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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
E.デュラルリダス王国編
143/329

139、深淵なる者:2

前回の続きだよ。


  ●【No.139】●



 その《ブラック.エルフニア.ノヴァドラゴン》の漆黒の鱗は、鋼鉄よりもさらに硬く、いかなる武器や魔法も通さない。


 さらにそこに、また《ブラック.エルフニア.ノヴァドラゴン》が、口からドス黒い突風砲を吐いて、上位魔族の二人や勇者アクナルスを牽制する。


『くらえぇぇっ!!』


 ズババババァーーッ!


 上位魔族のオブリルスとクノシルスの二人は、先程の "真紅のバリヤー" で、なんとか…(かろ)うじて防いでいる。


「…くっ!」「…うっ!」


 バチバチバチ……バチ


 だがしかし、その防盾 "真紅のバリヤー" の効力・威力が、だんだんと弱まってきている。


「………」


 一方の勇者アクナルスは、右手を身体の前方に突き出して、(てのひら)でドス黒い突風砲の効力・威力を抑えている。

(その時、何かを吸収した?)


『さすがに思ったよりも、かなり強いようだな。』

「ああ、とにかく…あの硬い鱗が邪魔だな。 勇者アドーレは白い方を、一体どうやって倒したのだ?」

『ああ、アヤツには…伝説の皇剣【磨羯龍の剣】を所有・装備していた。 そいつを使って倒したのだよ。』

「ちっ、やっぱり…カギとなるのが、伝説の皇剣なのか…。」


 その勇者アクナルスが小声で、〈地球神アクナディオス〉と話し合っている。


「さっきから…疑問に思っていたんだが、もしかして…あのドラゴンは、お前のことが見えてるんじゃないのか…?」

『………わからん。 だが…そんな感じはする。』

「もし…見えてるんなら、()()が使えるんじゃないのか…?」

『……()()を使うのか……っ!?』

「このまま俺がただ黙って()られるつもりはない。 この俺がアイツを倒さなければならないんだからな。」

『………』


 その勇者アクナルスと〈地球神アクナディオス〉が、小声で作戦会議をしていると、また上位魔族の二人が先に仕掛けてきた。


「くっ、このままでは、()られてしまう。 ()()を使う他にない。」

「ちっ、ここは仕方がない。 このままただ黙って死ぬ訳にはいかないからな。」


 するとオブリルスとクノシルスの二人が、お互いに背中合わせになり、オブリルスが左手を、クノシルスが右手を、それぞれ前方に突き出した。



  【上位魔族融合魔法】

 上位魔族の二人が協力して、お互いの攻撃魔法と魔法力を融合させる、超必殺の融合攻撃魔法である。 この瞬間だけ、レベルが500まで跳ね上がる。



「「くらえっ!! 《ドレッドノート・バイオレンス・シュート》ッ!!」」


 ズゥゴオオオォーーッ!


 その上位魔族の二人が、同時に咆哮して、それぞれ前方に突き出した、二人の(てのひら)から、一気に紫色の極大光線が放出されて、《ブラック.エルフニア.ノヴァドラゴン》の方に向けて発射された。


『フフフ、そいつがお前たちの奥の手か? ならば、私の方も奥の手を出すとしよう。』


 ピカァッ!


「「っ!!?」」


 ズゥゴオオオォーーッ!


 今度は《ブラック.エルフニア.ノヴァドラゴン》の(ひたい)にある角から、突然…凄く妖しく光り輝き、漆黒エネルギーが収束されていき、一気に漆黒の極大光線が放出されて、向かってくる《ドレッドノート・バイオレンス・シュート》の方に向けて発射された。


「…何ぃっ!? くそっ!!」

「まだ…あんな攻撃がっ!?」


 ズゥドォーーン!


 両者の中央で漆黒の極大光線と紫色の極大光線が激突する。


『…フフフ…』

「…くっ!」「…うっ!」


 両者の攻撃が拮抗する。


 シュウウウ……ン!


 一方の勇者アクナルスが、右手を頭上に挙げていて、灰色の聖剣の刀身でもある、()()()(てのひら)に集めている。


『まさか…ここで、()()()を失うとは……っ!』

「ああ、だが仕方がない。 ここが…まさに使いどころだ。」


 ブゥウウウ……ン!


 なんと…()()()が灰色エネルギーを収束された、強力な灰色の巨大光球へと、姿を変化させていった。


「さあ、《ブラック.エルフニア.ノヴァドラゴン》とやらよ。 ()()()()で……コイツをくらったら、一体どうなる…?」

『………』

「うけてみろ!!」


 ズゥドォーーッ!


 そして、遂に勇者アクナルスが、その(てのひら)から造り出した、強力な灰色の巨大光球を、《ブラック.エルフニア.ノヴァドラゴン》の方に向けて、投げつけて発射された。



今回はまだまだ戦闘が続くようなのだが、まだまだ三つ巴戦は終わらない。


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