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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
D.アンリールノエロン編
110/329

106、超絶★驚愕の対峙!?


※なんと!? 遂にあり得ない事が主人公(ヴァグドー)の身に起きる!?



  ●【No.106】●



 現在、ギドレファナス共和国と大都市アンリールノエロンの丁度、中間地点で周囲に森がある平地に、ヴァグドーたち一行がいて、複数個の小屋を木で造っており、そこでしばらくの間は宿泊・滞在をしている。


 そんな、ある日の夜のこと


 一人…夜遅くまで、外で焚き火をしていたヴァグドーだが、周囲を警戒して奇妙な気配に気がついた。 その奇妙な気配はふたつ…いや…みっつはあるかな? その中のひとつが、とても強力な実力を持つ気配であり、なかなか良い気配でもあるけど…。


 ヴァグドーがその気配がする者たちに気づかれない様にして、物音を立てずに自分の気配を消しており、静かに森の中に入っていき、その気配がする者たちの背後に回っている。


 そこでヴァグドーは、二人の後ろ姿が目に入り、片方が女性の姿でもう片方が男性の姿であり、どちらも人間ではない事がすぐにわかった。 さらに彼らのすぐ背後に、先程感じた凄く強力な実力でなかなか良い気配が、容姿こそは暗闇でよく見えないけど、確かにそこに居るようだが…。


  "そいつは後回しだな"


 ほーう、魔族なのか!? 以前に出会った事がある…ベドゼルスやバロガルスによく似ておるのう。 男の方は褐色の肌…オブリルスとか言う上位魔族なのか!? 女の方はテミラルスの姉のデイラルスなのか!? なるほどのう、よく似ておるのう、さすがは姉妹じゃな。


 なんとヴァグドーたちは、既にレイドルノやテミラルスたちから、ある程度の魔族についての情報を得ている。


 そこでヴァグドーは、オブリルスとデイラルスの二人の様子をしばらく見ていると、最初にデイラルスの方が、ヴァグドーの存在に気づき始めている。


「ねぇ、そんなあなたに警告するわ。 それはやめなさい。 あなた…すぐに殺されるわよ?」

「…なんだと…!?」

「あら~? まだ気がつかないのかしらね? 私たちの背後には、既に "彼" がいることに…! 本当に情けないわね!」

「……っ!?」


 するとそこでヴァグドーがニヤリと笑った。


「…何…なんだと…それは一体どういう事なのだっ!?」

「はぁ!? あなた…ホントにまだ気づかないの!? 本気なの…いや…正気なの!?」

「…??」


 なんとイラつくデイラルスが、マヌケなオブリルスのあまりにも鈍感さに、思わず大声で荒立ててしまっている。


 するとそこでヴァグドーが小声で言った。

「ふふふ、仕方あるまい。 ワシの "隠気(インキ)" を、そう容易(たやす)くは見破れる訳がないからのう。」

(※ "隠気(インキ)" とは、その存在の気配を "隠蔽(インペイ)" させる事で、ヴァグドーの十八番(おはこ)である)


「……っ!!?」


 そして、遂にオブリルスとデイラルスの二人の目の前に、ヴァグドーが姿を見せて現れている。 (※先程までは背後にいたのに、いつの間にか…敵の前方に回っており、さすがの神出鬼没ぶりである)


「…??」

「う、そ、さっきまで後ろにいたはずなのに、いつの間にか、前の方に…っ!?」


 オブリルスの方は、まだ状況を理解しておらず、デイラルスの方は、ヴァグドーの行動に物凄く驚愕している。


「ふふふ、さすがのデイラルスも少しは驚いているようじゃが、驚くのはまだ早いのう。」


 するとなんと、そこで突如として―――


「おう、その通りだな。」


 …と、背後から…この聞き覚えのある声に、オブリルスとデイラルスの二人が、思わず恐怖と驚愕で、身体をぶるぶると震わせており、そぉっとゆっくり後ろを振り向いて見ると―――


「…大魔王様…っ!!?」


 漆黒のフードとローブとマントで身体を覆い隠し、伝説の皇剣【終焉殺の剣】を帯刀している人間姿の男で、魔族の国の王にして、魔族・魔物を束ねる王である、『大魔王エリュドルス』が、遂にその姿を現して立っている。


 顔は漆黒のフードに隠れていてよく見えず、伝説の皇剣【終焉殺の剣】は、刀身も(つば)()の部分も全部漆黒で、妖しく光り輝いている。


 ここで遂に、ヴァグドーと大魔王エリュドルスが、お互いに顔を合わせていて、初めて対峙している。


「どうも、お初にお目にかかるヴァグドーよ。 余が大魔王エリュドルスだ。」

「ふふふ、どうも…はじめましてじゃな。」


 お互いに少し会話を交わしているのだが、その一言一言に緊張が走る。 そこで今度は、大魔王エリュドルスがオブリルスに話しかけてきた。


「ところでオブリルスよ。 貴様はなんでこんな所にいるのだっ!?」

「えぇ…いや…あの…その…」


「貴様は本来ならば、悪魔神の侵攻に備える為に、監視をしている筈ではないのかっ!?」

「…うぅっ…」


 明らかに動揺しているオブリルスに、大魔王エリュドルスがさらに厳しく問い詰める。


「やれやれ…ただ監視するだけの仕事も満足にできないとは…貴様は本当に余に忠誠を誓っておるのかっ!?」

「は、はい…勿論です…!」

「では、なんでここにいるのか、質問に答えよ。」

「は、はい…それは…その…」


「ふーん、どうせ仇討ちにでもきているのだろう? オブリルスよ、貴様はベドゼルスやバロガルス共とは、とても仲が良かったからな。」

「……」

「だがな、余には全く関係のない話しだな。 そもそも魔族の世界は "弱肉強食の世界" …強い者…勝利した者だけが生き残る世界なのだよ。」

「…ぐぅ…」

「そして、余に逆らう愚かな部下が、一体どういう末路を辿るかも、当然判っておるなぁ?」

「…ひぃ…」


「さぁて、余に逆らう愚か者に、罰を与えてやろう! お仕置きタイムだぁっ!!」


  強襲!!


 怒涛の大魔王エリュドルスが、困惑する部下の上位魔族オブリルスに、襲い掛かろうとしている。




※本来ならば、最後の敵である大魔王が早々に、主人公(ヴァグドー)の目の前に登場するのか!? (まぁ…勇者ではないけど)



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