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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
F.ロートアンリルス連合国編 ~エネルギー武闘台~
204/329

200、憧れの準決勝戦第二試合:3

  ●【No.200】●



 ズバシュッ!


 もの凄い勢いで大型の蒼白いエネルギーの光刃がふたつ、反対側にいる勇者アドーレの方に向かって飛んでいった。


 シュッ、シュッ、シュッ、ジャッキィーン!


「これは仕方ありませんね」


 そう言うと、勇者アドーレが八本ある黄金の剣を、全部自分の目の前に集結させて、八本の黄金の剣が円形に固定されて浮遊しており、勇者アドーレを守る盾の役目をしている。


 それと勇者アドーレが、伝説の皇剣【磨羯龍の剣】を、剣先を下側にした状態で縦に構えていて、自分自身を守る盾の代わりにしている。


 サッ、グッ!


 これは勇者アドーレが盾を二重にした状態となり、これで果たして、モモネの特殊な攻撃を(ふせ)ぎきれるのか?


「さぁ、これでどうですかね?」


 ()いで勇者アドーレが、両足にも力を入れて地面に立っており、そこから万全の態勢で、モモネの特殊な攻撃に(のぞ)んでいる。

 準備が完了した勇者アドーレが、再びモモネの方を見ると、なんとモモネの姿が既に消えていた。


「…っ!!?」


 ……な…何っ、消えた…っ!!?

 ―――彼女が…居ない…っ!!?

 い、一体どこに行ったのですかっ!!?


 などと勇者アドーレが考え込むうちに、消えたはずのモモネが、勇者アドーレの背後から少し離れた場所で突如現れた。


 シャッ、ズドォーン!


 そのモモネが、伝説の皇剣【神納覇(しんのうは)の剣】の剣先を前方に突き出して、そこから強力で高速の大型のエネルギーの光砲を放出させていて、勇者アドーレの背後を狙う。


 敵の前方には、大型の蒼白いエネルギーの光刃がふたつ、敵の後方には、強力で高速の大型のエネルギーの光砲が、それぞれ敵を挟撃する形で襲う。


 これぞ【ストリンガー・デスティネーション・ソーサリー】の真骨頂である。


「くらえ必殺―――これで終わりでーす!!」

「…っ!!?」


 ここで自身の背後に備えをしなかった勇者アドーレが、またしてもこの状況でピンチになっていた。






 一方の一般観客席の一番後ろから観戦していた。

 そのヴァグドーと勇者アクナルスと悪魔神オリンデルスの三人が立っていて、それぞれ静かに腕組みして、現在の試合の感想を()べていた。


「おっ、勇者アドーレ先輩。 現在(いま)結構ピンチみたいだけど、大丈夫なのか?」

「………」

「ふふふ、このままだと(モモネ)の奴、勇者アドーレに負けるな?」

「……えっ、何っ!!?」

「残念だけど、あの能力技は勇者アドーレには効かないかもな?」


「何故じゃ? 一見して、あの技は敵を前後に挟み撃ちにする上に、同時に二連続攻撃を可能にしておる。 かわす(すき)など見当たらないのじゃがな?」

「確かに、あの能力技は防御も回避も反撃も不可能だけど、唯一弱点がある。 ()()に勇者アドーレが気づいていれば、あの無敗で無敵の能力技は(むな)しく(やぶ)()ることになる。」

「……弱点だと……っ!?」

「ほーう、その弱点とは、一体なんじゃ?」


 すると、そこでまた〈地球神アクナディオス〉が、突然モクモクと現れ出した。


『ヒヒヒ、それは()だよ。 ……()、ハハハ』

「………」

「……えっ、上……っ!?」

「…何、上じゃと…? それは一体どういう意味じゃ?」

『ヒヒヒ、そうそう。 だが見てればわかる。 ()()()を体現してくれるはずだよ。』


 そう言うと、ヴァグドーと勇者アクナルスと悪魔神オリンデルスの三人が、再び静かに試合の方を見ていた。






 肝心の試合の方は―――


 その勇者アドーレが、モモネの【ストリンガー・デスティネーション・ソーサリー】を前にして、絶体絶命のピンチを迎えていた。


 そこで勇者アドーレが、自分の前後を確認して、前方から、もの凄い勢いでやって来る大型の蒼白いエネルギーの光刃のふたつと、後方から、もの凄い速度(スピード)でやって来る強力で高速の大型のエネルギーの光砲を、目視で見比べている。


