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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
D.アンリールノエロン編
112/329

108、破綻した反逆者?

  ●【No.108】●



 ギドレファナス共和国と大都市アンリールノエロンの丁度、中間地点にある周囲が森になっている平地にて。


 翌朝、カグツチやニーグルン姫たちが、目を覚まして起きてきた。 それから勇者アドーレや大魔女シャニルは、当然ながら、昨夜の物音に気がついていたけど、さほど危険ではないと判断して起きてこなかった。 さらにテミラルスの方も、姉のデイラルスの気配に気がついていたけど、それと同時に大魔王の気配にも気がついていて、恐怖心で起きてこなかった。 なので…そんな感じで、昨夜は誰も起きてこなかった。


「普通あり得ねーだろ!?」


 つまり、皆がヴァグドーに任せっきりなのだが、彼も既に起きていて、まさか…あれからずぅーと寝ていないのか…!?



 それでヴァグドー、勇者アドーレ、大魔女シャニルたちが、昨夜の出来事について話し合っている。


「…え? 大魔王エリュドルスがここまで来ちゃったの?」

「これは…なんとまぁ…あっさりと、こんな所まで来てしまうとは、従来の大魔王とは、まただいぶ違いますね。」

「本来ならば、こんな所までは来ない筈なのじゃが、バカな上位魔族が命令無視で来てしまったせいで、自らが出向いて来たらしいのう。」

「へぇ~ そうなの?」

「まさか…大魔王自らが…?」

「ふふふ、なかなか大変そうじゃったぞ。 自分の命令を、全く聞かずに行動している自分の部下に、ほとほと困り果てているようじゃったな。」


「それにしても、また大変なのね。 一族の長…一国の主というモノも…。」

「…大魔王に同情して、どうするのですか…? これは…大魔王が人間を滅亡させる天敵ではないのですか…?」

「今は人間よりも、悪魔神トニトリエクルスの方が先じゃろ? 何をするにしても、アヤツが必ず邪魔をする、全く鬱陶(うっとう)しい奴らしいからの。」

「……」

「…複雑なのね…」

「ふふふ、そうじゃの。 魔族たちがまた攻めてくる前に、そろそろここを発つかの。」

「はい、判りました。」


 そう言うと、ここで休養を充分にとった、ヴァグドーたち一行が、次の目的地である大都市アンリールノエロンの方に向けて、それぞれが出発する準備をしている。


 そこでヴァグドーが、ふっと疑問に思い小声で言った。


「ところで、勇者と言うのは、一体何人おるのじゃ?」


 それを聞いていたテミラルスたちが―――

「いや、普通は一人だけだろ? だいたい勇者なんて何人いたって意味ないだろ?」

「はい、そうですよね? 勇者様はアドーレ様、ただお一人だけではないのですか?」


「でもボクは最初から勇者だった訳ではありませんし、その前が臨軍大将軍でしたね。」

「ほーう、もしかしたら、他にも勇者がおるのかの?」

「それはよく解りませんね。」

「ふーん、なるほどねー」

「へぇー、そうなんだー」


「それでは皆さん、そろそろ行きましょうか。」

「は~い、了解~♪」

「ふむ、そうじゃな」


 こうして、ヴァグドーたち一行(ヴァグドーが外で馬を引き、テミラルスが馬車の上空に浮いており、ルドルス将軍は御者台に乗り、他の者たちは馬車の中)が、大型の馬車に乗り込み、次の目的地である大都市アンリールノエロンの方に向かって、再び進み出している。 ちなみに二匹の虎型モンスターは、既に使役を解除されて立ち去っている。




   ―-―・●・―-―




 ―アンリールノエロン―


 その大都市の中央部にある巨大で紫色のお城『ノエロン城』から、少し離れた東西南北の場所に、それぞれ "ギルド冒険商" が設けられている。


 その南側にある "ギルド冒険商" の中には、黒髪に紫色の瞳に、青色の上着と紺色のズボンを着ていて、さらに赤色のマントをまとっており、背中に大剣を背負っている、長身の男性が一人いる。


 その彼の名前は、上位魔族の "クノシルス" と言い、Aクラスの爵位を持つ。 ちなみに肌の色は、普通の人間とほぼ同じ色であり、現在は冒険者になりすましている。


 だから、周囲にいる人間・冒険者たちは、クノシルスが魔族であることをまだ知らない。


 そのクノシルスが一人で、一番外側の端っこにある円形テーブルのイスに座り、赤いお酒を飲みながら考え事をしている。


 "そうか、オブリルスの奴は失敗したのか…。 やっぱり、この計画には無理があったな…。 それにしても、あの大魔王自らが動いてくるとは…。 この俺のことも、もう知られているだろうな…。 クソッ!"


 "これから一体どうする!?"


 クノシルスがまた赤いお酒を飲みながら考え込んでいる。



一体何の計画なのか!?

オブリルスやクノシルスたちの魔族の無計画・無謀ぶりがよく見えてくる!?


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