185、悪魔神オリンデルス:1
遂に最後の悪魔神オリンデルスが登場する?
●【No.185】●
エネルギー武闘台の大まかなルールとしては、
参加費は無料。
制限時間は一試合・約30分の一本勝負。
失神・気絶・ギブアップなどの戦闘不能で敗北となり、対戦相手を殺すと反則負けとなる。
なお優勝者には、莫大な優勝賞金に大型の船が貰える。
「どうもありがとうございました。 ご主人」
「おう、ひとまずさらばじゃ。 また会おう主人よ」
「じゃあ~~ねぇ~~♪ 主人ちゃん」
「おう、またいらっしゃいな。 俺の恩人たちよ」
その後も "ギルド冒険商" の中で、エネルギー武闘台の事について色々聞いてたヴァグドーたち一行は、まだある程度はその場に残って、主人とはひとまず別れて、"ギルド冒険商" を出ていき、何気なく最初の街中を歩くヴァグドーたち一行。
ヴァグドーたち一行が "ギルド冒険商" を出ていった後で、また別の冒険者たちが、主人の所までやって来て話しかけてきた。
「やあ、どうも主人」
「いやぁ~ 大変だったね主人。 でも妻子共に無事で良かったよ。」
「おう、みんな…どうもな。 いやぁ~ 彼らのお陰で助かったよ。」
「それにしても彼が冒険者ランキング一位のヴァグドーなのか?」
「おう、そのようだな。 何だか予想以上に強そうだな。」
「彼らもやっぱりエネルギー武闘台に出場するのか?」
「おう、そのようだな。 まあまあ、かなり強そうだから、せいぜい気をつけな。」
「…そ、そうか…」
「ああ、そうだな」
主人はヴァグドーの強さをかなり強調している?
などと主人と冒険者たちが雑談していると、そこに「とある少女」が "ギルド冒険商" の中に入ってきた。
その「とある少女」の容姿とは、身長が約150cm前後でおかっぱ黒髪に赤茶色の瞳、黒い服を着ていて、黒い上着に黒いミニスカートであり、太股まで覆うほど長く黒いブーツを履き、背中には【黄金の剣】と【白銀の剣】を同時に背負ってる。
全身黒ずくめの少女である。
彼女はこう見えて、まだ勇者見習いであり、名前を『モモネ』と言う。
そのモモネが主人の所まで歩いて近づき話しかけてきた。
「やあ、ご主人さん」
「おう、モモネちゃん! いらっしゃいな!」
「ご主人さん、今回は大変だったね。 大丈夫だったの? 奥さんと娘さんは?」
「おう、噂のヴァグドー閣下に助けてもらったから、もう大丈夫だ。」
「―――えっ、ヴァグドーさんが……!?」
「おう、遂にこの国にも来たようだぞ。 それよりもモモネちゃん、抽選の結果がもう出てるぞ。」
「うん、わかった」
見習い勇者のモモネも、どうやらエネルギー武闘台に出場するようだ。
そこでモモネが壁に貼ってある掲示板に目をやると、エネルギー武闘台のトーナメント表が表示されていた。
「ん~~ん、Cブロックかぁ~~」
モモネのいるブロックはCブロックであり、ルドルス将軍とはCブロック決勝戦まで当たらないようだ。
モモネが大会のトーナメント表をじぃーと見つめていると、また別の冒険者らしき男性が "ギルド冒険商" の中に入ってきた。
その男性の容姿とは、身長が約170cm前後の灰色の髪に青紫色の瞳、青色の衣服 (上着とズボン) を着ていて、黒い靴を履いている、ごく普通の好青年冒険者に見える。
ちなみに彼は武器らしきモノも持っておらず、防具も身に付けていないようだ。
彼は一応は探検家とされているけど、やっぱり普通の冒険者に見える。
彼の名前は『オリンデルス』・・・そう、彼は悪魔神オリンデルスなのである。
悪魔神オリンデルスとは、悪魔神トニトリエクルスや悪魔神ヴォグゲロルスと並び立つ三大悪魔神のひとつであり、彼の本当の肉体と力と魂の10分の9は「滅んだ世界」と共に封印されている。
彼が人間の頑丈な肉体を作り、生き残った10分の1の魂を、その肉体の中に入れている。
それが現在の悪魔神オリンデルスなのである。
悪魔神が人間の姿とは言え、普通に人間の街にいるのも、なんだか不思議な気分なのだけど、今のところ特に何も問題が起きていないようだ。
「………」
悪魔神オリンデルスも壁に貼ってある掲示板を見ている。
「………」
エネルギー武闘台のトーナメント表を見ていると言うことは、どうやら彼もこの大会に出場するみたいだ。
彼は4つあるブロックのうち、Bブロックに入っていて、Bブロック決勝戦まではカグツチとは当たらないようだ。
「………」
そこで悪魔神オリンデルスがAブロックにあるヴァグドーの名前を睨み―――
「……準決勝で彼と当たるのか……? やれやれ参ったな。 今のボクの実力でどこまでやれるかな……?」
ここで彼がニヤリと静かに笑い―――
「……ふっ、とても楽しみだな……」
と一言呟いていた。
ここで勇者見習いのモモネと人間姿の悪魔神オリンデルスが何気なく登場した。




