136、三つ巴戦:2
●【No.136】●
デュラルリダス王国から少し離れた某所上空で、高速飛行をしている上位魔族のオブリルスとクノシルスの二人が、前方に急接近してくる謎の人影を見ている。
「「っ!!?」」
その急接近してくる謎の人影を見て、オブリルスとクノシルスの魔族の二人がかなり驚愕している。
デュラルリダス王国から少し離れた某所上空で、高速飛行をしている勇者アクナルスが、前方に急接近してくる謎のふたつの人影を見ている。
「…ん? 見えてきたぞ!」
『ヒヒヒ、遂に魔族との初対決だな。 さて…魔族とは、一体どんな味がするのか、今から楽しみだぞ。 フフフ』
「よーし、行くぞ!」
その急接近してくる謎のふたつの人影を見て、勇者アクナルスと〈地球神アクナディオス〉が、余裕をもって冷静に対応している。
デュラルリダス王国から少し離れた某所上空で、高速飛行をしている謎の白い人物たちが、前方右側に謎のひとつの人影と前方左側に謎のふたつの人影が、お互いに急接近しているのを確認している。
「おっ、まずいぞ! このままでは、こちら側が間に合わないぞ!」
「ちっ、乗り遅れるなよ皆! 我々もぜひ参加させてもらうんだぞ!」
「ああ、判っているぜ!」
前方の謎のみっつの人影が、とある場所で、ひとつに集まってくるのを確認していた、その謎の白い人物たちも慌てて、とある場所へ急行している。
この瞬間になって、その謎の白い人物たちの一人が純白のペンダントを取り出して、そこから白い煙を発生させている。 この白い煙には、前回同様に睡眠効果があり、誰でもすぐに眠らせてしまう。
「そーれ、まずは全員眠らせてやるぞー!」
その白い煙が、あっという間に周囲を広範囲に包み込み、全ての者を眠らせていく……筈なのだが―――
「ちっ、そうはいくかよ!」
そう言うと、オブリルスとクノシルスの魔族の二人が、自分たちの身を護る為に "真紅のバリヤー" を張っていて、白い煙から自身を護っている。
「くそ、どうだ! 我々をナメるんじゃないぞ!」
「ちっ、やっぱりこれでは効かないのか?」
一方では、勇者アクナルスが〈地球神アクナディオス〉を使って、その黒い身体に、あの白い煙を吸収させていて、なんとか眠気を防いでいる。 また当然だが、〈地球神アクナディオス〉には全く通用しない。
「ふん、なかなかくだらないことをしてくれるな。」
『ヒヒヒ、この煙もなかなかの美味だな。』
「ちっ、やっぱりあっちの方も効かないのか?」
ここで遂に、この三者が衝突・激突する。
まずは〈地球神アクナディオス〉が勇者アクナルスに、そっと静かに小声で語りかけた。
『おい、まずはあの白い連中の一人が持っている……あの純白のペンダントを破壊しろ。 そして…アイツを呼び出せ。』
「ああ、判っている。 アイツを出さないと話しにならんからな。」
『ああ、アイツだけは、絶対に倒さなければならないんだからな。』
「………ああ」
そこで勇者アクナルス側が意思疎通をしている。
こちら側のオブリルスとクノシルスの魔族の二人も、そっと静かに小声で語り合っている。
「おい、判っていると思うけど、まずはあの純白のペンダントを破壊するんだぞ。」
「ああ、判っている……勿論だよ。 悪魔神の予言書の通りに行動するんだな。」
「ああ、あの純白のペンダントを……」
「……破壊する!」
そこで上位魔族の二人側が意思疎通をしている。
今度は謎の白い人物たちが、勇者アクナルス側と上位魔族の二人側に、それぞれ分かれて急接近して、接近戦での肉弾戦を仕掛けてきた。 ちなみに純白のペンダントを持っている謎の白い人物は後方で待機している。
「さあ、こい! この俺が相手になるぞ!」
単身の勇者アクナルスは、謎の白い人物を数人相手に、肉弾戦でも全くの互角の勝負をしていて、勇者としての強さを存分に見せつけている。
「…こ、こいつ……っ!?」
「…つ、強い……っ!?」
「当然だな。 伊達に勇者は名乗っていないのだからな。」
ここでも謎の白い人物たちは、勇者アクナルスの接近戦でのあまりの強さに、かなり困惑して慌てている。
「くそ、来るか! 我々魔族をナメるなよ!」
オブリルスとクノシルスの魔族の二人は、謎の白い人物を数人相手に、かなり苦戦しており、そもそもこの二人は接近戦が不得意であり、明らかに肉弾戦では分が悪い。
「ふふふ、こっちの方の魔族の二人はそれほど強くないようだな。」
「この程度で上位魔族とは笑わせるな。 ふふふ」
「な、なんだとっ!? お、おのれーっ!!」
こちら側の謎の白い人物たちは、自分たちよりも力で劣る魔族の二人を完全にナメきっており、結構な頻度で油断している。
この最前線で戦闘している謎の白い人物たちの困惑や油断が、後方で待機している謎の白い人物たちを動揺させており、そのほんの一瞬の隙ができた。
「…っ!?」
この瞬間、何処からか一羽の漆黒のカラスが、純白のペンダントを持つ謎の白い人物の死角から突然…現れて、その漆黒のカラスがクチバシで、その純白のペンダントを狙う…。
先手必勝!!




