表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
E.デュラルリダス王国編
157/329

153、走る鉄の箱の中で


現在、最終目的地に接近中!



  ●【No.153】●



 ―デュラルリダス王国―


  ◎「商売の街」◎


 案内役だった勇者アクナルスや妄唇(もうしん)将軍とは、既に別れており、ヴァグドーたち一行が再び11人に戻り、そこから新たな案内役として、メイドのディアナが加わった。


 次の街に行く為の三ヶ所に分かれた大きな関所。


 右側にある関所には、その次の街である「獣人族の街」まで行くことができて、主に獣人たちが多く暮らしている。

 中央にある関所には、その次の街である「貴族の街」まで行くことができて、主に貴族たちが多く暮らしている。

 左側にある関所には、その中に『特別急行鉄車』と呼ばれる紺色の電車みたいな乗り物が停まっており、『銀の招待状』を所持している者しか乗車するができない。 一度乗ってしまうと、最終目的地であるお城の『アロトリス』まで降りることも停まることもない。


 まさに『特別急行』である。


 ちなみに今現在の乗車客は、ヴァグドーたち一行以外にいないようで、それぞれが『特別急行鉄車』の中にある座席を適当に座り、最終目的地であるお城の『アロトリス』に到着するまで寛いでいるけど、もの凄いスピードで走っている。


 そのとある座席では―――


「これは…また変わった乗り物だよな。」

「私もこんな乗り物、初めて乗りましたよ。」

「へぇ~ こんなデカイ箱が走るとはねぇ~♪」

「これがデュラルリダス王国に伝わる噂の『鉄車』ですか?」

「はい、そのようですね。 姫様」

「ふーん、人間もなかなか面白いモン作るじゃないか。」

「へぇ~ 走る鉄の箱ねぇ。 いい記念になったわね。」

「うん、そうだね。 アルラトス」


 などとカグツチやニーグルン姫たち八人が、この珍しい乗り物に若干興奮気味である。


 一方の別の座席では―――


「…」(これ、電車よね?)

「…」(ええ、電車ですよね?)

「…」(ふむ、電車じゃの)


 などとヴァグドーや勇者アドーレや大魔女シャニルの三人が、無言で冷静にそれぞれアイコンタクトをとっている。


 その様子を見ていて、向かい側に座っている案内役のメイドのディアナが、ヴァグドーたちに話しかけてきた。


「これは…この乗り物はアロトリス様が設計・製作した乗り物で、アロトリス様の()()()()()を呼び起こして造ったそうです。」


「…っ!?」

「…何…?」


 ヴァグドーと勇者アドーレの二人が、そのディアナの発言に驚いている。


「その乗り物の名前は…確か… "()()" …ですね」


「…っ!?」

「この王国には… "()()" があるのかっ!?」


「いいえ、ありません。 この乗り物には、原理や方法などは企業秘密ですが、ある魔法で動いております。」


「やはり…知っておったか」

「…と言うことは…『アロトリス』さんも…もしかして……」


 そこで大魔女シャニルが真面目に答えた。


「ええ、そうよ。 私たちと同じ『日本の転生組』よ。」


「「……」」


 そこでヴァグドーと勇者アドーレの二人が言葉を失う。


 まさか…いや…まさかと思ったが…やっぱり…そうだったのである。

 おそらく…『アロトリス』も "転生者" であり…もしかしたら…本当に日本人…なのかも?

 これでヴァグドー、勇者アドーレ、大魔女シャニル、レイドルノ、勇者アクナルスに『アロトリス』の六人が "転生者" であると思われる。


「ふむ、シャニルよ。 お前さんはアロトリスのことを知っておるのか?」

「えぇ、そうねぇ。 おそらく…私の知ってる()()()()…その通りだと思うわぁ。」

「……?」

「なんじゃと!?」


 この大魔女シャニルの意味深長の言い回しに、ヴァグドーや勇者アドーレの二人が、なにやら不可解に思っていた。


 そこに今度は―――


「ダーリン、ヤッホー♪」

「ヴァグドー様、どうもです」

「師匠、この乗り物…凄く速いですよ。」


 などと言いながら、カグツチたちがヴァグドーたちが座る座席まで近づいてきた。


「ふむ、そうじゃな」


 そのヴァグドーがそう言いながら、車窓から外を眺めていると、するとそこで―――


「もうまもなく、お城の『アロトリス』に到着します。」


 と案内役でメイドのディアナが、乗車客であるヴァグドーたち一行に声をかけてきた。


「…着きましたか…」

「ふむ、そうかい」

「は~い、了解~♪」

「はい、判りました」


 こうして、ヴァグドーたち一行を乗せた『特別急行鉄車』が「王族が暮らす街」の中にあるお城の『アロトリス』の手前で停止して、無事に到着することができた。


   【備考・参考】


1.「企業秘密」とは、この異世界でも普通に使用されている言葉で意味も同じ。


2.『特別急行鉄車』とは、日本の電車・列車をもとに造られた「紺色の鉄の箱」の乗り物で、複数台存在する。 走る速度は時速およそ、約250キロ以上は出ており、凄く速いのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=676877153&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