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嘘の告白  作者: かっきー
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二十七話 夜の出来事

練習組が先にホテルへ帰る。遊園地組はもう少ししたら帰ってくるらしい。そして、一回高山の部屋に集合して、今後のミーティングを開始する。まずは、文化祭について、夏休みが終わると約一か月後には始まる。残りがもうそれしかないのだ。


「俺は今年で最後、そしてあと一ヶ月。軽音楽部はお前らに受け継がれる・・・俺は悔いを残したくない・・・だから・・・」


感動的な話をしているので、真剣に耳を傾けているのだが、最後の一言でみんな驚きの表情を浮かべた。


「早見と笠井は今日は同じ部屋だ!!」


「・・・・・・はっ?」


なに言ってんだ?


「やましいことはするなよ」


「勝手に話を進めないでください!!無理!!」


「やっぱ無理ですか・・・」


かなりしょんぼりしてる。いや、だってまずいし・・・


「あ〜あ〜泣かした」


「いや、無理じゃない!!」


「言ったな!!はい決定!!てなわけで大西と前島は荷物もって俺の部屋に来い!!」


「「了解!!」」


大西の野次に向きになってしまって反論した瞬間に事は進んでおり、昨日同室だった二人はもう荷物を持ってきた。


「早見の部屋でごゆっくり〜」


「こんばんはお楽しみですね~」


そう言って部屋を追い出されて鍵をかけられてしまった。だが、笠井には昨日女子部屋二行けばいいだけの話だったのでそう提案する。


「鍵は?」


「今は春香が・・・」


「・・・行くか」


「はい・・・」


このまま廊下で立っているだけというわけにもいかなかったので、二人は昨日早見大西前島が寝ていた部屋に向かう。昨日枕投げをした部屋なので乱れきった部屋だったのだが、ホテルスタッフが清掃してくれていた。とりあえず荷物を置くが、お互いに立ったままだ。


「・・・・・・・・・・・・」


隣では何をしていいかわからずオロオロ&プシューだ。状況を確認する。仲の良い男女が泊まりの旅行・・・


「あれだな!!新婚旅行みたいだな!!」


今のはない。ごめんなさい、墓穴掘った。


「し?し!しし、しんこん!?」


やばい、悪化した。とりあえず落ち着かせよう。


「そうだよな!!結婚だってまだなのにな!!」


「けけけけけけっこん!?」


「すまん!冗談だ!あの・・・あ、そろそろ飯だな!!行こう!!」


話を無理やりそらして、食事会場に二人並んでいく途中、帰ってきた高木に会った。桜井は部屋に戻ったらしい。そしてその状況を見て高木が質問をする。


「何があった?」


「いや・・・」


「けけけけけけ・・・」


「・・・けけけけけって・・・妖怪だね」


少々苦笑いで気を使ってくれているのか、とりあえず、さっきの出来事は言わないようにしよう。その後全員集合し飯を食べるが、味がわからない。風呂に入るが、ボーっとしている。そして、各々の部屋に帰る。笠井も桜井の部屋に帰れると思ったが、高山に阻止された。なのでまた二人きりという気まずい状況を送ることになってしまった。


「・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


部屋に戻ってきたが何も話さずに沈黙が流れる。とりあえず、二人でそれぞれの椅子に腰かけて携帯を見たり、譜面を読んだりなどで時間を潰している状況になってしまったが、お互い意識はしてるようだ。



