115、試練への挑戦:2
ここで久しぶりに勇者アドーレの戦闘シーンが登場する。
●【No.115】●
―アンリールノエロン―
この大都市の中央部にある、巨大なお城『ノエロン城』の地下にある、暗闇でとても広い空間には、ヴァグドーたち一行がいて、現在は勇者アドーレが伝説の皇剣【磨羯龍の剣】を普通に手にしている。
するとなんと…突如として、寝ているはずの巨大な龍『磨羯龍カラミティノエロン』の両目が開いて、瞳がピカッと光っていて―――
『おお、伝説の真の勇者の素質が遂に現れたか。 それではこれより "最終試練" を開始する。 その伝説の皇剣【磨羯龍の剣】を使用して、我を倒せ。 見事、我を倒せば…そなたこそ、伝説の真の勇者だ。』
するとなんと…突如として、巨大な龍『磨羯龍カラミティノエロン』が、その大きな身体を起こしてきた!
どうやら "最終試練" とは、世界最強級の龍『磨羯龍カラミティノエロン』と戦闘で勝負をして、見事に勝利しなければならないようだが…。 しかしながら、この最強のドラゴンに勝利する為には、人間の身でもレベルが最低でも450以上はないといけない。
「なるほど、やっぱり…そうきましたか…」
「ふむ、羨ましいのう。 ワシもぜひとも戦いたいのう。」
「どうもすみません、ヴァグドーさん。 ボクが負けたら、ぜひお願いします。」
「ふむ、お前さんが負けるなど、まずあり得んのう。」
「はっはっはっ、それでは、行ってきます。」
勇者アドーレが『磨羯龍カラミティノエロン』の目の前に立ち、右手には伝説の皇剣【磨羯龍の剣】を持った状態で両手を握り締めて、自ら気合いを入れて攻撃力を高めている。
「はああああぁーーーっ!!」
するとなんと…ほんの一瞬だけ、勇者アドーレの身体が深紅色に燃える様に輝いている。 どうやら勇者アドーレは本気で戦うみたいだ。
『……強い。 我はここまで強くなった人間を久しぶりに見た……。 伝説の真の勇者の力……見せてもらおう。』
「では始めますよ。」
《最終試練》
『磨羯龍カラミティノエロン』
深紫色の硬い鱗に頭の額の純白の一本角と橙色の瞳の巨大な龍で雷を操り攻撃する。 レベル:550
『がああぁーーっ!!』
ズドォーン!
まずは『磨羯龍カラミティノエロン』が口から紫色の大型電撃砲弾を勇者アドーレめがけて発射させて砲撃する。
「…っ!」
勇者アドーレは地面をタッと蹴って空中に跳んで《カラミティサンダープラズマ》の砲撃を回避する。
『がああぁーーっ!!』
ズドォーン!
続けて『磨羯龍カラミティノエロン』が口から紫色の大型電撃砲弾を空中に浮いている勇者アドーレめがけて発射させて砲撃する。
バチチッ! シュウウウ……
そこで勇者アドーレは【磨羯龍の剣】を身体の前方に向けて構えており、その刀身が《カラミティサンダープラズマ》の砲撃を受け止めて吸収している。
『おお、なんという素晴らしき判断力だ!』
「今度はボクの番だっ!! いくぞっ!!」
今度は勇者アドーレが浮かんだままの状態で、八本の黄金の剣を黄金の鎧から分離させて、『磨羯龍カラミティノエロン』の方に向かって全方位で飛んでいった。
「いけぇーーっ!!」
『な、なにぃっ!?』
八本の黄金の剣の刀身から黄金の稲妻が放出されて、『磨羯龍カラミティノエロン』の方に向かって全方位から電撃している。
バチバチバチ……ッ!
『グガアアアァーーーッ!!』
とっさに『磨羯龍カラミティノエロン』は全身を白色のバリアで覆い、勇者アドーレの全方位の電撃を防いでいる。
「はあああぁーーーっ!!」
『っ!!?』
その一瞬の隙をついて、勇者アドーレが『磨羯龍カラミティノエロン』の方に急接近して、額にある純白の一本角の場所まで素早く近づき、そこを【磨羯龍の剣】で渾身の力を込めて、これを叩き斬る。
ガッギィーン!
『ぐあぁっ!?』
「……ちっ!!」
物凄く鈍い衝撃が、この暗闇のとても広い空間に響いていて、純白の一本角は無事だったけど、その衝撃で『磨羯龍カラミティノエロン』が後方によろめいて後退した。
一方の勇者アドーレの方も、一旦後退して距離をとった。
このとてもない速く激しい攻防に、あの『ワールドエルフ天蝎』が思わず舌を巻いて驚いている。
「…っ!?」
(す、凄いっ!! これが勇者アドーレの実力なのか!? 今までの冒険者とは、レベル……いや……次元が違う!! 彼は本物なんだぁっ!!)
さらに『磨羯龍カラミティノエロン』の方も、勇者アドーレの攻防に称賛はしているが、内心はかなり驚愕している。
『おお、本当に素晴らしい。 まさか…ここまでやるとは、正直思わなかった。』
(なんということなのだ!? 我がここまで圧されるなど、初めての経験だぞ!? まさしく過去最強の真の勇者だ!!)
『……ならば我も最強の必殺技で、勇者アドーレの最強の実力に応えよう。』
するとなんと…『磨羯龍カラミティノエロン』の額にある純白の一本角から沢山の光のエネルギーと雷のパワーが収束・圧縮されていき―――
キュイイイィ……ンン!
『さあ、受けてみるがいい!! 我の究極にして、最強の一撃を……っ!!』
「……むっ!!」
シュッ…シュッ…シュッ…
一方の勇者アドーレの方も、八本の黄金の剣を自分の前方に戻して、それを円形状に配置して "盾" にして、自身の身体も深紅色に燃える様に輝いていて、【磨羯龍の剣】を身体の前方に向けて構えている。
『いくぞぉっ!! 勇者アドーレよ!!』
「…っ!」
ズッドォーーッ!!
その『磨羯龍カラミティノエロン』の額にある純白の一本角から深紫色の極大電撃光線を勇者アドーレめがけて発射させて砲撃する。
勇者アドーレの戦闘シーンはまだまだ続きます。




