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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
E.デュラルリダス王国編
137/329

133、『エルフの森里』:5

  ●【No.133】●



 ヴァグドーたちに所有権があるものの、ヴァグドーたち一行の中には、誰も装備できる者がいない、この伝説の皇剣【失望帝の剣】は、現時点で唯一、神光聖者エリュニウスだけしか装備できない。


 そこで戦闘を拒否した神光聖者エリュニウスが、ヴァグドーたちに交渉を持ちかけた。 ここでの神光聖者の真の目的は、伝説の皇剣【失望帝の剣】の譲渡・入手だけである。


 それなので無駄な事はしたくない。


 …とは言っても、戦闘好きのヴァグドーが戦闘による勝利での譲渡を希望したけど、神光聖者の方がここでも頑なに拒否しており、やっぱりここでの戦闘は避けたいようだ。


「嫌です。 お断りします。」

「むう、それならば―――」


 そこでヴァグドーの提案は、今回の件を「()()」にした。 いずれまた神光聖者に協力要請する場合やヴァグドーたち一行の目的の邪魔をしない事が条件になった。 それは一見して、なかなか受け入れられない条件なのだが―――


「はい、それで構いません。」

「……」

「…えぇっ!?」

「ほーう、それはマコトか?」


「はい、私は嘘は言いません。 …約束します。」

「ふむ、だがしかし、お前さんがワシらの敵であることには、かわりないわ! あの狩侯聖者の件、忘れておらぬぞ!」


「……そうですよね……」


 それでもまだ信用出来ないけど、()()えずは、これ以上の問答が無駄だと感じたヴァグドーが仕方なく、伝説の皇剣【失望帝の剣】を神光聖者エリュニウスに譲渡した。


「はい、本当にどうもありがとうございます。」

「…ふん…」

「…ちっ…」


 なかなか信頼出来ないところもあるけど、どちらにしても戦闘してもらえない者とは戦わない、ヴァグドーが興味もなく装備もできない、伝説の皇剣【失望帝の剣】を諦めて手放した。


「このお礼と償いは、必ずさせていただきます。 あなたたちの協力者になれるように努力しますので…。」

「ふん、誰もお前などに期待しとらんわ!」

「はい、その通りですよ!」

「でも忘れないでね、あなたが私たちの敵であることを……」


「……判りました……」


 こうして神光聖者エリュニウスが、遂に伝説の皇剣【失望帝の剣】を手に入れた。 これで神光聖者が伝説の皇剣【絶望神の剣】に続いて、伝説の皇剣がふたつになった。


「それでは私は、これにて失礼しますので…。」


 そう言うと、二本の伝説の皇剣を持って、神光聖者が再び上空に飛び去っていった。






 その後は『エルフの森里』にある村の中では、エルフの全員が無事に起きていて、普通に生活している。 また長老の家でも、エルフの長老や娘のアクラが無事に起きていて、普通に生活している。 それは諸悪の根源でもある悪魔神の使い魔、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》が死亡した為に、そこから発生していた睡眠効果もすっかりなくなり、エルフの村では再び平和が戻っていた。


 一方のヴァグドーの仲間たちも、当然なのだが…無事に起きていて、今回の出来事についての説明を聞いていて、皆がそれぞれの思いを持っていた。


「師匠、本当に申し訳ありません。 今回もお役に立てませんで……」

「それはヤバかったわね? もしもダーリンたちまで眠っていたら、この村はとっくに滅ぼされていたの?」

「あっ、確かにその可能性もありましたね? それはとても怖いものですよね。」

「そして、私たちも無事では、済まなかったと思いますわ。 本当に恐ろしいことですわ。」

「くそっ、このアタシまで眠ってしまうとは……」

「なんと言うことなのか! 姫様をお護りする護衛将軍でありながら、敵の術中に堕ちてしまうとは…!」


 などと皆がそれぞれ反省したり驚愕したり落胆したりしている一方では、


「本当にどうもありがとうございました。 村を代表して改めてお礼を申します。 勇者様」

「いやぁ~ まさか…人間に助けられるとはねぇ~ 俺も感謝するよ。 ありがとね!」


 などと感謝されている。


 何はともあれ、これで本当にヴァグドーたちのここでの目的も無事に終了して、なおかつ悪魔神の使い魔を倒す偉業・大金星を果たして、伝説の皇剣『悪魔神四天封皇剣』の四本が全て、この世界に復活した。


 それが【終焉殺の剣】と【絶望神の剣】と【消滅罪の剣】と、そして、今回出現した【失望帝の剣】の四本である。 ちなみに【磨羯龍の剣】は、勇者専用の伝説の皇剣なので、カウントされない。




「それでは皆さん、お元気で」

「勇者様や皆さんの武運をお祈りします。 さようなら」

「ふむ、では達者でな。 さらばじゃ!」

「それでは失礼します。」


 こうしてヴァグドーたち一行は、エルフの長老や娘のアクラに別れを告げて、エルフが暮らす村を出ていき、『エルフの森里』をあとにした。




●「勇者子爵」

正式に勇者に認定された者だけの階級や爵位であり、そのうちのひとつである。

その「子爵」とは、階級や爵位の中では、二番目に低い地位であり、現在では勇者アドーレと勇者アクナルスの二人がいる。 勇者という職業と貴族の身分が同時に持てる便利なモノになっている。


※伝説の皇剣 (現在五本)

◎『大魔王エリュドルス』→【終焉殺の剣】

◎『神光聖者エリュニウス』→【絶望神の剣】【失望帝の剣】

◎『ヴァグドー』→【消滅罪の剣】

◎『勇者アドーレ』→【磨羯龍の剣】


ふーう、少し疲れたわい…。

ふむ、そうじゃ。 評価や感想などがあれば、ヨロシクな。


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