113、大都市での混浴タイム:1
ヴァグドーたちの日常と休養
●【No.113】●
―アンリールノエロン―
この大都市の街の北側にいるヴァグドーたち一行は、次に『ワールドエルフ天蝎』の案内で、大型宿屋の方に向かって歩いている。
「ここだよ。 ヴァグドーよ」
その街中の一角には、大きく広い豪華な三階建ての綺麗な宿屋がドーンと現れており、ここが今日からヴァグドーたち一行が、宿泊・滞在することになる大型宿屋なのである。
「ほーう、これはなかなか大きいのう。」
「へぇー、これはなかなか豪華で綺麗ですよね。」
「ああ、この大型宿屋には、飲食店や温泉宿やお土産屋などが中にある複合施設なのだよ。」
「それは凄いですわね。」
「ふふふ、温泉ねぇ~♪」
「だが…一人ずつでは、さすがに部屋の予約ができなかったので、取り敢えずは…三部屋は予約できたよ。」
「おう、すまんな。 まぁ、三部屋もあれば十分じゃろ。」
「そうか、それは良かった。」
「……」
「それじゃあ…早速だが、大型宿屋の中に入ろうか。」
早速だが、ヴァグドーたち一行は、大型宿屋の中に入っていき、広いエントランスに出ると、ここでも沢山の人々で賑わっており、とても騒がしい。
「うるさいのう」
「なかなか賑やかですよね。」
「さあ、キミたちの部屋に案内しようか。」
それから『ワールドエルフ天蝎』が、ヴァグドーたち一行を宿泊部屋まで案内しており、それぞれ室内に入ってみると、とても広くて一般的には、五人ぐらいが宿泊できる程の家具・環境などが一通り揃っている。
ちなみに宿泊部屋の割り当てには、カグツチとロンギルスとエクリバとテミラルスの四人で一部屋、ニーグルン姫と大魔女シャニルとアルラトスの三人で一部屋、アルベルスと勇者アドーレとルドルス将軍とヴァグドーの四人で一部屋である。
そうこうしているうちに、お昼頃になったので―――
「それじゃあ、そろそろ昼食にでも行くか?」
「ふむ、そうじゃな」
早速だが、ヴァグドーたち一行はお腹が減ってきたので、『ワールドエルフ天蝎』の案内で、飲食店「天蝎捌堂」まで行き、昼食を注文して食べている。 ちなみにヴァグドーは豚肉定食を頼んでいる。
「ほーう、なかなか美味しいのう。 ここは」
「ああ、ここの食堂はなかなかいい味出しているだろ?」
「はい、とても美味しいですよね。」
「うん、美味しいぃ~♪」
「なるほど、確かに美味しいわねぇ~♪」
それからヴァグドーたち一行が、昼食を食べ終えると会計を済ませてから、飲食店「天蝎捌堂」を出ており、その後も街中を散策していて、歩きながら話し合っている。
「それでいつから "剣" の挑戦が受けられるのじゃ?」
「そうだな、今日受け付けたばかりだから…早くても明日から…と言う予定だな。」
「ふむ、そうか……」
「なるほど、その "剣" というのは、確か…街の中央にある『ノエロン城』というお城にあるのですよね?」
「ああ、そうだな」
「あとはこの街には、凶悪なモンスターとかはおるのか?」
「ん? 凶悪なモンスター…? いや、この街にはいないと思うけど…見かけないよな…?」
「ふむ、そうか……」
「残念でしたね。 ヴァグドーさんの凶悪モンスターハンターとしての腕が鳴りませんね。」
「へぇー、そうなのか? まあ、この街ではないのだが…この街からはるか南西にある『エルフの森里』には確か……」
すると『ワールドエルフ天蝎』が、そこで何かを言いかけたが、すぐにやめてしまった。
「ん? どうした?」
「いや、何でもない……」
「……?」
「ふむ、そうか……」
この後もヴァグドーたち一行が、自分たちの生活用品や必要な物などを店から購入していき、また宿泊している大型宿屋まで戻っていって、自分たちの宿泊部屋に荷物を置いたあとで、大型宿屋の中にある食堂で夕食を食べてから、いよいよ温泉宿の方に向かっていった。
その日の月夜
その混浴露天風呂の女性用の脱衣場の方から、カグツチとロンギルスとエクリバとニーグルン姫と大魔女シャニルとテミラルスの六人が、全裸で出てきて温泉に入浴している。
「はぁー、気持ちいい~」
「はい、気持ちいいです。」
「いいわねぇ~♪ やっぱり温泉はいいわねぇ~♪」
「ええ、とても気持ちいいですわぁー」
「ふーん、なかなかいいじゃないか。 温泉も」
「うんうん、やっぱり温泉はいいよねぇ~♪」
六人が温泉を気持ちよく楽しんでいる。
一方で混浴露天風呂の男性用の脱衣場の方から、ヴァグドーと『ワールドエルフ天蝎』の二人が、全裸で出てきて温泉に入浴してきた。
「ほーう、今夜も月か……」
「今宵の月夜の温泉も…また格別だよな。」
「ふむ、確かに…なかなかのモンじゃな。」
「あっ、師匠。 こちらでしたか。」
「どうもヴァグドー殿、いいお湯ですわね。」
「ヤッホー、ダーリン♪」
「ヴァグドーちゃん、みーっけ♪」
「……」
湯船には、お酒が置いてあるお盆が浮いており、男二人でお酒を飲んでいると、そこにカグツチやエクリバたち六人も一緒に合流してきた。
ここからがヴァグドーたちの番なのか…?




