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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
E.デュラルリダス王国編
165/329

161、『天衣無縫』:1

次の舞台は『アロトリス』からヴァグドーたちへ。


  ●【No.161】●



 ―デュラルリダス王国―


 大きなお城の『アロトリス』から出て、


 この街の家の屋根を飛び跳ねながら、デュラルン女王様をさらった誘拐犯を追いかける。


 この大魔王エリュドルスという男性が追いかけながら言う。


「…まさか…この余に見逃しがあったとは…。 確かに…悪魔神の信者は全て抹殺したはずなのだが、あの『悪魔神の予言書』などに頼るべきではなかったようだな。」


 そこで大魔王が、少し考え込んでからまた言う。


「…まさか…別の悪魔神の信者ではあるまいな。 確かに…『悪魔神の予言書』には、なにやら "三大悪魔神" などと表記していた部分があったが、余は悪魔神トニトリエクルスのことしか、注意していなかった。」


 そのまま大魔王が考え込みながら、それを口にして言う。


「…まさか…何処かで誰かが、他にも悪魔神の存在を知っていて、そこから信者が誕生して、別の悪魔神を復活させようとしているのか? ただでさえ、もう悪魔神トニトリエクルスが復活寸前なのに、他にも悪魔神を復活させようというのか?」


 そこで大魔王が、だんだんと怒りの沸点を高めてきた。


「…おのれ…許さんぞ! この余が何十年もかけて仕上げてきた "この世界" を! それを何も知らずに…ただ興味本位で悪魔神を復活させて、"この世界" を消滅させようとする、無能でマヌケな信者共め!」


 そして、握りしめた拳をさらに力強く握りしめ―――


「この大魔王エリュドルスが全力で阻止してやるぞ!」


 ここでさらに速度(スピード)を上げて、その誘拐犯を追いかける大魔王エリュドルス。






 その後方では、同じくデュラルン女王様をさらった誘拐犯のあとを追う、ヴァグドーグループ(ヴァグドー、勇者アドーレ、レイドルノ、大魔女シャニルの四人)が、家の屋根を飛び跳ねながら、もの凄い速度(スピード)で追いかけてる。


 その四人が追いかけながら、話し合っている。


「ちっ、意外と速いな」

「やれやれ、誘拐犯はただ者ではないようじゃな。 これだけ速く追いかけとるのに、全然追いつけぬわ。」

「はい、ですが…邪悪な気配は()せません。 いくら速く逃げようとも追跡できます。」

「ふっ、それは便利だな」

「さっさと、追いついて捕まえてボコって、早く女王様を取り戻して、パーティーの続きがしたいわねぇ~♪」


「ふむ、そうじゃな。 じゃが、決して油断してはならぬ。 "油断大敵" と言うように、油断は最大の敵なんじゃよ。」

「はい、そうですね。 心得ました。」

「はぁ~ 相変わらず堅苦しいわねぇ~ そんなの油断する間もなく、すぐやっつけちゃえばいいんじゃない?」

「ふっ、先程まで油断して気絶した者の言う台詞(セリフ)ではないな。」

「むぅ、何よ! あなただって、油断してたじゃない!」

「ふん! 余計なお世話だ!」

「お二人共、少しは落ち着いてください。 現在(いま)は追跡中ですよ。」

「むぅ~~」

「……ふん」

「……ふむ、感じてきたぞ。 だんだん近づいてきておる。」


 するとここで、ヴァグドーグループの向かってる方向の、さらに先の方では、ようやく大魔王エリュドルスの後ろ姿が、少しだけ小さく見えてきた。


 一方の大魔王は、もうすぐ街を抜け出し、この広大な森の中に入ろうとしていた。 どうやら誘拐犯のアジトも、森の奥の方にあると見ている。


「ほーう、あのまま森の中に入るのかの? まぁ…森はワシにとって、最も得意な戦場(フィールド)じゃがな。」


 勿論、ヴァグドーは全ての戦場(フィールド)が得意である。


「…えっ、そうなのか? ヴァグドー公よ」

「ふむ、今まで数多くの森に行っておるからのう。」

「そう言えば…ヴァグドーちゃんは森の中で、修行してたんだよねぇ~ 99年間も……」

「確かに凄いことですよ。 全く頭が下がる思いですね。」

「それはまた…凄いな。 確かに真似(マネ)できないけど、何故99年間も森の中で……?」


「ふむ、それは転生先が森の中じゃったからのう。 本当は…もう少し森の中で修行するつもりじゃったが、突然ドラゴンが現れての。 あれがひとつの契機(キッカケ)じゃったわい。」

「へぇ~ そうなのぉ~」

「………」

「そう言えば…あのドラゴンに襲われたとされる、あのアーラントの町は、見事復興できたであろうか…?」


 するとそこで―――


「…あっ、大魔王が森の中に入りましたよ。 やっぱり森の中にあるようですね。」

「よーし、飛ばすぞ!」

「はーい、了解~」

「ふむ、行くぞ!」

「はい、判りました!」

「このワシが森での戦い方を見せてやるわ!」


 そのヴァグドーが最も得意と豪語する森フィールドの中に、四人が今まさに入ろうとしており―――


 どうやら先行している大魔王の方は、その卑劣な誘拐犯のあとを追って、既にこの広大な森の中に入っていった。



果たして、大魔王やヴァグドーたちは、誘拐犯に追いつくことができるのか!?


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