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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
E.デュラルリダス王国編
133/329

129、『エルフの森里』:3

  ●【No.129】●



 勇者アドーレ/爵位:男爵→子爵/称号:無→〈正義の勇者〉



「どうぞ、ゆっくりとしていってください。」

「すまないのう。 長老よ」


 現在…ヴァグドーたち一行は、『エルフの森里』の中にある村の長老の家にお邪魔している。 ここでの目的も無事に終了しており、そのヴァグドーたちは、長老が用意してくれたお茶を飲んで寛いでいると、突然…家の奥の方から女性の大声が聞こえてきた。


「うるさいなぁ! 俺はもう出ていくぞっ!」


 するとそこで、家の奥の方から美女のエルフが怒鳴りながら出てきて現れた。 その容姿とは、背中まで伸びた綺麗な銀色の髪に蒼色の瞳で、純白のドレスを着て巨乳と言う、かなり可愛い顔をした若い女性である。


 その美女のエルフがヴァグドーたちを見るなり―――


「な、なんだ…お客さんが来ていたのか…?」

「おいコラ! 少しうるさいぞっ! お客様に失礼だろうがぁ、アクラ!」

「…うるさいなぁ…」


 長老が家の奥の方から出てきた、美女のエルフを怒鳴りつけて説教している。


 どうやらその美女のエルフの名前を "アクラ" と言い、長老の娘のようである。


「ふむ、ワシらは別に構わんよ。 すぐにでもこの森を出て、次の目的地に向かうつもりじゃからのう。」

「えっ、そうですか? 何もお構い出来ないで残念です。」

「あはは、変な喋り方だな。 まるでお爺ちゃんみたい。」

「おいコラ! 本当に失礼だろうがぁ、アクラ!」

「ふむ、本当に構わんよ。 お気にされるな長老よ。」

「本当に失礼しました。」


 するとそこで、アクラがヴァグドーたちに質問してきた。


「なあ、あんたたち…人間なんだろ? よくこの森…迷わず来れたな?」

「…ふむ…」

「それはおそらく冥界の女神ハーディスさんのお陰ですね。 彼女が用意してくれた勇者専用カード、このカオスカードの導き…と言うことですかね。」

「やっぱり…あのカードには、そういう役割が…!」

「へぇ~ そうなのか。 ふ~ん、勇者ねぇ~ 本当に実在していたんだな。」

「はい、そのようですね。」

「いや、伝説じゃないよ……本物だよぉ~~♪」

「……」


 などと話していると、突然…アクラが「ハッ!」と言って、何かに気がついて、慌ててドアまで走り出した。


「ああ、そうだ! これから出掛けるんだった! 俺…忘れてた! 行ってくるよ!」

「おいコラ! 一体何処に行くつもりだっ!?」

「ちょっと、そこまで!」


  ガチャッ!


 そう言うと、アクラがドアを()けて、家から外へ飛び出していった。


「やれやれ……全く聞き分けのない()だな。」

長老が娘のアクラの言動に(あき)れている。


「……っ!」

突然…ヴァグドーが無言で難しい顔をしている。


 するとそこに―――


「ふわあああぁ……眠い…」

「ふわあああぁ……私も…」

アルベルスとアルラトスがあくびをして眠そうにしている。


「「「ふわあああぁ……」」」

続けてカグツチやロンギルスやエクリバたちもあくびをして眠そうにしている。


「…なっ……何ですか……これは…?」


 するとなんと、アルベルス、アルラトス、カグツチ、ロンギルス、エクリバ、ニーグルン姫、ルドルス将軍が次々と眠ってしまった。


「おっ、皆…なんだかんだで疲れているのか…?」


「…むっ……失礼…私もなんだか……とても…眠く…」

そう言いながら長老もウトウトしながら眠ってしまった。


「おいあんた……ふわあああぁ……まさか…アタシも……?」

なんとテミラルスまでもあくびをして眠ってしまった。


「…妙ですね。 皆さん、睡眠はしっかりとっているのに、これはどういうことですか?」

「どうやら私も眠くないけど、一体何なのかしらね?」

「これはおそらく人為的に眠らされておるのじゃよ。 よし、アドーレにシャニルよ。 外に出てみるのじゃ。」

「うん!」

「はい、判りました。」


  ガチャッ!


 そこでヴァグドー、勇者アドーレ、大魔女シャニルの三人がドアの所まで行き、ドアを()けて長老の家から外へ出てみると―――


「あっ!!?」

「あら!!?」

「おぉ!!?」


 なんと言うことなのか、家の中や村の外の道路を歩いていたエルフや、広場やお店の中にいるエルフなど、エルフの皆も眠ってしまっている。 アクラも長老の家を出て、少し離れた場所で眠ってしまっている。


「…ちっ…」


 さらにエルフが暮らしている村の外れには、白いフードとローブを着ている複数の謎の人物が立っていて、その内の一人の手には、白い煙が出ている純白のペンダントを持っている。


「ふふふ、エルフたちがぐっすりと眠っているようだな。」

「ああ、そうだな。 これで我々の行動がしやすくなる。」

「……ん? なんだアイツらは…? なんか寝てないぞ?」

「奴らは何で寝てない…?」


 などと話し合っている。


「…あれか…ワシがさっきから感じたモノは…」

ここでヴァグドーがある一点だけを見つめている。


 その白いフードとローブを着ている複数の謎の人物の方の視線も、ヴァグドーの強烈な視線を捉えている。


皆が眠ってしまった…?

これは一体…?

この『エルフの森里』で、一体何が始まるのか…?

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