story51‐‐新参者‐‐
佐川が科学者たちを研究室に残して休憩室に戻ると、一日ぶりに泉が帰ってきていた。だが、泉の他に知らない怪しい男もいた。
泉はボスのデスクに座り、そばのソファには大きなリュックサックが無造作に置かれている。僧服の髪の長い男はソファの脇に立って泉と話していた。
「あ、佐川さん」
入ってきた佐川に気付いて泉が立ち上がった。
「おかえり、泉ちゃん」
そして謎の男に視線を移す。
「ああ、この人は……」
泉は紹介しようと思って男に顔を向けたが、まだ名前を知らないことに今さら気付いたようだった。
「そう言えば、まだお名前聞いていませんでしたね」
「李宝永だ」
男は呟くように告げた。
佐川は目の前の男に対してあまり活発そうな印象は受けなかった。
「あたし、宝永さんに助けてもらったんです」
泉は怪訝な表情の佐川に、遠回しに宝永が信頼できる人だと主張した。
「え、そうなの?」
命を助けたからと言ってすっかり信用していいことにはならないが、感謝しないわけにもいかない。
「泉ちゃんを助けていただいて、ありがとうございます」
深々と頭を下げる佐川を見て、宝永はばつが悪そうに目を閉じる。
「いや、あれは私が意図的に引き起こしたもの。彼女の命を危険に晒したのは、私自身なのだ。申し訳なかった」
宝永は二人に謝罪した。
「一体……何があったの?」
佐川は再び訝しむような様子で泉に尋ねる。
「あたしが山の毒をもった生き物たちに襲われてしまったんです……でも、それは宝永さんが生き物の感情を抑えるのを一時的にやめたからみたいで……」
やや複雑な話のようで、佐川の脳ではうまく解析しきれなかった。
「それで、泉ちゃんはどうして宝永さんを本部に連れてきたの?」
宝永が佐川の方へ一歩前に出た。
「私はここの組織に加入させてもらおうと思っている。それで、ここの最も偉い人物と話をさせてもらおうと思ったのだが、今のところ、まだ女性にしか会っていないな。この組織は男が少ないのか?」
「えっと……泉ちゃん?」
「あ、あの、宝永さん。実は、この組織のボスはあたしなんです」
泉は恥ずかしそうに頭を掻いた。
「それは……」
宝永が隣の泉を見下ろす。
「勘違いしてすまなかった」
しばし言葉に詰まった後、結局慇懃に謝った。
しかし、泉の表情は曇った。
「やっぱり……あたしがボスなんて……ふさわしく……ないですよね……」
「い、泉ちゃん、大丈夫だよ。ボスがわざわざ指名したんだから、もっと自信をもって、ね?」
佐川は泉に駆け寄り、泉の腕を包み込むように優しく握りしめた。
「でも、宝永さんさっき、こんな子供がボスなのかって目で見てきましたよ!」
すっかり落ち込み、目には涙を浮かべている。
「そ、そんなことないよ! みんな泉ちゃんを信じてる」
「本当は……みんなきっと、あたしがボスになって……不満をもってるんです」
泉は顔を伏せてしまった。
「えーー。ね、ねえ、泉ちゃん、しっかりしてよ。みんなきっと――」
〈また嘘をつくのか?〉
佐川の頭の中で不快な声が響いた。
泉は静かに泣き始めていた。
「きっと……泉ちゃんを……」
〈またそうやって傷つけるのか?〉
声が佐川の胸を締め付ける。
「頼りに……して……」
泉の泣き声は、気付くと笑い声に変わり始めていた。
「あはははは」
ついには止まらなくなったように笑い出してしまった。
「こんなに慌てる佐川さん見るの、初めてです」
泉は必死に笑いをこらえようとしながら言った。
「うそぉ。まさか、泉ちゃん、嘘泣き?」
「この前のお菓子の時のお返しですよ」
「うわぁー。あんな落ち込み方するの、泉ちゃんのキャラじゃないと思ったんだよねー。泉ちゃん、嘘泣きなんて技術、いつの間に習得したの?」
泉は笑いすぎてお腹を痛そうに押さえていた。
「たぶん、佐川さんにいじられた時ですねー」
泉は最後の佐川の様子については気付いていなかったようで、佐川は胸をなでおろした。
「それじゃ、泉ちゃんが元気になったところで。一つ聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「はい」
もう泉は落ち着いていた。一応分別をわきまえているらしい。
「実際のところ、宝永さんはどうして組織に? そもそもこの人は何者なの?」
佐川は一人離れて二人を眺めていた宝永の方を見やる。
先ほどから、特に心配するでも笑っているわけでもなかったようだった。ただ、普通に二人を見ているだけだった。何かを待っているようにも見受けられた。
