表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
※閑話:一体何しに来たのだ?
182/329

178、堕神坊と神光聖者:2

何がなんだか意味が解らない!?

  ●【No.178】●



 この『堕神坊ベルシェールトン』と蒼の巨大な龍である《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と紅の巨大な龍である《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》と "神光聖者エリュニウス" が、さっきからずっと「にらめっこ」しながら無言で対峙している。


 まさしく、沈黙の時間が続いており、神光聖者エリュニウスが何故ここまで来たのか、その目的が未だに解っていない。


 最早、単なる我慢比べになっている?


 この異常な状態に唯一慣れていないのが、奴『右刎王アレクェート』なのであり、とても耐えられる状況ではなかった。


『……いや、いつまで黙ってるつもりなんだ? ……こいつら』


「………」

『………』


『……時間稼ぎのつもりなのか? それとも足止めのつもりなのか?』


「………」

『………』


『きぃーーっ!! お願いだから、誰でもいいから喋ってくれぇーーっ!!』


「黙れ!! アレクェートよ!!」

『ひぃぃぃ、エリュニウス……?』


「ふん、お前には何もわからんようだな、アレクェートよ! 戦いは既に始まっているのだよ! ()()()()

「………」


『……えっ!?』


 ここで神光聖者エリュニウスが指を頭にコンコンコンと当てている。 つまり頭脳戦が既に始まっている…と言うことなのか?

 頭の中で何かしらの戦いが始まっており、常人には全く理解できないことが起きているようだ。


 主に戦っているのが、堕神坊ベルシェールトンと神光聖者エリュニウスの二人だと思われ、なかなかの高等技術を要する頭脳戦が展開されてると思われる。


 もっとも、ヴァグドーや勇者アドーレや大魔王エリュドルスたち直接攻撃主体の者には、とても真似(マネ)できない芸当であろう繊細な技・能力である。


 ・・・。


 ………。


 またしばらくの間、とても重い沈黙が続くのだが―――


 突如として、


 ドォーーン!


 轟音と共に堕神坊ベルシェールトンと神光聖者エリュニウスの二人が、なにやらぐらつきながら後退していた。


「なるほど、そういうことですか……。 まさか本当に…全ては生贄(いけにえ)の為だと言うことなのですか……?」

「………」


『な、なんだっ!? 一体何が起きたのだっ!?』


 なんと…あの一瞬で、まるで全てを悟ったかのように、妙に納得する神光聖者エリュニウスと無言で返す堕神坊ベルシェールトン。


 そして、まだ何も解らないような素振(そぶ)りを見せてる右刎王アレクェートが戸惑う。


『おい、一体何が起きているんだ…? 頼むから教えてくれよ!』

「ふん、まぁ待て! わからんなら、あとで教えてやる。 今は()()()に集中させてくれ。」

『わ、わかった……』


 まだ何かが起こっているようで、右刎王アレクェートの質問を(さえぎ)って、その何かに集中している神光聖者エリュニウス。


 まだまだ沈黙と緊張が続くようであり、まるで見えない何かと戦っているような感じである。


 ・・・。


 ………。


 また突如として、


 ドォーーン!


 轟音と共に堕神坊ベルシェールトンと神光聖者エリュニウスの二人が、少しよろめきながらまた後退していた。


「なるほど、そういうことですか……。

まだ生贄(いけにえ)が足りないのですか……?」

「………」


『……??』


 現在(いま)、一体どうなっているのか…と言うと、堕神坊ベルシェールトンと神光聖者エリュニウスとの間に少しだけ空間があって、相変わらずの沈黙と緊張が続くものの、この空間の中心には時々、異様な轟音と衝撃が起こり、その都度(つど)…堕神坊ベルシェールトンと神光聖者エリュニウスが、その見えない何かの力で後退しているように見える。


 この二人は特に何もしておらず、攻撃する素振(そぶ)りも防御する素振(そぶ)りも見せず、ただ黙って睨みあっているだけである。


 それはまるで、頭の中なのか、異次元なのか、何処かで戦っているのか、何かを語っているのか、よく理解できないけど、この二人にしか解らない、何かがあるようだ。


 などと説明している間にも、


 ・・・。


 ………。


 またまた突如として、


 ドォーーン!


 轟音と共に堕神坊ベルシェールトンと神光聖者エリュニウスの二人が、そこからさらに後退していた。


「なるほど、そういうことですか……。 どうやら()()のようですね……。 これからですか?」

「………」


『……もう…意味がわからん……』


 まだ何も解らない右刎王アレクェートはただ困惑するだけである。


 それから《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》の顔からも汗が流し、固唾(かたず)()んで無言で見守っている。


「……ふっ、まぁいいでしょう。 私の知りたいことは、あらかた判りました。」


 そこで神光聖者エリュニウスの固い表情が少しだけ柔らかくなった。


「………」


 一方の堕神坊ベルシェールトンは相変わらず表情が固いままである。


「では、もう帰りましょうか。」

『……えっ、もういいのか……?』

「はい、このまま戦ってもいいのですけど、()()()()()で、今回はこのまま帰ります。」

『ふーん、そう。 でも詳細はあとで必ず説明してもらうからね!』

「はい、判りました。 アレクェートよ」


「では…また会いましょう。 さらばです。 ベルシェールトンよ」

「…くっ…」


 そう言うと―――


 最後に神光聖者エリュニウスが、《クリスタル.エルフニア.ノヴァドラゴン》と《クリムゾン.エルフニア.ノヴァドラゴン》の方をチラリと見ると、そのまま上空へ上昇して、また何処かへ飛び去っていった。




 ―――本当に一体何しに来たのだ……!?

やっと終わったのか!?

この意味不明な静かな戦いは……!?

それなら良かったよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=676877153&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