嘘の告白

五十五話 最悪

放課後…私は早見くんのところにいこうかなと思ってると…

「笠井？暇か？暇だよな？よし、俺と遊びにいこう！」

前島に無理矢理手を捕まれた。そして教室から引きずり出そうとする。

「いえ、早見くんのところに…」

「いいじゃん！別に…そんなことより…」

「そんなこと…？」

今の発言私は怒った。友達のはずでしょ？大変な状態なのにそんなこと？

「なぁ…だから…」

「すみません…手を離してもらえますか？」

さっきとは違う…怒りを交えた声…

「おいおいどうした？」

まだわからないの？怒ってるってこと…

「玲奈～一緒に帰ろう！今日高木くんいなくて…」

後ろから声がした。春香の声だ。

「うん今行く…離してください。いつまで握って…」

「桜井か…まあいいか…」

そう言うと手を離す。そしてなにも言わずに私の目の前から消えた。

「帰ろう」

「うん！」

前島は女子二人がかえって行ったことを確認する。

「あ～あ…また失敗か…そらそうだろ…ナンパ大会でも常に最下位キープしてたし…」

なんとなく今は無き軽音楽部に向かった。

「あの頃…スゲー楽しかった…」

つぶれる前は…休部だからたぶんいつかは再開される…でももう早見もいない。笠井とはたぶんダメ。大西は…言うまでもない…先輩は引退。

「やっぱダメだ…諦めきれない」

早見が記憶喪失…普通はあり得ないことだが実際あるわけでチャンスなんだ。これを逃したら…絶対に…

「アイツは…うまくやってんのかな？」