表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新王宮騎士団  作者: まめ
新しく王宮騎士団
13/19

新王宮騎士団13(ヒジリ、リンを引き取る)

一軒の家の前で、ヒジリは足を止める。それは白くって、リンにはまるで夢のような家だった。リンは驚いたように、その家を見る。

「綺麗」

その家を見上げる。

「そんな見上げていると、転ぶぞ。でも、そんな気に入ってくれて、良かった。俺もまだ2度ほどしか、帰ってないんだ。ほとんどが騎士団の部屋で過ごすからな」

「そんな忙しいの?」

そうだったら、申し訳なくリンは思うが、なぜか、ヒジリはそれに顔をしかめる。

「違う。見ても笑うなよ」

「笑うって、何が?」

「入れば分かる」

先に念を押され、リンは不安になった。

だが、リンを待っていたのは、忙しくて帰れないとかではなかった。そこにあるのは、ゴミ屋敷そのものだったからだ。

「ねぇ、ヒジリ今まで、何回帰ったって言ったっけ?」

引き吊りながら、リンは笑って聞く。

「えっと、2回だなぁ」

「それで、何でこんなに汚れるの?」

「しょうがないだろ。俺は片付けるの、下手何だよ」

「下手ってレベルかな?」

「俺には、レベルだ」

「でも、騎士団の机綺麗だったよね」

「あれはジェイが片付けているからな。何せ、あいつは俺の机を初め見たとき、それはそれは怒ったぞ。それ以降はあいつの仕事になっている。あいつは怒りながら片付けてたほどだから、無類の綺麗好きと見たね。ジェイに任せとけば間違いない」

と、勝ち誇ったようにヒジリは言う。リンは思わずジェイさんに同情したが、何も言えなかった。別段、ジェイさんは、綺麗好きでも、何でもないと思うぞ。ただたんに、放っておいたら、ダメだと解ったんだよね、ジェイさん。

「こうなったら、今から大掃除をします」

「えー、今日は家具買いに行こうよ。掃除は明日にでも」

「私の家具がどれくらい置けるかまるで分かんないじゃない」

「あっ、それは大丈夫。2階は買ったときのまま綺麗だから、何せ上まで行く気力なくって、行ったことないから」

「私は、同じベッドで寝れるかもって思ってたのに、ヒジリは違うベッドに寝るつもりだったの」

目をウルウルさせて聞いて来る。

「クソ~」

ヒジリはそう言って、髪をかき揚げる。

「同じベッドで寝る予定だよ」

「あ~、良かった。じゃあ、二人で寝る部屋作ろうね」

と、リンは何かに目覚めてしまったようで、二人はそれから掃除に追われた。

ヒジリはいるものと、いらないものに分けるように言われ、全部いると答えたところリンはニッコリ笑って、そういらないんだと、ゴミ袋にまとめだした。

さすがに、それにはヒジリも待ったをかける。

「これで、分かったでしょう? ふざけたことを言うと、私は全部捨てるって」

ヒジリは、コクコクとそれに頷く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