「あたしも、宝永さんが組織に入るつもりだっていうのは今知ったばっかりです。あたしは宝永さんに、手伝う代わりに本部へ案内してくれって言われただけだから……」
ふむふむ、と佐川が頷く。
「で、彼はどこのだれなの?」
佐川は宝永に聞こえないよう、泉の耳元で囁いた。一番気になるのは宝永の素性のようだった。
「どっかの宗教組織がどうとかって言ってましたね……」
泉も囁き返す。
「ええー。何か急に怪しさが増した気がするんだけど」
「あ、でも本当に、変だけど悪い人ではなさそうですよ」
「泉ちゃんが言うなら……」
佐川は改めて目を閉じていた宝永のもとに歩み寄った。
「あの、宝永さんは、どうしてここに入ろうと? もちろん、戦力が増えることは嬉しいんですけど……」
「五十パーセント以上が疑念……か」
宝永が呟き、とてもゆっくりと目を開ける。よちよちと歩くカメを連想させるモーションだった。
「はい?」
佐川はわけがわからないというように首を傾げる。
「宝永さんは心……じゃなくて、感情を読み取ることができるみたいなんです」
泉が簡単に説明した。
「そうなの? すごいけど……何かちょっと嫌かも……」
佐川は身を縮こまらせた。
「私は、ここでなら天命を全うできようと思ったが故、ここに加入させてもらおうと思い至った」
「天命って?」
「人間を正しい道へ導かせることだ」
佐川は説明を求めて泉を振り返る。
だが、泉はただにこにこの笑みを返してくるだけだった。
「ミステリアスな人なんですね」
面倒になったのか、佐川は適当に話を切った。
「とりあえず、組織に入るなら定例通り力量を量らないと……」
佐川は軽くあごに手を当てて考え込んだ。
「それでは、あたしは日比野に用があるので」
泉はそう言うと、リュックサックをもって休憩室を後にした。
……汚らわしい狂魔の血……組織による禁忌の人体実験……人間の狂魔化……哀れな孤児たち……無惨に命の灯を断たれた美奈子……
個室のベッドの上で小塚は横になり、目もとに腕を載せていた。身体が微かに震えている。脳裏に流れ込んでくるのは、修介の息の根を自ら止めた時の映像だった。
本部の薄暗い地下。修介は刀をもった左腕を斬り落とされ、胸には血に染まった一本の刀が刺さって仰向けに倒れていた。口からゴボゴボと血が溢れ出る。そしてその真っ赤なひとみに映るのは、一年前の小塚の姿だった。
小塚は修介を見下ろしていた。修介を見つめる苦悩と悔恨の入り混じったその目から、涙がほろほろと流れている。
すでに内臓がほとんど機能していない修介は、血を吐きながらも何とか口を動かして何かを言おうとしていた。
すぐに小塚が耳を近づける。
震える声の修介の最後の言葉が聞こえた。
『コロス』
小塚は刀を引き抜き、修介の頭を貫いた。
ベッドの上で身体を横にしたまま左腕を掲げ、壁の明かりに照らされたその白い肌を見つめる。
(俺がすべきことは何だ?)
小塚はしばらくそのまま考え込んでいた。
やがてベッドを下り、反対側の壁へ向かう。
目の前には、三本の刀と黒い三角帽子。そばのテーブルには幼い頃の小塚と修介が写った写真が置かれている。
小塚は『シュウスケ』と彫られた刀を掴み、鞘から刃を引き抜いた。
くるりと反転し、テーブルの上の写真を冷ややかな目で見つめる。
――刀が振り上げられた。
「何……これ?」
佐川は呆然と立ち尽くしていた。
まず目に入ったのは縦に真っ二つに斬られたテーブル。
さらに進んで現れたのは、またもや縦に真っ二つにされた黒い三角帽子。
そして部屋の隅に、二枚に斬られた写真ごと壁に突き刺さる『シュウスケ』と彫られた刀。
「あの刀って!」
佐川が後ろの小塚を振り向いた。
小塚は静かに歩いていき、写真を貫く刀を引き抜いた。
そのまま刀を黒い三角帽子の方へ雑に放る。
「帽子と写真と刀は処分することにした」
「ねえ、小塚君! どうして……こんなこと」
佐川はすでに半泣き状態だった。小塚がこれらの形見をどう思っていたのか、佐川はよく知っている。
「刀はもっと良質のものを用意する」
「そうじゃなくて!」
佐川が崩れ落ちた。
「どうして……こんなこと……小塚君……どうしちゃったの?」
佐川は完全に泣き出した。
「修介……リサ……美奈子……」
小塚が呟く。
「形見を見てはあいつらが生きていたことを思い出し、狂魔を呪い、組織を呪い、そして俺自身を呪う。今までそうして俺は過去にとらわれていた」
佐川が顔を上げる。
小塚は佐川に微笑みを向けていた。
「どうやら俺は、あいつらの形見をもってる限り、先に進めそうにないみたいだ。俺の知ってるあいつらは、決してそんなことを望まない」
涙を流して見上げてくる佐川に、小塚が優しく手を差し出した。
