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新王宮騎士団  作者: まめ
新しく王宮騎士団
11/19

新王宮騎士団11(サラの苦しみ)

その後彼らとも別れ、ヒジリは路地裏に行く。

「やはり君なら、ここだと思ったよ、サラ」

そこはヒジリとサラが初めて出会った思い出の場所。

「すまなかった。君は俺に何度も助けてと送っていたのに、気付くのが遅すぎた。命一杯、お前は傷ついてる。やってるとき辛かったんだろ。だから、カーミネもお前の刃を自ら受けたんだ。カーミネは剣の達人だ。作るだけじゃなくな。カーミネが普通殺られるわけないんだ。火事の現場にワザとこれを置いたのも、俺に気づいて欲しかったからだろう? もう、どうしようもないとこまで来てるんだな?」

確認するようにそう言って、ヒジリは金の鎖を出す。

「こんなおもちゃまだお前は持ってたんだな?」

サラはプーッと頬を膨らませる。

そして、サラは鎖を大切そうに、ヒジリから取り返すと、大事に持った。

「失礼ね。私の宝物よ。それをヒジリでも悪くなんて、言わせない」

それを聞き、ヒジリは苦笑いする。

「それは、失礼した。でも、もっと良いものを上げれば良かったな」

「ううん。これが良いの。だって、あの頃の私達には十分相応だったでしょう? すごい背伸びしたもの」

「そうだな」

ヒジリは笑う。

あの頃のサラの生活を(カンガ)みると、そうかもしれない。でも、ヒジリは裏家業でずいぶんあの当時にも稼いでいた。だが、サラに合わせた。

それほどあの頃は、サラは貧しかった。そこから、サラは努力して、自分の力だけで乗し上がった。乗し上がるのと、平行して、ヒジリも自分の仕事を話して言った。そうしたら、サラはヒジリを手伝いたいと言い、気付けば町の自警団を結成し、ボスにまでなっていた。

「情けないわよね。こうなって見て初めて自分が全く動けなくなることに気付いたわ。でも、私どうしたら良いのか、もう本当に分からなくなっちゃった。どうすれば、良かったのかな? どう思うヒジリは?」

サラは首を傾げる。

「俺に遠慮などせずに、泣き付けば良かったんだ?」

「それは無理だよ」

「どうして、無理なんだ」

「だって、ヒジリ普段から忙しそうだもん。ジェイ君にだけ、仕事を割り振っていないでしょ。その前に事前に確認をヒジリはしているでしょう。ジェイ君に危険が及ばないように」

「こりゃ参ったな」

ヒジリは頭を掻く。

「これでも、この国の自警団を結成している者よ」

「だから、お前は使われたんだ。だってお前なら、町の住人を人質に取りさえすれば、逆らえないからな? 足元を見られたな」

「何か。バレバレか? でも、どうしてそれを」

サラは驚く。

「お前がやるとしたら、そう言う状況に追い込まれたときだけだからな。今回は問答無用に、やらざる負えない状況に持っていかれたな。お前は、何度も私にSOSを発信していたのに、全然気付かなかった。これは、俺の落ち度だ、こんなことをさせて、すまない」

「うんうん。ヒジリは忙しい人だもん、仕方ないよ。カーミネさんも理由に気付いて自ら、私の剣を受けてくれた。キラちゃんに、ごめんなさいと伝えて」

「ああ、自分で伝えろ」

「えっ?」

「そのぐらいの時間は十分にある。なんせ、お前は死んだことにするだけだからな。王宮で(カクマ)ってやるよ」

ヒジリはニヤリと笑う。それにサラはビックリする。

「えっ? 王宮で」

「ああ。凄くリッチな生活ができるぞ。それで、今回のことが、チャラになるとは、思わないがな。って言うのは、建前で王宮騎士としては、お前を野放しには出来ないんだ。またいつ、使われるか分かんないんだからな。だからお前の身柄をこちらで預からせてもらう。つまりは拘束だな。お前には、不自由を掛けるがな」

「うんうん。私がもう傷つかないように、ヒジリは考えてくれたんだね。拘束何て言葉を使って優しいね」

「お前は本当は、俺に止めて欲しかったんだろ。お前にこのような仕事をさせた人間を俺は、絶対許さない。お前の敵は絶対とってやる」

ヒジリは闘志を燃やしながら、言う。言う。

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