193、エネルギー武闘台・D決勝戦
【ベスト8】
第三試合 (Cブロック決勝戦)
◎モモネ
V.S.
◎ルドルス将軍
(パートB)
●【No.193】●
大会二日目の午後、Cブロック決勝戦
勇者見習いのモモネ対ルドルス将軍
ルドルス将軍がもの凄い勢いで前方に突進していき、モモネももの凄い勢いで前方に突進していく。
ダッ、ダッ!
「でぇぇい!!」
「おりゃぁあああぁーーーっ!!」
ルドルス将軍の剣技はなかなか熟練しており、技術的にもモモネよりも優ってるはずなのだが、一方のモモネも剣技や技術的なところはルドルス将軍には負けていない様子である。
つまり、両者共に互角と思われる。
ルドルス将軍とモモネが再接近すると、両者の剣の打ち合いが再開されていて、両者の実力がほぼ拮抗している。
カキン、カキン、カキン、カキン!
「くっ!」
「ちっ!」
モモネが【黄金の剣】と【白銀の剣】の二刀流であり、ルドルス将軍は剣術の達人として、しっかり対抗・対応している。
カキン、カキン、カキーン!
「くっ!」
「ちっ!」
ダッ、ダッ!
ここで両者共に後方にジャンプして、またお互いに距離をとった。
両者互角なので、なかなか勝負がつかない。
このままいたずらに打ち合っても、ただの消耗戦になるだけである。
なので、お互いの動きがここで少し止まってしまう。
(むむむ、私の実力では……まだまだこの程度なのね……)
(……どうしよう、もう打つ手なしよね……?)
(でも……このままでは勝負がつかないかもしれないわね……?)
(―――これは……なんとかしないと……ねぇ)
打つ手のないモモネが、心の中で作戦会議をしている。
(むむむ、なんということなのか……このルドルス将軍が攻めあぐねている……と言うのか……っ!?)
(さて、これは困ったぞ……残念ながら、これでは攻め手がないぞ……っ!?)
(こ……このままでは……勝負がつかないではないのか……っ!?)
(―――これは……なんとかしなければ―――)
攻め手をなくしたルドルス将軍が、頭の中で作戦を練っている。
(よし、アレを使おうかな!)
するとモモネが突然、構えを変えた。
さっきのと少し違う構えだが、どちらにしても素人からして見れば、まったくよく解らない構えである。
自分の目の前で【黄金の剣】と【白銀の剣】をXの状態で交差させて、そのふたつの剣に、それぞれ自分のエネルギーを注ぎ込み、大量のエネルギーが剣の刀身に溜め込まれると同時に、ふたつの剣を前方に突き出し、ルドルス将軍の方に向けた。
「行くよ!」
「っ!!?」
ズドドォーーン! ダッ!
このモモネの持つ【黄金の剣】には黄金の光のエネルギーの砲撃を、【白銀の剣】には白銀の光のエネルギーの砲撃を、それぞれルドルス将軍の方へ向けて素早く発射した。
それと同時にモモネがもの凄い速度で移動して、一瞬にしてルドルス将軍の背後に回り込む。
「おのれ!!」
ドォォン!
「むん! 【肉体防壁】!」
ここでルドルス将軍が【肉体防壁】を使用して、自分の肉体の強度・硬度を上げて、なんとか敵の攻撃をしのぎ防ごうとする。
ブゥン、ズバシュッ!
だがしかし、今度はルドルス将軍の背後から、モモネが【黄金の剣】と【白銀の剣】をXに交差させた状態の、素早く左右横に広げた衝撃で、大型の蒼色のエネルギーの光刃を発生させて、それをルドルス将軍の方に向けて高速で発射させた。
【ストリンガー・デスティネーション・ソーサリー】
「うがぁっ!!」
ザァン、ズドドォーン、ドサッ!
前方の砲撃に気をとられたルドルス将軍が背後から襲ってくる大型の蒼色のエネルギーの光刃に背中を直撃、同時に前方からもやって来るふたつの砲撃もルドルス将軍に直撃、そこでルドルス将軍が意識を失い、そのまま前のめりに倒れてしまった。
ここで審判が両手を天高く上に挙げて、左右横に振っており、これは最早ルドルス将軍の状態を見る必要がない。
「そこまで! 勝者・モモネ!」
ここで遂に勇者見習いのモモネが勝ち名乗りを受けており、今大会最年少でベスト4進出である。
オオォーーッ!!
この大型円形闘技場2では、今日一番の最初の盛り上がりである。
勇者見習いの女の子がアーサンティラル王国の姫付将軍を倒す快挙は、この大会の伝説に残ることだろう。
「あらあら、やっぱりルドルス将軍は負けてしまいましたわね。」
「……やっぱり……?」
やっぱり……まるでルドルス将軍が負けることを知ってたかの様な口ぶりのニーグルン姫。
気絶してるルドルス将軍は複数の関係者によって運び込まれており、モモネの方は、そのまま歩いて選手控え室に行った。
ここから少しの間、休憩をとってから、いよいよ今日最後の第4試合が開始される。
ここで遂に勇者アドーレが登場する。
対戦するのが、皇守親衛騎士隊のギアンデ将軍である。
勇者アドーレは最早説明不要だが、ギアンデ将軍は白銀の鎧を身につけ、特殊な剣を右手に、特殊な盾を左手に、それぞれ装備している。
「よろしく」
「宜しくお願いします」
大型円形闘技場2の中央には、審判と勇者アドーレとギアンデ将軍が集まっていて、両選手がお互いに距離をとって、それぞれ戦闘準備をしている。
(ルドルス将軍は残念でした。 最大の敗因はやっぱり攻め手……でしたか。 モモネさんには、まだ必殺攻撃オプションが残されていましたか。)
(それにしても、あの【ストリンガー・デスティネーション・ソーサリー】とは、一体何なのでしょうか……?)
勇者アドーレが少し考え込むうちに、審判の試合開始の合図と同時に、早速ギアンデ将軍が地面を蹴って、素早く勇者アドーレの方に向かっていった。
「始め!」
「とりゃぁあぁーーっ!!」
「…ふっ」
ダッ! ガキーン!
予め【黄金の剣】を構えて待ち構えていた勇者アドーレと突進してきたギアンデ将軍の剣の刀身が激しく交わっていた。
【ベスト8】
第四試合 (Dブロック決勝戦)
◎アドーレ(勇者)
V.S.
◎ギアンデ将軍
(パートA)
遂に大詰めの第4回戦、ここで勇者アドーレが登場する。




