2話
店内へ出ようとする彼女の手を引いた___
彼女は一瞬驚いた顔して、すぐに、顔をしかめて
「何の用?」
っと凛といった。その声にその目つきにその声色に俺は一瞬言葉が出なくなった。
「桜さん、なんでこんなに夜遅くこんな場所でいるの?」
俺が聞くと、桜さんはあたりを気にしながら周りを見て、
「場所を変えましょ」
といった。その言葉遣いに少し違和感を感じながら俺は桜さんと一緒に店内を出た。
外に出て、俺はただ桜さんの後をついて行った。桜さんは細い路地へ出てやっとこっちを向いていった。
「ごめんね。山川君・・・。」
その声、目つきはいつもの桜さんと同じだった。その豹変ぶりに少々戸惑いながら俺は、
「大丈夫だよ。でもどうしてこんな夜にゲーセンにいるの?」
すると彼女は、うつむきながらただ、黙っていた。
「いいよ。言いたくなかったら。」
すると彼女は、「ありがとう。山川君!」と言った。もう夜遅かったので、俺と桜さんは、別れて家に帰った。
俺は、複雑に思いながら、とぼとぼ帰った。
次の日
昨日はいろいろ考えていて眠れなかった。ああ、眠い・・・。こんなくだらないことを考えながら俺は教室に入った。教室はいつもどうり騒がしかった。ただ一つ違うかったこととしては、桜さんが来てなかったことだけだけど。やっぱり昨日のことを気にして、きょう学校に来なかったのか・・・。そんなことを考えていると、山口と富川が来て。
「おい!お前なんで昨日先に帰ったんだよ!心配したじゃねえか。それにお前あの『カンナ』と知り合いだったのか?びっくりしたぞ」
俺は一瞬戸惑った、言っていいのかな、桜さんのこと。やっぱり言わないほうがいいよなあの子のためにも・・・。
「いいや。ちがう。ただ彼女が落し物下からそれを拾ってただけだ。」
こういうと二人は納得してふ~んという顔をした。
「にしてもよぉ、きょうはお前の思い人はいないみたいだなww」
といった。俺は、簡単に「うん。そうだな。」と言ってその場を収めようとした。
すると教室の扉が、バンと開き、桜さんが入ってきた。
「遅れてすいません!」
と大きい声で言い、僕の隣を通って席へ座っていった。いつもとは違う雰囲気の桜さんだった