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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
E.デュラルリダス王国編
168/329

164、『天衣無縫』:4

まずはヴァグドーから出陣だな。

  ●【No.164】●



 ここはデュラルリダス王国固有の森…『変態の森』の奥の方にある、謎の巨大な古代遺跡の入口の前にて。


 そこでワシら五人は早速、その遺跡の入口から内部に入っていった。

 その内部は、暗く湿った嫌な空気が漂う、長年使用した形跡のない細長い通路から始まっていた。


 大魔女シャニルが火の魔法を使用して、通路を明るく照らし、ヴァグドーたち五人『天衣無縫』パーティーが歩き始めた。

 とても長そうな通路だが、この時点では、まだ大型の漆黒のカラスの集団がいないようだ。

 ()()えずは、この通路を抜けなければ先には進めないらしい。 このままヴァグドーたち五人が歩いて進んでいき、相変わらず湿った嫌な空気だけが漂っていた。


 しばらく前方を歩いていくと、突如として、比較的に広く明るい空間が現れてきた。 その広い空間の一番奥の方には、黒いボンデージを着て長い黒髪と黒いカラスの翼をした謎の女性が、黒い鞭を持って立っていた。 そこにワシら五人が謎の女性の前まで歩いてきた。


「おやおや、これは驚いたよ。 人間の勇者と大魔王が一緒にいるなんてね。」

「……ちっ!」

「……むっ!」

「……お前さんは一体何者なんじゃ!?」

「おーほほほー、私はミスカラスレディですわ! 以後お見知りおきを」

「…ミスカラスレディ…だと…?」

「ミスカラスレディ? なにそれ? ダサーい♪」

「………」

「おーほほほー、名前なんてどうでもいいですわ! どうせあなたたちはここで終わるんですからね!」

「つまり、それは "ここがワシらの死に場所" だからかい?」

「果たしてそうかな?」

「おーほほほー、あなたたちが一体どのように強かろうが、私に勝つことは出来ませんわ!」

「………」

「……何っ!?」

「ほーう、相当な自信じゃな。 ならば、このワシが相手になろうか」


 ここでまずワシが、さらに前に出てきた。


「あらあら、あなただけなの?」

「無論じゃ、まずはお前さんの実力…このワシが見てやろう! よーし、勝負じゃ!」

「おーほほほー、身の程知らずとはこの事ね。 いいですわ、たっぷりと後悔させてあげますわ。」


 そこでミスカラスレディが、黒い鞭を素早く振り回し、ヴァグドーの方に向けて放って攻撃した。 ヴァグドーを全方位から襲い、その黒い鞭の先端部に付いた刃で切りつけてくる。


「………」


 カン…カンカン…カンカン……


 何か変な音がする。 まるで金属と金属がぶつかり合うような音…?

 確かにヴァグドーの身体を全方位から、その黒い鞭で打ちつけ切りつけ、叩きのめしている筈なのに、当のヴァグドーは無表情で全くびくともしてない。


(…えぇっ、何これ…服さえも無傷なの…?)


 何度もミスカラスレディが、全力で黒い鞭を素早く振るうが、ヴァグドーは微動だにしない。 もう…やせ我慢のレベルではなく、本当に通用していない。


「………」


 パシッ! シュパッ!


 なんと…素早く動いていた黒い鞭の先端部を、ヴァグドーが左手でワシ掴みして、右手の手刀で黒い鞭の先端部を切り裂いた。


「…えぇっ、ウソッ!? そ、そんなぁ!?」

黒い鞭が通用しないのを見て、驚き狼狽(うろた)えるミスカラスレディ。


「ほれ、どうした? 遠慮せんでどんどん攻撃してもワシは構わんぞ!」

「…なっ、どうやらそんなに死にたいようですわねぇ~~! いいでしょう、地獄でたっぷり後悔させてあげますわ!」


 そう言うと、ミスカラスレディが口を大きく()けた。 するとなんと連動して、ヴァグドーの頭上にある天井から、突如として、火の魔法陣が出現した。


 パカッ! ポワァ~~ン!


 次の瞬間、ミスカラスレディの口から灼熱の業火(ほのお)を、ヴァグドーの方に向けて吐き出した。 それと連動して、ヴァグドーの頭上にある天井の火の魔法陣からも、強烈な火焔(ほのお)がヴァグドーの方に向かって放出された。


 ズゴゴゴゴゴゴォォーーーッ!!

 

 それは前方と頭上から強力な炎が、同時にヴァグドーの方に向かって襲いかかってくる。


「………」


 だがしかし、ヴァグドーは少しも動揺せず、微動だにしない。 別に恐怖のあまり動けないわけではなく、最早あえて動かないようだ。


 ドッカァーーン!!


 そこにヴァグドーが防御も回避もせず、物凄い勢いで向かってくる炎に、そのまま直撃した。 この広い空間(部屋)の中に、物凄い強力な炎と黒い煙が充満していて、超高温で半端ない。 無論…使用者であるミスカラスレディ以外の者は、普通一般に考えても灰と骨しか残らない程の威力である。


「おーほほほー、どうやら後悔してる暇もなかったようですわねぇ~~!」

自分の自慢の技が成功(?)したことに、余裕で喜ぶミスカラスレディ。


 だがしかし、そこに―――


「ふむ、なるほどのう。 確かに少しはやるようじゃのう。 さすがに少しは効いたぞ。」


 なんと…何事もなかったかのように、無傷のヴァグドーが立っていて、後ろにいた勇者アドーレと大魔女シャニルとレイドルノと大魔王エリュドルスの四人も、何事もなかったかのように無傷で立っていた。


「…えぇっ、ウソッ!? そ、そんなぁ!?」

またしても、自分の技が通用せず、驚き狼狽(うろた)えるミスカラスレディ。


「ほれ、どうした? 遠慮せんでどんどん攻撃してくるんじゃ!」

「もう無駄よ、ヴァグドーちゃん。 そいつにもう攻撃手段もないし、戦意喪失してるわ。」

「なんじゃぁ、もう終わりかい? ならば、今度はワシの番じゃな。 軽く行かせてもらうぞ」


 そう言うと、ヴァグドーが物凄い速度(スピード)でミスカラスレディの前まで急接近して、アッパー気味の強烈なボディーブローをミスカラスレディの腹部に叩き込んだ。 (外見が女性でも容赦ない)


 ズドォン!!


「ぐぶぅっ!?」

そのままミスカラスレディが前のめりに倒れて気絶した。


「…はぁー…」


 残念そうにワシがため息をついた…次の瞬間、ミスカラスレディの背後にある壁が突然…消えてなくなり、また新たな通路が現れた。


「ほら、やっぱりねぇ~♪」

「やはり典型的な仕掛けだな」

「とにかく道ができましたね。」

「では先を急ごう」

「ふむ、そうじゃな」


 そこでヴァグドーたち五人『天衣無縫』パーティーが、そのまま次の通路の方へと歩き出した。


※広く明るく四角い空間(部屋)が出た時、入口(来た通路)はあるものの、出口(次の通路)がない。

そんな時には、(ミスカラスレディ)を倒せば出口が現れる。

RPGとかでは、有りがちの基本かな?

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