引っ越しなら大胆に!
ある日曜日の朝。
ガラガラガラガラガラガラ―――
「…ん、何だ、この音?」
「さぁ?」
「見に行ってみるか」
崙の提案で、皆が外に出てみた。
そこで見た光景は。
「家が動いてるぅぅぅうううううううううう!!!」
「うるさい」
思い切り叫んだ威偪に、容赦なく手裏剣を投げつけて静かにさせた臨。
「家が勝手に動くなんてことないしなぁ。どこに行く……」
ズドンッ!
「おう!?」
音がしたほうに向うと、屋敷の隣に家があった。
「……隣に家なんてあったっけ?」
「ねぇよ。それにこれ隣っていうか、屋敷とくっついてんじゃねぇか!!」
臨以外の皆が茫然としていると、家の影から誰かがでてきた。
「ぃよっし!引っ越し完了!!」
額の汗をぬぐいながら現れたのは、齋藤 那葵だった。
那葵は千夜封を見つけると、ものすごい勢いで走ってきて抱きついた。
「千夜封~」
「え…、那葵……?」
突然のことに茫然と呟く千夜封に、那葵は笑いながら言った。
「いや~、皆引っ越してきてるって聞いてさ~。引っ越してきた!」
「……はいぃぃぃいいいいいい!!!?」
茫然と立ち尽くす皆に、那葵はにこりと笑った。
「これからよろしく!」
これで、屋敷の住人勢ぞろい!
次回は、遅くなったけど「臨の攻洋高校合格お祝いパーティ」と「那葵から推薦入試の意気込み」でも。




