132、神光聖者降臨:1
さながら激戦区!
●【No.132】●
現在…勇者アドーレの【磨羯龍の剣】による、悪魔神の使い魔で純白の巨大な龍、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の喉めがけて、突進して突き刺しにかかるが…。
「はああああぁーーっ!! これでとどめだぁーーっ!!」
『…っ!!?』
確かに《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の純白の鱗は、非常に硬く普通の武器では、全く歯が立たない。 だがしかし、【磨羯龍の剣】は伝説の皇剣であり、ドラゴン討伐に最も適した剣、鱗がどんなに硬くとも貫ける可能性がある。
『クソッ、こんなところでやられてたまるかぁーーっ!!』
そこに《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の最後の攻撃、額の角が突如として激しく光輝き、物凄いエネルギーを瞬時に収束させている。
キュイイイィ…ン!
「……何ぃっ!?」
だがしかし、勇者アドーレが攻撃の体勢から、すぐに防御の体勢に移ることができない。
『くたばれ!! 人間!!』
なんと間髪入れずに、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の額の角から、高速で純白の極大光線が、勇者アドーレめがけて発射された。
ズゥドォー…ン!
「あっ、アドーレちゃん!」
「……くっ!!」
今のままの勇者アドーレでは、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の高速で純白の極大光線を素早くかわすことができない。
『グフフ、死ねぇぇ!!』
「あっ、まーーいっ!!」
するとそこに突如として、禍々しい邪悪で漆黒のオーラを全身にまとった強力なヴァグドーが、勇者アドーレの目の前で背を向けて一瞬で現れた。 まるで瞬間移動でもしたかの様に―――
『…な…なんだと…っ!?』
「あっ、ヴァグドーちゃん!」
「…ヴァグドーさん…」
「このワシを…ナメるでなぁーーいっ!!」
ドォガァッ!!
なんと言うことなのか! そのヴァグドーたちの方に向かってやってくる、高速で純白の極大光線を、ヴァグドーがその全身(大の字の状態)を使って、盾のように受け止めて防いだ!
『そ、そんなバカなぁっ!?』
「このワシの長年鍛え上げてきた、自慢の肉体をあまくみるでないわっ!!」
「よし、今がチャンスだ!」
するとそこで、ヴァグドーの背後にいた勇者アドーレが、ヴァグドーの左肩を蹴って、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の喉めがけて、再び突進して突き刺しにかかる。
『グゴオオオオォーーッ!!』
「ずあああああぁーーっ!!」
ドッパァー…ン!
この一瞬で…ヴァグドーの強烈な気合い衝撃で、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の高速で純白の極大光線が跡形もなく消え去り、それと同時に額にある角も粉々に砕け散った。
パッリィー…ン!
『…そんな…』
「今度こそ、これで本当に終わりだぁーーっ!!」
ジュザァン!
今度こそ遂に……遂にようやく、勇者アドーレの【磨羯龍の剣】の鋭い刃が、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の喉をしっかりと貫いた!
『ウグガァッ!!』
「爆発しろっ!!」
タッタッタッ!
ここで勇者アドーレたち三人が大爆発による安全圏まで無事に退避した。
『…こ、この我が……悪魔神よ……に、人間は…想像以上に恐ろしい…生物だ…!』
ドッカァー…ン!
なんとそこで、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の首から大爆発が起こり、巨大な身体が粉々になって爆死した。
「ふう、ようやく倒せましたか…なかなか手強い奴でした。」
「ふむ、結構…手応えがあったようじゃの。」
「ヤッホー、やったわぁ~♪」
悪魔神の使い魔、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》が死亡したことにより、ヴァグドーと勇者アドーレと大魔女シャニルの三人が、見事に勝利した。
●敗北 《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》 (レベル600).VS.○勝利 ヴァグドーたち三人 (レベル630)
するとそこで、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》が爆死した場所に、灰色の刀身と白銀の柄の部分の…伝説の皇剣【失望帝の剣】が、その姿を現した。
「おぉっ、なんじゃぁ、あの剣は……?」
「あらあら、あの剣は……?」
「また新たな剣の出現ですか。 あの剣もきっと何か意味があるのでしょうね。」
「はい、その通りです。 さすがは、伝説の真の勇者アドーレです。」
すると何者かが、上空から地上に降りてきた。
「「「……」」」
そこにヴァグドーたち三人の前に、突如として現れた、この謎の人物―――
「…誰じゃ、お前さんは…?」
「これは紹介が遅れました。 私の名前は、神光聖者エリュニウスと言います。」
なんとそこに現れた、この謎の人物こそ、あの神光聖者エリュニウス……その人であった。
「へぇ~ あなたがねぇ~♪」
「ほーう、お前さんが……あの……」
「そういうお前こそ、一体何しに来たのですか? さっきの奴の仲間なのですか?」
ここから先が本題になる。
「いいえ、私はあのような愚者の仲間ではありません。 私の本当の目的は、その【失望帝の剣】なのですから。」
やっぱり神光聖者の真の目的は、【失望帝の剣】であった。
「勿論、戦うつもりも、ただで貰うつもりもありません。 現在の所有権はあなたたちにありますから。」
そこからなにやら奇妙な交渉をしているようだが…。
ここで遂に神光聖者と絶望老人が対峙する。




