15、剣士カグツチ:2
カグツチちゃん…
一体、何者なのか?
●【No.015】●
翌日、ワシは再びサルマンディオスの町の中に入っていったのじゃ。
早速、この街にあるギルド冒険商の中に入るとここでも多くの冒険者がいて、その中にはあの女剣士カグツチもおり、カグツチの方もワシの存在に気がついて話しかけてきた。
「あんた、本当に外で野宿したのか!?」
「ああ、そうじゃ! 無論、この通り無傷じゃぞ!」
「信じられない! あんた、本当に凄いんだな!!」
カグツチは大変驚いていた。
「ふふふ、まだまだじゃよ。 ワシはまだまだ、これから凄くなるのじゃ!」
そう言うとワシはこのギルドを仕切っている今度のは30代の男性の主人に話しかけたのじゃ。
「おい、主人よ。 この街の近くにある "地獄の沼" について、出来るだけ詳細に教えてもらえるかの?」
「あっ もしかして、あんたがあのヴァグドーさんかい!? へぇー、ホントに居たんだなぁーっ!!」
「ほれ、感心してないで、早く教えてくれ!」
「あっ えーと、確か……あの… "地獄の沼" には凶悪なモンスターが住みついていて、夜になると出現して、人々を襲うんだよねぇーっ!」
「ほう、夜にあの沼で凶悪モンスターとな…。」
「はい、そーです!」
「では…夜まで待つかの…」
すると、カグツチもワシらの会話に入ってきた。
「え!? ちょっと待ってくれ!! もしかして、その凶悪モンスターを退治するつもりなのか!?」
「ああ、そうじゃ! お前さんも剣士ならば、強いヤツと戦いとは思わないのか?」
「………え?」
「え? ではない! そもそもワシの旅の目的は強いヤツと戦って、実戦を経験して、より強くなる為に旅をしているのだが、お前さんは違うのか!?」
「……えぇ~~……」
「ふふふ、カグツチちゃんはまだまだ修行中なんだよ。 ヴァグドーさんの様に完璧な力に達していないから、まだ自信がないんだよ。」
「失礼だぞ! 主人! これでも私は強くなっているのだ! 雑魚モンスターならば、ほぼ一撃だぞ!」
「ほう、では…どのぐらい強いのか? お前さんのステータスを見せてもらおうかの?」
「ふん、見て驚くな!」
カグツチは自分のカードを《ステータスカード》の上に置いた。
ピッピッピッ!
カグツチのステータスが表示された。
●・●・●
カグツチ : 剣士
レベル : 66
耐久力 :388
魔法力 :125
―――――――――
攻撃力 :402
守備力 :366
機動力 :333
叡知力 :247
幸運力 :175
―――――――――
絶望力 :100
能力 :【高炎熱光砲】【超炎熱裂斬】【大炎熱防壁】
●・●・●
「へぇー レベル66かぁー… やるねぇー カグツチちゃん」
「見たか! 攻撃力がやっと400を超えたぞ!」
「………」
なんじゃろう……。
何か疎外感を感じる……。
「さぁ! 次はあんたの番だ! ヴァグドー! あんたのステータスを見せてくれ!」
「……無理じゃ!」
「……え!?」
「いや、ヴァグドーさんはもう無理だよねぇー… 今、彼のステータスを測定する装置がないんだよねぇー…」
「はぁ? 何を言ってる!? …主人…」
「ほほう、主人はワシのレベルを知っているのか?」
「はい、アーサンティアル王国にある10の都市のギルドはそれぞれお互いに情報を共有しているんだよねぇー!」
「ほほう、そいつはなかなか優秀なギルドではないか!」
「いやぁー ヴァグドーさんに褒められるなんて、大変光栄だよねぇー!」
「二人共、何を言っているんだっ!?」
ヴァグドーと主人の会話にカグツチがまた割り込んできた。
「だから、早く見せてくれ!」
「だから、無理なんだよ!」
「だから、何で無理なんだよっ!?」
「だから、ヴァグドーさんのステータスを測定できる装置がもうないんだよっ!!」
「残念じゃがな……」
「……え!?」
「つまりだ、ヴァグドーさんのレベルはもう500を超えているんだよっ!!」
「えええぇーーーっ!!?」
カグツチはアリナの時のように大変驚愕していた。
カグツチちゃんの話しはまだまだ続く。




