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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
E.デュラルリダス王国編
156/329

152、最後の関所


ようやく、ここまで来たか。



  ●【No.152】●



 ―デュラルリダス王国―


  ◎「商売の街」◎


 翌朝、ヴァグドーたち一行が宿泊していた温泉宿から出てきて、勇者アクナルスの案内で、そのまま次の街に入る為の関所の方まで向かっていった。


 次の関所まで歩いている道中で、勇者アクナルスがなにやら少し微笑(ほほえ)んでいる。


「―――フッ」


 ()()を見ていて不審に思ったヴァグドーが話しかけてきた。


「一体何がおかしいのじゃ?」

「……?」

「おっと、これは失礼。 次の街のことを思って、ついつい…とね―――フッ」

「次の街…じゃと?」

「次の街は…(いささ)か、厄介な街でな。 この俺も正直…あまり行きたいとは…思わない街なんだよ。」

「……?」

「まぁ、行ってみればわかりますよ。 先輩」

「…何…?」

「……」


 などと話し合いながら歩いていると、次の街に入る為の関所に到着していた。


「…ん? なんじゃ…こりゃぁ…?」


 なんと…今度の関所は今までよりも大きく…しかも三ヶ所に分かれていた。


 勇者アクナルスがまず右側にある関所を指差して―――


「あっちが獣人族が暮らす獣人族の街。 こっちが貴族共が暮らす街。 どっちに行っても、最終的には王族が暮らす街まで到着できる。」

「ほーう、そうかい」

「どっちも厄介な街なのさ。」


 右側にある関所には、次の街の…「獣人族が暮らす街」に行くことができ、中央にある関所には、次の街の…「この王国の貴族が暮らす街」に行くことができる。 どの街に行っても、さらに…その次の街である「王族が暮らす街」まで到着することができるのだ。


「ならばあっちの関所は一体何なのじゃ!?」


 そう言って、ヴァグドーが左側にある関所を指差していた。


「あぁ、あれは―――」


 ヴァグドーの疑問に勇者アクナルスが答えようとすると、その時…左側にある関所から、"ある女性" が出てきて、まっすぐヴァグドーたち一行の方に歩いて近づいてきた。


「お待ちしておりました。 ヴァグドー御一行様ですね。」


「…メイド…?」

「…メイド…さん…」

「…ん? なんじゃ…お前さんは…?」

「はい、私はデュラルン様の専属メイドの一人、"ディアナ" と申します。 ヴァグドー御一行様をお迎えにきました。」

「……」

「…何…?」


 そこにデュラルン女王様のお付きの専属メイドの一人で、紺色のメイド服を着ている "ディアナ" と言う名前の美女が現れていて、ヴァグドーたち一行に話しかけてきた。


「…何故…どうして…このワシが "ヴァグドー" じゃと…わかったのじゃ…?」

「ふふふ、ご自分ではあなた様が、今どれだけ有名なのか、ご存知ないようですね。」

「……」

「なんじゃと!?」


 そこでヴァグドーたち一行が黙り込んでしまった。


「様々な国々を旅するお爺ちゃんみたいな親しみやすさに、20代の鋼の肉体を持ち、それに…あのヴァグドゥルス様にお顔がとても似ております。」

「……」

「そして、その禍々しい極悪な気配……デュラルン様だけでなく、アロトリス様もお好きなタイプと思いますよ。 ふふふ」


「……」


 さらに勇者アクナルスもすっかり黙り込んでしまった。


「なので一発で判りました。 ようやく来ましたか…と」


「……ちっ!」

「そ…そうでしたか、それはどうもです…。」

「ふ~ん、なるほどねぇ~♪」

「……不覚……」


 思わずヴァグドーが口にしてしまった。 その「不覚」と言う言葉を―――


 彼の正直な気持ちが思わず言わせてしまった。 だがしかし、一体何がなんで…「不覚」なんだろうか…?


「ふふふ、それではヴァグドー御一行様には、左側の関所の方を通ってください。 この関所は一直線で「王族が暮らす街」まで行くことができます。」

「…何…?」

「それは本当に良かったですね。 これで厄介な街に行かずにすんで……」


 ここでディアナがヴァグドーたち一行を左側の関所の中まで案内するのだが―――


「どうやら我々はここまでのようです。 ヴァグドー様」

「先輩方、俺たちはここで一旦お別れですな。」


 そこで案内役だった勇者アクナルスと妄唇(もうしん)将軍がヴァグドーたち一行にお別れの挨拶をしてきた。


「…えっ、そうなんですか?」

「あらら~ そうなの~?」

「…むっ、そうかい…」


「あぁ、これからはそのディアナと言うメイドが案内してくれるだろうし、俺たちはその左側の関所には入れない。」

「はい、残念ですが、ここで一旦お別れですな。」


「そうか、では達者でな」

「はい、また会いましょう」

「また…のちほどお会いましょう。 先輩」


「では行きましょうか」


 そう言うと、案内役の勇者アクナルスや妄唇(もうしん)将軍とは、ここで一旦お別れして、ここからはメイドのディアナが案内することになり、早速だが、ヴァグドーたち一行が左側の関所の中に入っていった。


「…ん? これは…?」

「はい、これで一気にお城『アロトリス』まで行きますよ。」

「ほーう、そうかい」

「へぇ~ 楽チンね~♪」

「はい、判りました。」


 ここには『特別急行鉄車』と呼ばれる『鉄の長い箱でできた車』が停まっており、この中に案内役のディアナやヴァグドーたち一行が乗り込むと、そのまま『特別急行鉄車』がお城の『アロトリス』の方に向かって走り出した。




どうやら新たな乗り物でお城まで行くようだな。



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