……この剣の能力は……「特殊な蛇の鎖」で縛り付けて固定して、そのモノの動きを止めること……。


「ま……まさか……っ!!?」

「そう、そのまさかじゃ。 伝説の皇剣【八魔蛇(はまじゃ)の剣】よ。 黄金の剣の動きを止めよ。」


 ドサドサドサドサッ!


 ここで勇者アドーレの八本の黄金の剣が、空中から地面に落ちてきて、まるでガラクタのように動かなくなった。

 よく見ると、八本の黄金の剣が紫色の蛇の鎖に巻き付けられた様に、思うように自由に動けないようだ。


「ほっほっほっ、これでもう黄金の剣での【ストリンガー・ドラグーンソード】は使えまい。 アドーレよ」

「……!」


 魔蛇の剣の能力によって、八本の黄金の剣は地面に固定されてしまい、これで勇者アドーレは黄金の剣が使用不可能になってしまった。

 ちなみに魔蛇の剣も能力発動中は使用不可能である。





 真顔で勇者アドーレがヴァグドーのことを見つめながら思った。


 見事です!

 確かに今までは、ただ単に最強なだけだと思っていたけど、そうではなかった。

 真の最強とは、あらゆる攻撃に対して、いかに防御・回避・後退できるか、だと思っていた。

 ヴァグドーさんはこの旅で、既に()()を身につけてきた真の最強です。


 これは称賛に値します!





 だがしかし、だからといって勇者アドーレはヴァグドーに勝利して、大会に優勝することを諦めてはいなかった。


これまで左手だけで闘ってた意味がこれで判りましたね。

また右手はお留守になったけどね。


でも闘いはまだまだこれからです。

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