13、残念、測定できず
●【No.013】●
ワシはカーナベルトの町に戻ってきていた。
ワシは早速、質屋に入っていったのじゃ。
新しい剣を手に入れたので、以前ハーディスから貰った、銀製の剣を売りに来ていたのじゃ。
剣をふたつ持っていても、仕方がないし、これ以上は邪魔になるだけなので、お金にした方がよいのである。
ワシは主人に銀製の剣を見せた。
「ちょっと待ってくれ! 本当にこれを売るのか? こいつはかなり高価な品物だぜ!?」
「ああ、構わん。 それで一体いくらぐらいで、コレが売れるのじゃ?」
「この剣は100000Rで買い取ります。」
ほう、本当に高価な物なのじゃな、この間も売った銀製の盾と鎧が高値で売れたし、ハーディスめ、なかなか良い物をくれたものじゃな。
「それでも構わんから、それで売ってくれ!」
「はい、判りました!」
主人は喜んで、お金をヴァグドーに手渡した。
続いてヴァグドーは、ギルド冒険商にも立ち寄っていった。
早速、主人がヴァグドーに話しかけてきた。
「おい、あんた、本当に "地獄の洞窟" に行ったのか…?」
「さすがはギルドの主人じゃな。 情報が早い! あの洞窟の中に居たドラゴンもついでに倒してきたぞ!」
「…ホントかよ…?」
そう言うとワシは、新たなる戦利品【氷結の剣】を主人に見せたのじゃ。
「それが…伝説の【氷結の剣】…なのか…?」
ふふふ、出てきたぞ!! よくゲームとかで出てくる、伝説の武器か……そういえば、巨紅龍をぶん投げた時にもヘンテコな盾を落としておったな。
あの盾は、ワシが前に住んでいた "地獄の森" の中にある、我が小屋の中に置いてきたのう。
まぁ、この究極の肉体には必要ないし、何より邪魔じゃったが、もしかしたら……あれも伝説の盾とかかも……。
「あっ ヴァグドーさん! あんた、今回は巨蒼龍を倒したよな? その報酬金が出ているよ。」
「おっ そうか! では…いただこうかの!」
「はい、巨蒼龍討伐料金の380000Rです。」
「ふむ」
ワシはお金を受け取った。
ふふふ、お金がどんどんと増えていくぞ!
「ところで、主人。 次の第8の都市なんだが……?」
「ああ そうか、第8の都市、サルマンディオスの町に行くつもりなのか?」
「ふむ、それでだ―――」
ワシはアリナから貰った地図を広げた。
「あっ ここだよ この街からさらに東に―――」
主人が、次の街の行き先を教えてくれた。
「ああ、あとは第8の都市、サルマンディオスの町には、"地獄の沼" という危険な所があるから気をつけてな。」
「…ほう そうか…」
よし、これで次の目的地がわかった!
「なぁ、ついでにステータスを確認していくかい?」
「うん? ふむ、だが もう見ても意味がないけどのう……。」
「………え?」
「この間、測定したらレベル500じゃったからの。」
「………え?」
「それでも測定するかの?」
「………」
主人が無言で、ワシの前に《フルパワーステータスカード》を出してきたのじゃ。
主人が眼をキラキラ輝かせており、何かを期待している様に見えていた。
ワシは自分のカードを《フルパワーステータスカード》の上に置いた。
ビリビリビリ……ボン!
予想通りに《フルパワーステータスカード》が故障してしまった。
「おお!! これは本当にスゲエェッ!!」
「………」
これで…今のところは、ワシのレベルを測定できる装置がもうなくなってしまった。
今夜は宿屋に泊まり、翌日にはカーナベルトの町を出ていった。
さらなる目的地へ!
いざ、行くぞ! 絶望老人・ヴァグドー!