131、邪悪なる者
●【No.131】●
現在…『エルフの森里』にある村の中では、ヴァグドー、勇者アドーレ、大魔女シャニルの三人が眠くなる白い煙から、見事に純白の巨大な龍で悪魔神の使い魔、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》を出現させていた。
『グゴオオオオォーーッ!!』
そのドラゴンの姿とは、とにかく巨大で全長が約20mぐらいはあるだろうか。 全身の鱗の色は純白で瞳の色は白銀、大きな翼と額に角がある。 その表情には、物凄い憤怒と憎悪に満ちており、先程消えていった複数の白い謎の人物の魂も込められている。
『グゴオオオオォーーッ!! おのれぇぇ!! 人間どもめぇぇ!! 許さんっ!!』
その雄叫びは悔しさが込められた悲痛な叫びであった。
ここでひとつ疑問なのだが、ヴァグドーの作戦は成功しているのか? ……なのだが、結果だけを言えば、ここまでは成功している。 逆に複数の白い謎の人物の方が、既に失敗している。
『許さんぞっ、貴様らぁぁ!! こうなったら皆殺しにしてやるっ!!』
「ふん、なんの迎え撃ってやるぞっ!! そして、返り討ちじゃ!!」
一方のヴァグドーたち三人は、既に臨戦態勢をとっていて、戦闘準備が出来ている。
《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》
悪魔神の使い魔で、巨大で純白の邪悪なる龍。 レベル600
『くらえぇぇっ!!』
ズババババァーーン!
まずは《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》が口から光輝く白い息を吐いて、ヴァグドーたち三人を牽制する。
「ここは私に任せてぇ~♪ それぇ~【嵐王砲】!」
フサァーーッ!
そこに大魔女シャニルが攻撃魔法の【嵐王砲】を使用して、ヴァグドーたちの前に "翡翠の聖なる風の巨大な鳳凰" を出現させて、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の光輝く白い息と相殺させた。
ドッパァーン!
『…え…っ!?』
この状況に《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》が少し動揺しており、その隙をついて、ヴァグドーと勇者アドーレの二人が、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の方に向かって、高速で突進していく。
「よし、今じゃ!」
「ボクも攻撃いきますよ。」
次に勇者アドーレが突進しながら、八本の【黄金の剣】を【黄金の鎧】から切り離し、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の方に向かって、全方位から同時攻撃していく。
カンカンカンカン!
だがしかし、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の純白の鱗は非常に硬く、勇者アドーレの【黄金の剣】での斬撃を全く受けつけない。 残念ながらノーダメージである。
「…ちっ…」
『グフフ、そんなへなちょこ剣ごときで、この我を倒せるとでも思ったか? 無駄だ!』
「ならば、今度はワシの番じゃな。」
今度はヴァグドーが突進しながら、【魔蛇の剣】を取り出して、一瞬にして《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の左足の所まで急接近して、そこで左足を斬りかかるが…。
ジュサァン!
しかし当然ながら、両足の純白の鱗も非常に硬く、斬るどころか、傷つけることも出来ずにノーダメージである。
「…ちっ…」
『グフフ、だから無駄だと言った筈だ! そんな剣で、この我を傷つけることなど………ウグッ!?』
だがなんと左足に紫色の蛇が巻き付いて動きを封じている。
『…な…に…? あ、足が…う…ごかな…い…?』
「それ、もう一丁じゃ!」
さらにヴァグドーがそのまま、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の右足の所まで高速で急接近して、またしても一瞬にして、今度は右足を斬りかかるが…。
ジュサァン!
やっぱり右足も斬るどころか、傷つけることも出来ずに、ノーダメージなのだが―――
「…くそっ、やっぱり動きを封じるだけなのか…」
『グアッ!? 何ぃ、今度は右足がぁ……っ!?』
ここで右足にも紫色の蛇が巻き付いて動きを封じている。 遂に両足の動きを封じられて、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》が後方に転倒して尻餅をついた。
ズドォン!
『ウガッ!? なんと言う人間なのだぁ!?』
「よーし、ここだねぇ~♪」
ズドォーーン!
そこから大魔女シャニルが攻撃魔法の【凍王砲】を使用して、"蒼色の凍結する極大光線" を発射させて、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の両足に直撃させて、「カチンコチン」に凍らせた。
「う~ん、大当たりぃ~♪」
『ち、ちくしょう!! こんなことがある筈がないっ!!』
なんと《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の両足は、ヴァグドーの【魔蛇の剣】の呪いの効果と、大魔女シャニルの攻撃魔法の【凍王砲】で完全に使いモノにならない。
『くっ、ここまでやられるとは、この我が…この我が…!』
「はああああぁーーーっ!!」
そこに《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》がかなり動揺している隙をついて、接近していた勇者アドーレが【磨羯龍の剣】を取り出して、《ホワイト.エルフニア.ノヴァドラゴン》の喉めがけて、物凄い勢いで突き刺しに来ていた。
次回をお楽しみに!
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