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絶望老人が異世界転生をしたら、99年間で最強無双になってしまった!  作者: 賭博士郎C賢厳
D.アンリールノエロン編
109/329

105、突き刺す視線

  ●【No.105】●



 ―アンリールノエロン―


 この巨大な都市は、外側から内側に円形状に家や店などの建物が沢山並んでおり、その中心部に巨大で紫色のお城『ノエロン城』があるけど、現在では当主がいない。 また城内では、紫色のメイド服を着た女性の通称メイドさんが沢山いて、主に整理・清掃などをしている。


 その城内の一番奥の地下には、暗黒で広大な空間があり、その中央部に伝説の皇剣【磨羯龍の剣】が置いてあり、さらにその(そば)には、巨体で深紫色の鱗をした世界最強級の(ドラゴン)である『磨羯龍カラミティノエロン』も一緒にいて、守護しながらも普段はぐっすりと眠っている。


 毎日のように、冒険者の挑戦者が伝説の皇剣【磨羯龍の剣】を手に入れる為に、この『ノエロン城』まで訪れて来ている。 だがしかし、今までに来た挑戦者たち全員は残念ながら、伝説の皇剣【磨羯龍の剣】の入手に失敗してしまい、がっかりしながら帰っていくのである。



 一方で大都市アンリールノエロンのお金・通貨には、黄金でできている紙幣・お札型、硬貨・コイン型と、白銀でできている紙幣・お札型、硬貨・コイン型の2つに分かれており、黄金の紙幣や硬貨の方が当然価値が高くて、白銀の紙幣や硬貨の方が価値が低い。 基本的で一般的な価値としては、黄金の紙幣(日本円で10万円)→白銀の紙幣(日本円で1万円)→黄金の硬貨(日本円で1千円)→白銀の硬貨(日本円で百円)の価値の順位の高さである。 ちなみに、このお金はアンリールノエロンだけでなく、世界中の様々な場所で使用可能である。





 今日もまた挑戦者たる冒険者たちが "試練" を受けに来ており、またしても、ことごとく失敗しては『ノエロン城』の客室に泊まっていき、そのまま帰宅していくのだが…。


「あらあら~♪ スゴく残念でしたねぇ~♪ まぁー、今までに誰も "試練" に成功していませんからねぇ~♪」

「でもホントに、今までに誰も "試練" に成功した者がいなかったのかしらねぇ~?」

「それはいるでしょうねぇ~? 選ばれた伝説の真の勇者だけが、伝説の皇剣【磨羯龍の剣】を入手していき、それで大魔王や悪魔神を打倒した昔話や逸話もありますからねぇ~?」

「それでは…今回も登場するでしょうかねぇ~? 伝説の皇剣【磨羯龍の剣】を手にする伝説の真の勇者がぁ…?」

「さぁて、それは…どうでしょうかねぇ~? 果たして現れてくれるでしょうかねぇ~? 伝説の真の勇者が…ねぇ~?」


 今日も紫色のメイド服を着た女性たちの通称メイドさんが、沢山集まっていて、整理・清掃しながらお喋りをしている。




   ―-―・●・―-―




 一方のヴァグドーたち一行は、相変わらずギドレファナス共和国と大都市アンリールノエロンの丁度、中間地点であり、周囲に森がある平地にいて、複数個の小屋を木で造っており、しばらくの間はそこに滞在している。 また大型の馬車の馬も適度に休ませており、専用の馬小屋も木で造っている。


 そんな、ある日の夜のこと


 ひとつ目の小屋である小屋Aの中には、カグツチ、ロンギルス、エクリバ、ニーグルン姫の四人がいて、寝袋や毛布にくるまって休んでおり、ぐっすりと眠っている。 さらに小屋Aの外のドアには、二匹の茶色い毛の大きな虎がいて、小屋Aを護っている。 この二匹の虎は昼間、エクリバが使役した虎のモンスターである。


 ふたつ目の小屋である小屋Bの中には、大魔女シャニル、アルベルス、アルラトスの三人がいて、寝袋や毛布にくるまって休んでおり、ぐっすりと眠っている…。


 みっつ目の小屋である小屋Cの中には、勇者アドーレ、ルドルス将軍、テミラルスの三人がいて、寝袋や毛布にくるまって休んでおり、ぐっすりと眠っている…。


 よっつ目の小屋である小屋Dの中には、誰もいない…。


 外にある焚き火も、もうそろそろ消えようとしており、そこにも誰もいない…。



 そんな小屋の周囲にある森の中には、褐色の肌をして大柄で屈強な身体の男性の姿をした、Aクラスの爵位を持つ "オブリルス" と言う名前の上位魔族が、それらの小屋の様子を覗いている。


 "そうか……あの小屋の中には、ベドゼルスを倒したヴァグドーとか言う人間や…それから…バロガルスを倒した勇者アドーレとか言う人間も、あの中にいるのか…っ!?"


 すると突如として、考え込んでいるオブリルスの背後から、女性の声が聞こえてきた。


「ねぇ、あなた? 大魔王様の命令無しで、こんな所にいつまでもいていいのかしらね?」


 その女性の声の持ち主は、黒色のワンピースを着た、同じくAクラスの爵位を持つ上位魔族のデイラルスである。


 オブリルスが後ろを振り向いていて―――


「貴様はデイラルスか? 貴様こそ、一体何の用だ?」

「ねぇ、あなた? まさか…上位魔族のクセに、人間相手に夜襲とかして、闇討ちでもするつもりなのかしらね?」

「…なに…!?」

「ねぇ、そんなあなたに警告するわ。 それはやめなさい。 あなた…すぐに殺されるわよ?」

「…なんだと…!?」

「あら~? まだ気がつかないのかしらね? 私たちの背後には、既に "彼" がいることに…! 本当に情けないわね!」

「……っ!?」


 そうなのである。 オブリルスとデイラルスの二人の背後の、さらに森の奥の方から…ヴァグドーが気配を消して、身体を潜ませており、じぃーと様子を覗いている。




※最強を誇る絶望老人(ヴァグドー)に油断や死角などはない!?



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