「………」


 そして勇者アドーレが、前の大型のエネルギーの光刃のふたつと、後ろの大型のエネルギーの光砲が、自分にぶつかる瞬間で姿が一瞬で消えた。


 ダァン!


「やったぁーーっ! 遂に無敗で無敵の勇者アドーレさんを倒したわぁーーっ!」


 ここで思わずモモネが、なにやら勝利を確信して、大喜びする次の瞬間―――


 ドッカァーーン!


 この勇者アドーレのいた場所で、突然大爆発が起こり、モモネが放った大型のエネルギーの光刃と光砲が接触したことで起こる爆発に、プラスして勇者アドーレの爆発能力が加わったことによる大爆発である。


 その肝心の勇者アドーレは、はるか上空にジャンプしており、なんとか無事であった。


「ひゃぁああっ!?」


 ヒューウ、ドォーン!


 一方のモモネが、その大爆発の衝撃と爆風により、一瞬にして、後方の壁までふっ飛ばされて激突、そのまま前のめりに倒れて気絶した。


「…き、きゅぅうう……」


 ここで勇者アドーレが地上に降りてきて、両足が地面についていて、浮遊していた八本の黄金の剣が、勇者アドーレの着用してる黄金の鎧に装着された。


「はわわわ、そ…そこまで!」


 審判が慌ててモモネの方に()()り、モモネの状態を見ると、焦った審判が両手を天高く()げて、左右横に振っている。 これはモモネの気絶により、戦闘続行不能を意味している。

 ちなみに、今回の審判は大爆発が起きた場所から、かなり離れた場所にいたので、無傷で無事だったようだ。


「勝者・アドーレ!」


 なんと、そこで遂に勇者アドーレが勝ち名乗りを受けた。 これで勇者アドーレも決勝戦進出である。


 なんと言うことなのか!

 決勝戦はヴァグドー対勇者アドーレに決定した。


 ウワァーーッ!

 オオォーーッ!


 一般観客席からは、割れんばかりの大歓声が上がっていた。

 決勝戦に進出する選手が、二人共に余所者(よそもの)同士であることは、おそらくロートアンリルス連合国が建国されて以来、初めてのことであろう。


 また勇者見習いのモモネが、複数の関係者に運び出されるのを、勇者アドーレが少し離れた場所から静かに眺めていた。






 再び一般観客席の一番後ろの方では―――


 例の三人が話し合っている。


「なるほど、唯一の弱点とは、上空のことだったのか。」

『ヒヒヒ、普通はあんなにジャンプできる者など、そうはいないはずだから、限られた者にしか、()()はかわせないのだよ。』


「それにしても惜しかったな」

「やっぱり、負けてしまったね。 どうやらボクの(モモネ)も、まだまだ修業が足りないようだね。 ふふふ」

「……ん?」

「……娘……?」


 そこで悪魔神オリンデルスが、踵を返して後ろに振り向き、そのまま立ち去ろうとした拍子(ひょうし)に、ヴァグドーたちの疑問に答えた。


「ふふふ、そうだよ。 ()()()()()()()()()()




今回もまた攻撃や技とかでなく、何かの拍子と偶然で勝利してしまったようだ。

そして、おおかたの予想通りにヴァグドーと勇者アドーレが決勝戦に進出した。


やっぱり読者の皆さんも、既に判ってましたか?

では決勝戦もお楽しみ下さい。

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