五十九話 高山と真姫
「さて、着いたっと」
同時刻…高山はある場所に来ていた。そこは…
「おーい、キャノン!!」
そこは夏合宿の時に訪れたスタジオだ。
「たく…なんの連絡もなしにどうした?」
また眠そうな顔で出てきた。もう昼過ぎてるけど…
「あいつは…元気か?」
「あぁ、ねーちゃんは…なにも変わってない…」
「そうか…」
さっきのテンションとはかけ離れて低い。
「なぁ!そっちは一回おいといて…キャノン、またバンドを組まないか?」
「はぁ?何をいってんだ?」
キャノンはウンザリとした表情で言う。
「やっぱり部活やめても演奏はしたいんだよ!!なぁ?いいよな!」
「まぁ…メンツはあてがあるのか?」
「ああ、うちにいたボーカルを誘って、あとお前と…真姫ねーちゃん」
その名を聞いた瞬間キャノンは血相を変えた。
「お前…あいつが今どういう状況かわかってるんだろうな!!」
眠そうな雰囲気など一気に書き消される。キャノンはそのまま話続けた。
「それになにが今さらバンドやろうとかいってんだよ!!元はと言えばお前が姉貴を!!」
「いや…すまん…あの事は…」
「もう…今日は帰ってくれ…」
「…………」
高山は無言のまま帰っていった。