そして高山の部屋には薄暗い空間で布をかぶった三人の男が子芝居を始めている。


「大西、前島・・・抜かりはないな」


「当たり前ですぜ親分」


「そうでござんす」


「そうかそうか・・・褒美を与えよう!!」


そう言って、ビニール袋から缶ジュースやお菓子がばらまかれる。


「ありがたや〜」


「ハハ~」


「・・・僕たちはいつまで見てればいいの?」


「おっと、来てたのか」


薄暗い部屋の電気をつけて、布をかぶった悪徳商人風の三人は子芝居をやめて


「呼ばれましたので・・・何をするんですか?」


「ああ!実は・・・」


部屋に来いとだけ言われて何も言われてないので何かを始めるみたいだ。取り出したのは音声再生機だ。


「早見が風呂に入っている間に服に盗聴機を付けたんだ。てなわけであの二人がどんな会話をしているか聞こうじゃないか」


「異議あり!!それはいけません!!」


桜井が手を上げ何かを訴えるようだ。


「せっかくの二人の空間を盗聴はだめです!!プライバシーの侵害に・・・」


「いや・・・早見の為だ!!心配なんだ!!お前もだろ!!笠井が心配だろ!!」


なんか凄い後輩思いなことを言うが、実際は聴きたいだ。証拠にそう言い放った後ににやけ顔が止まらなくなっている。


「確かに・・・そうですけど・・・」


「よし!!オッケー!!スイッチON!!」


桜井は渋々ではあるが、高山が再生機の点滅ランプが赤く光る。







その頃、盗聴されてるだろうとは思わない二人はいまだに黙り込んでいる。


「・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


「(さて・・・なにか話題を・・・)」


早見がいい加減に何か話さないと気まずいまま終わってしまうので何か話題を考えるが結構な時間がかかる。


「あの・・・」


「んっ?」


話しかけてきたのは笠井のほうだった。


「私、あなたと出会えてよかったです。その・・・何言ってるんだろ」


なにか嬉しそうに恥ずかしそうに言ってくれる。


「な、何だよ?唐突に」


「今は好きな人が出来て、熱中するものが出来て・・・自分の過去もなんとかなっています・・・早見くんと会わなかったら・・・つまらない人生だったと思います」


「・・・・・・・・・・・・」


正直ここまで感謝されても照れてしまう。何も言えない。


「あの・・・何か言ってくださいよ・・・恥ずかしい・・・」


「あ、すまんな・・・えっとだな・・・」


台詞が出てこないが、しっかりとそんな恥ずかしい会話は筒抜けになっている。






「笠井も随分積極的になったものだ、それに対して早見はどう答えると思う?大西君」


「俺だったら・・・俺も出会えてよかったみたいな感じですね」


「OKだ。前島は?」


「攻めましょう!軽くキスとかはいいんじゃないんすか?」


「早見にもそのくらいの積極性があればいいがその答えは無理だろう。女子目線で桜井は?」


「そうですね・・・玲奈がもっと攻める展開・・・って何言わせてるんですか!?」


手をバタバタさせなかったことのようにする。だが・・・


「そのわりにはノリノリだったけどな。んで高木はどうなんだ?」


「え、僕も?・・・二人という空間を生かす」


「いいと思うが・・・違う気がする」


すると再生機が何か聞こえた。





「えっ?」


笠井を抱き寄せ、自分の体におさめる形になっている。


「俺も楽しかった。いろいろ面倒事があったけど、それも含めて、いい思い出だ」


「はい・・・」


雰囲気は幸せそうだ。確かにいろいろあった今年は体験できないだろう。バツゲームで告白して最初はうっとうしかったが、今はなくてはならない存在だ。人は恋をすれば変わるといっていたが本当のようらしい。


「あのさ・・・もうちょいこのままでいいか?」


「はい・・・いつまでもどうぞ」


そう言えば真の告白をしていないな・・・今の雰囲気ならいけそうな気がするが、冷静になりこの状況も恥ずかしくなってしまっていた。


「ZZZ・・・・・・・・・」


「・・・ふぅ」


安心と同時に呆れた。人がこんな頑張ったのに寝てるとか!!漫画ではこういうシーンを見て笑っていたが、実際やられたらかなり悲しい。ひとまず、笠井はベッドに寝かせるためには運ばなければならない・・・つまりあれか、お姫様だっこをしなければならない。


「よっと・・・軽いな」


少し恥ずかしさと抵抗があるがすぐ近くにあるベッドに寝かせた。


「・・・・・・寝るか」


少しの間、笠井の寝顔に夢中になっていたがすぐにやめて自分のベッドに潜り込み寝た。





「お前ら!!いいな!!こういう純愛も!!」


そう言って純愛について語ろうとあたりを見渡してみる。


「ZZZ・・・・・・・・・」


全員寝てる・・・桜井に関してはいつのまにか自分の部屋に戻っていた。


「・・・俺も寝よう」


一人でカップルを盗聴していたとかかなり寂しい人みたいな感じだ。ベッドは・・・後輩二人に占領されているので床で寝た。

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