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俺の友達の話シリーズ

カタン

作者: 尚文産商堂
掲載日:2015/06/29

その音に気付いたのは、誰もいなかったからだろう。

それほど些細な音だった。

カタン、というおとだ。

郵便受けに新聞が投げ込まれるような音がしたとおもったら、すぐにやんだ。

反響も何もない、まるで水に飲み込まれるかのような感じだ。

一人暮しをして半年。

そんな音を、実は初めて聞いた。

だから好奇心から覗いてみようと思ったのだ。


家はアパート、8畳ほどのリビングにキッチン、トイレ、風呂がある。

ちなみにベランダも小さいながらもある。

外をのぞくと誰もいない。

というよりも人の気配がない。

隣人はいるはずだ。

重度のゲームオタクで、四六時中さわいでいる。

そういえば、その音も聞こえない。

カタン。また音が聞こえた。

どこから聞こえてくるのか耳を澄ます。

カタン。階段だ。

まるで鉄でできた階段を上がってくるという感じの足音だ。

カタン。カタン。徐々に速くなる。

その瞬間気付いた。

これは覗いてはいけないものだと。

幸いにもまだ外には出ていない。

玄関のノブに手を駆ける直前だ。

だから慌てて引っ込めて部屋の真ん中にこもる。

塩をまき散らし、お祓いをする。

カタタン、カタタタタン。

そして、足音はピタリと家の前で止まった。


朝、全く眠れないままに日の光を浴びている。

隣からのゲームの音も、気付けば聞こえるようになった。

外では雀の声が聞こえる。

おそるおそる外を見ると、濡れた跡が道路から家の前まで来ていた。

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