「もう覚悟を決めた。形見はなくても、俺の心の中で、あいつらの魂は永遠に生き続ける」
小塚の目は爛々とした優しい輝きを放ち、昨日のような迷いは消え失せていた。
(小塚君はもう、初めて会った時みたいにぶっきらぼうで、冷たくて、孤独で、そして弱い人じゃない。もう、一人で前に進める)
ふっと佐川の表情が崩れ、口元に小さな笑みが浮かんだ。
佐川は小塚の手を取った。
「今まで俺のために泣いてくれたこと、感謝する。できるならこれからも、佐川には俺のそばにいてほしい」
佐川が両手で小塚の手を包み込む。
「あたしね、最初に小塚君に会った時、何だか冷たそうな人だって思ったけど、同時になぜか守ってあげなきゃとも思ったの。でも正直、ペアを組むようボスに言われた時はちょっと嫌だったかな。その後、美奈子ちゃんのところによく来てくれてることを美奈子ちゃんから聞いて、本当は優しい人なんだなって思った。それで、岩谷さんの言葉に傷ついてあたしを慰めに来てくれた時には、もうとっくに好きになってた。小塚君が蒼井を追っていって、あのビルでボロボロになって倒れていたのを見つけた時は、あたし本当に……本当に……もう死んじゃいそうだったんだからね」
最後には小塚の胸に顔をうずめていた。
「……心配かけたな」
こんなに親しみが込められた小塚の言葉を聞いたのは、生まれて初めてだった。
照明に照らされ、壁に映る二人の影。
「今まであたしを心配させた罰ね」
その小塚の影の頬のあたりに、佐川の影の口元が優しく触れた。
泉がパスワードを入力して研究室の扉を開くと、まず最初に明かりが漏れ出てきた。次いで男たちの談笑が聞こえてくる。その中に、微かに機械の電子音らしきものも混じっているようだった。
泉はリュックサックが通るまで扉を開き、研究室へ入った。研究室は泉が想像していたものより遥かに広かったが、機械や実験器具でその大部分が埋まっていた。
「お、来たか」
泉の姿に気付いてそう言ったのは日比野だった。
日比野のそばには、知らない白衣の男が二人いる。白いあごひげを立派にたくわえた男と、もう少し若い真面目そうな男。
「取ってきました」
言いながら泉は、三人が囲む大きな机にリュックサックを置く。
「この二人は俺が呼んだ」
日比野はまず若い男の方を紹介した。
「関水……だったか? 毒性学者だ」
関水は苦笑しながらどうも、と言った。
「そんでこっちは呼んではないんだが、国家の所有する研究室で主に感情物質を研究しているらしい…………」
「飯島だ」
あごひげの男が語を継いだ。
「それで、この女は安藤…………」
「泉です」
「そうだ。で、ここのボスだ」
日比野の最後の言葉に飯島が反応した。
「君がここのボスか。若い子だとは聞いていたが……」
だいぶ驚いているようだった。
日比野の話では、どんな種類の毒が手に入るかを知りたいということだったので、ここに毒性学者がいるのは納得できた。しかし、どうして飯島という男までいるのかはまだ釈然としなかった。とりあえず深くは考えず、話を進めるため、手袋をはめてリュックサックの中身を慎重に取り出す。
派手な真っ赤の模様をもったカエルを始め、大きな葉っぱや、根っこから紫色の花までついたまるまる一本の花、真っ黒な太いツルなど、さまざまなものが容れ物と共に出てきた。
「おおー」
泉の口から思わず感心の声が漏れた。
「どうしてお前が感心するんだ?」
日比野が爬虫類のような目の上の眉を寄せた奇妙な表情で訊いた。
「あ、いえ、実は山が物凄く危険な場所だとわかって、これらのものは、宝永さんという人に取ってきてもらったんです」
「危険ならなおさらお前が行くべきじゃなかったのか?」
再び爬虫類さながらの顔で訊いてくる。
「それはそうなんですが、宝永さんは……えーっと……」
泉が返答に困っていると、招かれた二人の客人が話し出した。
「これは私も見たことがあるな。シビレタケというキノコだろう。シロシビンなどの成分を含んでいて、食べた人間に複雑な幻覚作用を起こすらしいな」
飯島が茶褐色の小さなキノコを指して言った。
「そう、これは外見的には確かにヒカゲシビレタケ。しかしあの山で取ってきたなら、このヒカゲシビレタケは毒成分が微妙に異なります。我々の研究結果から、このキノコを微量経口摂取しただけで、その人の目には『死』や『恐怖』そのものを体現したような恐ろしい幻覚が現れ、そして最後には発狂することがわかっています」
関水はあの山の毒をもった生き物たちについて、少なからず詳しいようだった。
「やはり、あの山の生き物は進化している……」
飯島が呟く。
