123、暗闇の勇者
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●【No.123】●
この世界の一番南西方面にデュラルリダス王国と言う王国があり、現在では女王であるデュラルンが平定・統治している。 その王国の一番西側には、『アロトリス』と言う巨大なお城があり、城内には王族や貴族たちが暮らしている。 それから城下町もあり、そこには商売人や技術者や一般市民などが暮らしている。
このデュラルリダス王国とは、国の領土もかなり広大で、人間の他にも多くの種族が暮らしていて、特にエルフや獣人族などもお城から少し離れた場所に住んでいる。 それから人間以外の種族には、それぞれ割り当てられた地域・土地があって、比較的に暮らしやすそうである。
また旅人・観光客や冒険者たちにも、充分に受け入れられる環境・施設などがあり、勿論… "ギルド冒険商" もある。
さらにこのデュラルリダス王国では、城内に王宮お抱えで優秀な魔法使いや、国が雇った屈強そうな戦士や傭兵などが多数存在していて、勿論…この王国にも沢山の兵士がいる。
次にこの王国の内政は、一握りの一流公爵貴族だけが政治を決定しており、最終決定権がデュラルン女王にある。 それからデュラルン女王には、『アロトリス』と言う名前の母親もいて、お城の名前にもなっており、現在でも王后の地位と絶大な影響力を持っている。
資源以外では、これだけ色々なモノが揃っており、なかなか面白い王国である。 あと足りないモノがあるとすれば、それは "勇者" ぐらいである。
そのデュラルリダス王国の上空を、大型の漆黒のカラスが旋回しながら飛び回っている。
一方では…だいたいお昼頃、ヴァグドーたち一行を乗せた大型の馬車が、大都市アンリールノエロンと幻の森…『エルフの森里』の丁度、中間地点を移動している。
その道中で、大型の馬車が道を走っていると、前方に突如として、人型の狼モンスター「白狼人鎧」の群れが現れた。
「ガルルルゥーー、殺す!」
「ガルルルゥーー、死ね!」
「……お!?」
「…ふん…」
すぐに御者台から馬を止めようとするルドルス将軍に対して、馬を引いて歩いているヴァグドーも、すぐに物凄い速度で、白狼人鎧の群れに急接近して、ほぼ一瞬にして、素手で全員ズタズタに倒していく。 それは最早…白狼人鎧を相手に、ヴァグドーの戦闘シーンは必要ない。
「おお、お見事ですな。 ヴァグドー殿よ」
「ふむ、それにしても、ここら辺は…随分と狼モンスターが多いようじゃな。」
「おそらく、ここら辺は…奴らの縄張りなのでしょうな。」
「ふむ、なるほどのう」
そうなのである。 先程から出現しているモンスターと言えば、人型の狼モンスターである白狼人鎧の群れと、ごく稀に凶悪なモンスターである「紅狼公鎧」ぐらいで、他のモンスターはあまり出現しない。
まあ、その分だけ経験値とお金が、かなり獲得できるんだけど、ヴァグドーの方は全く満足していない。
「まあよい。 先を急ぐぞ。」
「はい、了解しました。」
それからヴァグドーが再び、馬を引いて歩き出していて、大型の馬車も進み始めている。
一方では…だいたい夕方頃、漆黒の鎧兜と青紫色のマントを身に付けて、灰色の聖剣を帯刀した、一人の謎の成人男性が、デュラルリダス王国の中に入り込んでいる。 (※兜を被っているので、顔はよく見えない)
「ふふふ、どうやら上手く入り込めたようだな。」
その謎の男が突然…何かに気がつき、フッと上空を見上げてみると、はるか上空に大型の漆黒のカラスがグルグルグルと飛び回っている。
「……? なに……なんだ……アレは……?」
そこで少し気になったんだけど、すぐに視線を元に戻して、再び歩き始めている。
「まあいいさ。 そんなことより、さっさと街に向かうとするかな。 ふふふ」
その謎の男がそのまま街の中に入り込んでいき、その姿が消えてしまった。
その謎の男が次に姿を現したのが、街中にある "ギルド冒険商" の中である。 その中では、四十代でデブの中年男性が主人として、様々な事情の冒険者たちを出迎えている。
「いらっしゃい」
「ああ、これを頼む」
すると早速…その謎の男が、自分の所有している "漆黒のカード" を取り出して、主人に手渡した。
「へぇ~ 黒いカードとは、珍しいなぁ~」
その "漆黒のカード" を受け取った主人が、目の前にある《スーパーステータスカード》の上に、そのカードを置いた。
…ピッピッピーッ!
その謎の男のステータスが表示された。
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アクナルス: 勇者
レベル : 99
耐久力 : 722
魔法力 : 380
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攻撃力 : 633
守備力 : 627
機動力 : 440
叡知力 : 333
幸運力 : 257
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絶望力 : 100
装備品 :【謎の聖剣】【漆黒の鎧】
能力 :【ストリンガー・コピーミラージュ】【暗黒神魔鏡】【肉体固定】
属性・称号:〈暗闇の勇者〉
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遂にその正体が少しずつ判明してきた、謎の男…その正体の一部に〈暗闇の勇者〉となっていた…。
…あれ? 誰だ…?
一体何なんだ!?
〈暗闇の勇者〉だと!?




