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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
F.ロートアンリルス連合国・前編
191/329

187、秘密の特訓:1

  ●【No.187】●



 ヴァグドーとカグツチが秘密の特訓をしている。


 カグツチが剣でヴァグドーに少しだけでもダメージを与えることが特訓である。


 まずヴァグドーが認めるダメージをカグツチが与えれば特訓成功でクリアである。

 その間に、ヴァグドーは回避のみで、攻撃も反撃も防御もせず、カグツチの背後に回って彼女の大きな胸を揉む。

 そこでカグツチがヴァグドーに、30回胸を揉まれると特訓失敗のゲームオーバーである。


 実はこの特訓、カグツチはまだ一度も成功していない。

 今まで常にカグツチは、ヴァグドーに自分の大きな胸を揉まれ続けて、あっという間に、あっさりと30回揉まれてしまう。


 かつては、ロンギルスやエクリバやニーグルン姫らも挑戦してみたけど、やっぱりヴァグドーに背後を取られてしまって、自分の大きな胸を揉まれてしまい、途中からとても気持ち良くなって、まるで集中できなくなる為に、既に秘密の特訓の挑戦と成功を断念している。


 もう現在(いま)ではカグツチだけしか秘密の特訓を挑戦していない。

 だがしかし、まだカグツチだけは秘密の特訓を諦めずに続けている。

 何故、まだ続けているのか、よく解らないけど、とにかく続けているようだ。



 今は既に29回胸を揉まれている。


「でやぁあぁあぁーーーぁっ!!」

「ほっ…ほっ」


 ブンブンブン!


 カグツチが剣を振り回し、なんとかヴァグドーに当てようとするけど、相変わらずヴァグドーが(たく)みに避けて、いっこうに当たる気配がない。

 だがしかし、カグツチもただ闇雲に剣を振り回しているわけではなく、そのヴァグドーの(スキ)を見ながら、()()チャンスとタイミングを見計らっていた。


「でぇぇーーーいっ!!」

「ほっ…ほっ」


 ブンブンブン!


 すると突然―――


 フッ!


 ヴァグドーがカグツチの目の前で、一瞬だけ姿が消えた瞬間―――


 ここだぁーーっ!!


 ビュウン!


 すぐカグツチが自分の背後に、次にヴァグドーが現れるであろう場所を予測して、まっすぐに鋭く速く剣を突き立てる。


 ―――やったかっ!?


 特訓の性質上、ヴァグドーは必ずカグツチの背後に回る。 その為、タイミングを見計らって自分の背後に剣で攻撃した。


 し~~~ん


 だがしかし、カグツチの背後にヴァグドーはいなかった。


「―――えっ!!?」


 カグツチが慌てて、剣を突き立てた背後の方に振り返ってみると、やっぱり誰もいない?


 次の瞬間―――


 ムニュウ!


「ひゃああぁ!?」


 突然ヴァグドーがカグツチの背後に現れて、後ろからカグツチの大きな胸を揉んでいる。

 カグツチは驚き、頬を紅くしている。


 やっぱり結局カグツチは、今回もヴァグドーの姿・動きを、最後まで捉えることは出来なかった。


 これで今回もカグツチは、ヴァグドーに背後から大きな胸を30回揉まれているので、残念ながら秘密の特訓失敗である。


「ふむ、今回も特訓失敗じゃな」

「ふにゃ、そ…そうですか……ざ…残念ですけど……仕方ないです…ね……」


 なんだか本当に残念そうにガッカリしているカグツチ。


「ふむ、もう飽きたので、今回もこの特訓は終了じゃな。 これからも精進せいカグツチよ」

「……は…はい、判りました……」


 この特訓は一度失敗すると、最低でも半日は出来なくなり、この時間帯だと、次の特訓は翌日以降になる。

 ちなみにこの特訓に成功すると、冒険者ランキングのエネルギーポイントが、さらに「330」加算される、かなり魅力的な特訓である。






 一方で最初の街の中にある別の森では、勇者見習いのモモネが一人で特訓をしている。


 眼前の木に向かって、一心不乱に剣を振り回しているモモネ。


「えいっ、えいっ、えいっ」


 ブンブンブン!


 ちなみになるべく刃を木に当てないようにしている。


 彼女の祖母は昔、勇者マイカの仲間で戦士だった。 その名は「ラグレテス」と言う。

 よく口癖で「私はね昔、勇者マイカたちと一緒に冒険して、あの悪魔神を封印したのよ」と言ってた。

 これは祖母の武勇伝を聞いてるうちに、勇者マイカや勇者そのものに憧れを(いだ)くようになったモモネ。


 そこでモモネは両親の許可を得て、単身この大陸へ渡ってきた。 伝説の勇者マイカについての存在確認と、その調査と探索の為に。

 そして、自身が一人前の勇者になる為に、モモネは()()()()()現在(いま)はこの国に立ち寄ってる最中である。


「………」


 そのモモネの背後の木に寄りかかるように、なんと悪魔神オリンデルスが静かに立っていて、モモネの背後の姿をじぃーと無言で見守ってる。


「えいっ、えいっ、えいっ」


 ブンブンブン!


 だけどモモネは、()()()()に気づいているのか、いないのか、まだ一心不乱に木に向かって剣を振り回している。


 そこで悪魔神オリンデルスが―――


「相変わらず精が出るな。 モモネ」


 そうポツリと一人言を言うように呟くと、今度は上空を見上げて、


「いよいよ始まるようだな。 エネルギー武闘台と言う大会が……」


 そうポツリと呟いていた。


※モモネの祖母「戦士ラグレテス」は『絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?』にも登場するキャラクターである。

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