「ここには、黄色と黒や、赤と黒といったけばけばしい二匹のカエルがいますね」
関水がさらに別のケースの中を観察した。
「俺もこのカエルは知ってる。ヤドクガエル、だったか?」
日比野がケースの中でぴょんぴょん飛び跳ねる派手なカエルを見ながら言った。
「はい。しかし、これらは本来存在するはずがないんです。おそらくあの山で進化した新種でしょう。もともと、ヤドクガエルは南米のコロンビアの密林などに生息しており、原住民が矢毒に使っていました。数十年前には、日本にも飼育用として輸入されていたそうです。しかし、ヤドクガエルの毒――バトラコトシキンなどの成分は摂食する生き物に由来し、自身で生成するものではありません。つまり、日本に輸入され、販売されていたヤドクガエルは毒を体内に蓄積しないよう、与える餌を工夫されていたため……」
「話が脱線していないか?」
日比野が少し苛立たしげに言った。専門外の分野を長々と話されるのはあまり好まないようだった。
「あ、そうですね。すみません」
すっかり夢中になっていた関水は恥ずかしそうに頭を下げる。
そしてすぐに本筋に戻って話を再開した。
「このヤドクガエルらしき美しいカエルは、バトラコトキシンという神経毒を通常のヤドクガエルより多量に含んでいます。おそらく一匹で五百人近くの人間を殺せます。しかし先ほども言いましたが、ヤドクガエルは本来南米のコロンビアに生息しています。つまり今の日本は、生育環境としては、気候的にも、そして季節的にも全く合っていないのです。あんな山の中に放置されれば、このカエルたちはすぐに死んでしまうはずなんです」
「進化してあの山で暮らす耐性をもったのではないんですか?」
泉が質問した。
「それはヤドクガエルが進化した場合の話です。これらのカエルは、もともと日本に生息していたカエルが南米のヤドクガエルに似たものへと進化したのです。そのため、猛毒をもつようにはなりましたが、生育環境としては最悪になりました。実際に我々の研究では、これらのカエルには多大なストレスが加わっていることがわかっています。問題は、なぜそこまでして猛毒を獲得しようとしたのか、ということです」
「ここからは私の話だな」
話し手が飯島へと移る。
「すまないが、関水にはわからないことが多いと思う」
飯島は狂魔に関知しない関水のためにそう前置きしてから話し出した。
「実は数年前、私が研究所から久しぶりに出て近くの店で食事を取っている時、友人のこの関水に偶然会ってな。例の山の生物たちが異形の進化を遂げ、猛毒をもつようになったと聞いた。そして何とかもち帰った研究対象が恐ろしいほどに凶暴である、と。私は興味本位でそのもち帰った研究対象の毒鳥を預かった。そして、偶然と呼ぶより、むしろ奇跡に近い出来事が起こった」
「……一体何が起こったんだ?」
日比野がゴクリと唾を飲む。
「君たち二人は知っているだろう。今は失ったと聞いたが、ここにもあったはずだ」
「何がですか?」
じらす飯島に、泉が催促する。
「感知器、と言えばわかるだろう」
二人の表情が一気に変わった。おそらく、関水がいるため、『狂魔』という言葉は避けたのだろうが、二人に与えたインパクトは凄まじかった。
「感知器はもともと私が開発したものであり、もちろん私の研究所内にもある。その感知器が、反応したんだ」
やっぱりそういう展開か、と泉は思った。飯島の口調から予想はできたが、それでも信じられなかった。
「負の感情物質を放出していたのは、関水から預かった毒鳥だった」
「……そんな……ばかな」
日比野は爬虫類のような目をポロリと落ちそうなほど見開き、声は老衰に苦しむ老人のごとくかすれていた。日比野も感情物質を研究していたことがある。泉よりも感情物質に詳しい分、ショックも大きいようだった。
「……ありえない。感情物質は人間が放出するものだ。他の生き物からだと? そもそも生成することすら不可能なはずだ」
「私も君と同じ意見だ。ただ、数年経った現時点でも、わかっているのは、もち帰った研究対象の生き物たちが凶暴な理由は、その感情物質が関係しているらしいということだけだ。何らかの理由で、例の山の生き物は我々人間に激しい殺意を抱いている」
泉は山の頂上で宝永が言っていたことを思い出した。今の飯島ととても似たような内容だった。
「そしてこれは何の根拠もない推論だが」
飯島の前置きは、なぜか言葉に反して確証を得ているかのような響きをもっていた。
「私は、例の山の生き物は負の感情物質を溜め込んだことにより、人間に対して激しい殺意をもったために進化した、と考えている」




