189、エネルギー武闘台・予選
遂にエネルギー武闘台が開始されます。
まずは予選からです。
●【No.189】●
ロートアンリルス連合国
いよいよエネルギー武闘台の開催日当日。
場所は中央都市にある某所の大型円形闘技場で試合が行われ、その大型円形闘技場がふたつあって並んで建っている。
エネルギー武闘台はトーナメント方式、予選から決勝戦まで連続して行う。 その日程は三日間用意している。 つまり余程の事態が起きない限り、予選から決勝戦まで三日間で試合を行うことになる。 また早朝から日没まで試合を強行していく。
実際に決勝戦まで行ける者には、いかに体力・気力・実力などが凄く高く優れ、逆に低く弱い者からどんどん落とされていく。 まさにサバイバルトーナメント大会なのである。
勿論、連合国統括代表閣下もこの大型円形闘技場まで来ていて、参加選手の試合を特別席にて見学・観戦する。
ちなみにアテナが、実際に大型円形闘技場に来て見学・観戦するのは、ベスト8の試合からである。
国内外から「最強」の称号を求めて出場する参加選手たちの中には、ヴァグドーたち一行の姿もあった。
試合に出場する参加選手であるヴァグドーと勇者アドーレとカグツチとルドルス将軍の四人以外は一般席にて見学・観戦する。
AブロックやBブロックが大型円形闘技場1に、CブロックやDブロックが大型円形闘技場2に、それぞれ予選の試合が同時に行われる。
その大型円形闘技場1では、ヴァグドーとカグツチの二人が、他の参加選手たちの顔を見渡していると、そこに遂に悪魔神オリンデルスがヴァグドーたちの前に現れた。
「はじめまして、ヴァグドーよ。 ボクの名前は悪魔神オリンデルスだよ。」
「ほぉーう、お前さんがぁ……あの悪魔神……じゃとぉ!?」
「ふっ、どうぞヨロシク。 じゃあまた後で」
「………」
そう言うと、悪魔神オリンデルスが踵を返して、後ろに振り向き、そのまま立ち去っていった。
またAブロックには、王護聖騎士のリーダーである「ガルマン」も姿を現しており、他の参加選手たちから凄い歓声が上がっている。 どうやら彼は凄い人気のようだ。
一方の大型円形闘技場2では、勇者アドーレやルドルス将軍の二人がいるほかに、勇者見習いのモモネも姿を現している。
さらにDブロックには、皇守親衛騎士隊の将軍である「ギアンデ」も姿を現しており、他の参加選手たちから凄い歓声が上がっている。 どうやら彼も凄い人気のようだ。
一日目、早朝から予選の試合が行われ、まずはヴァグドーが名も無き普通の冒険者aの男と試合をする。
大型円形闘技場1の中央に相対するヴァグドーと戦士タイプの冒険者aの男。
審判らしき男の「始め!」の声に、試合が開始され、冒険者aの男が剣を構えて、ヴァグドーのもとへ突進していく。
冒険者aの男の剣がヴァグドーの首を捉えて直撃するも、剣の刃があっさりと砕けてしまい、冒険者aの男がかなり驚愕する。
その隙をついて、ヴァグドーが相手の胸に掌底打ちを喰らわせ、その反動・衝撃で、相手の冒険者aの男が大型円形闘技場の端にある壁まで吹っ飛ばされ激突、そのまま倒れて失神して戦闘不能になる。
審判の男の「そこまで!」の合図で勝負は決して、ヴァグドーが勝ち名乗りを受ける。
ヴァグドーの闘いで観客席からは凄い歓声が上がる。
だいたいこんな感じで、ヴァグドーに関して言えば、試合終了までに1分もかからないので、疲労もそれほど溜まらないのだ。
その様子を王護聖騎士のリーダーであるガルマンが見つめていた。
続いて大型円形闘技場2でも試合が行われており、現在は勇者アドーレと聖騎士bの男が予選の試合をしている最中である。
聖騎士bの男が剣を振り回して、勇者アドーレの身体を斬り裂こうとするも、勇者アドーレはまるで柳のように巧みに避けて、全て回避する。
聖騎士bの男が怯んだ隙に、勇者アドーレの黄金の剣 (一本のみ) で聖騎士bの男の鎧の胸部を斬り裂き、同時に右回し蹴りを鋭く素早く喰らわせ、その勢いのまま大型円形闘技場の端にある壁まで吹っ飛び激突、無言のまま倒れて失神して戦闘不能になる。
審判の「そこまで!」の合図で勝負は決して、勇者アドーレが勝ち名乗りを受ける。
勇者アドーレの闘いで観客席からは凄い歓声が上がる。
だいたいこんな感じで、勇者アドーレに関して言えば、試合終了までに1分もかからないので、疲労もそれほど溜まらないのだ。
その様子を皇守親衛騎士隊の将軍であるギアンデが見つめていた。
その後も予選の試合が進んでいき、夕方頃には、予選を勝ち抜いた8人のベスト8の参加選手が決定していく。
【ベスト8】
Aブロック決勝戦
◎王護聖騎士リーダー・ガルマン
V.S.
◎ヴァグドー
Bブロック決勝戦
◎カグツチ
V.S.
◎オリンデルス(悪魔神)
Cブロック決勝戦
◎ルドルス将軍
V.S.
◎勇者見習いモモネ
Dブロック決勝戦
◎皇守親衛騎士隊将軍・ギアンデ
V.S.
◎勇者アドーレ
以上の8人が勝ち残った。
大会一日目はここまでである。
一日目のエネルギー武闘台の大会を終えて、
王護聖騎士のリーダー・ガルマンと皇守親衛騎士隊の将軍・ギアンデが、それぞれ感想を述べている。
「まさかベスト8に残ったのが、この私だけとは……王護聖騎士の精鋭も落ちたものだな。 それにしても、余所者が6人も残るとはな。」
「なんということなのか? ベスト8に残ったのが、この俺だけ? まったく皇守親衛騎士隊なのに、なんてだらしない? これでは話にならんぞ。」
どうやら他にも多くの騎士が、この大会に出場していたみたいだけど、あえなく敗退していったようだ。
ベスト8決定!
予選の試合はほぼ省略。
やっぱり予想通りの組み合わせでしたね。




