11、静寂なる者
対決する新たなる敵に、絶望老人は……?
●【No.011】●
さぁてと、"地獄の洞窟" の中に入るかの。
実際に洞窟内は凍えそうなほどの寒さを感じていた。
ふふふ、なるほどな、だいたいの想像がついてきたぞ、おそらくは、氷・凍結・寒い系の攻撃をしてくる凶悪モンスター……、といったところかの?
「グゴゴオオオ」
洞窟内の奥の方で、大きな唸り声が聞こえてきた。
おっ この唸り声……確か前に何処かで聞いた覚えがあるぞ、まさか……またなのか?
ワシはそのまま洞窟の奥の方へと歩き始めたのじゃ。
真っ暗な洞窟内じゃが、ワシには見えており、既に暗さによる免疫を持っていたから、問題はないのじゃ。
さらに奥まで進むと、この洞窟内が一体どういう構造になっているのか解らないが突然、凄く広くて何もない静かな空間が現れたのである。
そして、ここがもっとも寒い。
そこに藍色とも蒼色ともとれる青系の色の身体をした全長が30mくらいはありそうな巨大な龍が眼を閉じて、身体を丸くして静かに待ち構えていた。
おそらく、寒さの原因はコイツであろう。
「やはり、そうきたか……ドラゴン!」
この異世界に来て二度目の本物のドラゴン!!
前のドラゴンと大きさは同じくらいだが、洞窟内にいるので身体を少し丸くしており、犬や猫が寝る時に身体を丸くする感じであろうか。
などと、考えている内にドラゴンが閉じていた眼を開けてワシの方を見ていたのじゃ。
「おっ!? こっちの方を見たか!?」
「グガガアアアーーーッ!!」
どうやら、さっきまで眠っていたらしく、いきなり起こされたので、機嫌が凄く悪く、頭にキテいるようだ。
丁度良い!!
せっかく、ここまで来たのだから、戦っておかないと来た意味がないだろう!!
さぁ、今度のドラゴンはどの程度、強いのか……このワシが見極めてやろう!!
「さぁ、とくと見よ! ワシの強さを!!」
グゴゴゴゴォーーーッ!!
なんと、そのドラゴンは(中腰?の姿勢から)ヴァグドーの方に向けて、いきなり口から強烈な吹雪を吐いてきた。
だが、ヴァグドーの方は特に何もせずに、ただ立っているだけだった。
《巨蒼龍》
青系の色の身体の巨大な龍で、氷・吹雪を吐いて攻撃する。 レベル:90
巨蒼龍はヴァグドーに向けて、猛吹雪を吐いて攻撃してきたが、ヴァグドーには全く通用しなかったのである。
「ふう、そんなモンか?」
ギュウアアァァン!
巨蒼龍が今度は氷の槍を口から吐いて、ヴァグドーに攻撃してきた。
だが、ヴァグドーの身体には効果がなく、当たっても氷の槍は粉々になり地面に落ちていた。
ヴァグドーの予想以上の強靭な肉体に、巨蒼龍も作者もただただ驚くばかりである。
慌てた巨蒼龍は最後に尻尾で造った氷の刃で、ヴァグドーを斬り裂こうと攻撃してきた。
ビュウン!
ヴァグドーの姿が一瞬消えた。
次の瞬間、ヴァグドーは巨蒼龍の左頬の所に突然現れて、右拳を叩きつけて攻撃した。
ドゴォン!
鉄拳一発!!
巨蒼龍は白眼を剥いて、その場に倒れてしまい、どうやらヴァグドーの一撃で巨蒼龍は気絶してしまったようだ。
まぁ、レベル500のヴァグドーにレベル90の巨蒼龍が勝てる訳がないのだ。
「なんじゃ、もう終わりなのか?」
巨蒼龍の戦意喪失……。
ヴァグドーは巨蒼龍に見事、勝利した。
「やれやれじゃ、これでは、ちっとも面白くない!」
どうやら、自分のあまりの強さに少し強くなりすぎてしまった事を少しだけ後悔していた……。
原稿ストック切れ…!
畜生…! これまでか…?