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めぐる世界の光と闇と  作者: 弦巻桧
番外編・後日談
46/65

異世界恋愛相談所? -恋する乙女たちと似非占い師-

 ここに、悩める乙女が一人。彼女は、フレイムに思いを寄せていました。


「わたし、フレイム様をで、デート……にお誘いしようと思っているのですけれど。

 どこにお誘いするのがいいかしら?」

「そうですね。少々お待ちを!」


 悩みを打ち明けられた女は、水晶玉に手をかざしました。


「むううー。あなたの想い人は、とても野性味があって、頼りがいのある方ですね」

「そうなんです!」

「なら、山です」

「……山?」


「アウトドアデートがおススメです。ハイキングでもキャンプでもかまいません。

 彼が居ればチャッカ○ンが要らなくて便利……いえ、火をおこすのが任せられるではないですか。

 彼の活躍をさりげなく褒めてあげれば、あなたのポイントアップは間違いないでしょう」


「ありがとうございます。分かりましたわ、早速お誘いしてみます!」

「グッドラック! です」




 そしてまた一人、恋に悩める少女がやってきました。


「あの、ソ……好きな人と仲良くなるにはどうしたらいい?」

「ふむ、あなたの好きな人は、ソリアム君ですね!!」

「ど、どうしてそれを!?」

「私に分からないことなんてないのです。……占ってみますね」


 ふんぬー、と、奇声をあげながら、女は水晶玉に手をかざしました。


「分かりました!! 彼とはまず、グループデートをしてみるのが良いでしょう」

「……グループデート?」


「みんなでワイワイ盛り上がれる場所が良いですね。例えば遊園地。

 動物園なんかも、彼は好きではないでしょうかね。

 そういう楽しい雰囲気の中で、さりげなく彼の隣をキープして、距離を縮めちゃってください」


「わかった!! やってみる!」

「グッドラック! です」




 さらにまた一人、恋する乙女が相談に訪れました。


「こ、婚約者が、何を考えているか分からなくて……。

 あいつは、優しいんだけど、あたし、よく意地張っちゃって。その、ど、どうしたらいいか……」

「あなたの婚約者は、イースさんですね」

「な、なんで……」

「えへへ、なんででしょうねー。心配はいらないと思いますけど、一応、占ってみましょうか」


 女は水晶玉に手をかざします。その中に、浮かびあがる光景は……。


「うん、ピクニックに誘ってみるのはいかがでしょう?」

「ピクニック?」


「あなたはお料理が得意ですよね。

 手作りのお弁当を持って、見晴らしの良い公園などに出かけてみてはいかがでしょう? 

 あなたも開放的な気分に慣れて、素直な気持ちが打ち明けられるかもしれませんよ。

 イースさんもきっと、あなたの美味しいお弁当と素直な告白に、心が掴まれちゃうと思います!」


「ありがとう。……そっか、お弁当かー」

「はい。グッドラック! なのです」




 またまた、恋する乙女が相談に来ましたよ。


「あ、あたくし、カルロス殿下とお近づきになりたいと思っておりますの。

 なにか、良いアドバイスは無くて?」

「そうですねー。アン男ですか」

「……アン男?」

「いえ、失礼、こっちの話です。とにかく占いますね」


 水晶玉に手をかざし、気合を入れます。


「ふー、見える、見えますよ! あの赤毛の王子とは、図書館で、好きな本の情報交換などをしてみるのが良いでしょう。彼の新しい一面が見えます。

 それから、彼の知らない場所、外国の文化などの情報を、あなたが集めて彼に教えてさしあげるのもよろしいのでは? 彼はとても勉強熱心な王太子ですから、あなたの知性をアピールすれば、他の女性とは差が付けられます」


「……そうですわね。あたくしも、いずれ王妃となるのならば、見聞を広げておくことは必要ですわ。

 もっともな意見、ありがとう」

「いえいえ。グッドラック! ですよ!!」




 そして五人目の、悩める乙女が現れました。


「あのね、スイアーブさんと一緒にお出かけするなら、どこが良いと思いますか……?」

「ふむ、スイアーブさんですか。占ってみますので、ちょっと待ってて下さいね」


 女は、「うぬー」と唸りながら、水晶玉に手をかざします。


「分かりました! 彼とは、オープンテラスのあるカフェで、ゆったり優雅なティータイムを過ごされるのが良いと思います」

「ゆったり、優雅に……。良いですねぇ」


「もしくは……そうですね、ウィンドウショッピングなんかも良さそうですね。さりげなく彼の好みをチェックしてみてください。あとは、あえて出かけない、というのも手かもしれませんよ」

「え?」


「彼はスイーツ作りが得意ですから、その味見をさせてもらうのも良いですよ。彼のケーキはホントに美味し……いと、思いますよ、きっと」


「ありがとうございました。考えてみますね」

「頑張ってくださいね! グッドラック! ですよ」




 六人目に現れた女性は、

「あれ、チヨコさんじゃないですか。じゃああなたが、ジャックさんのお相手ですね!!」

「そうです。まあもっとも私は、もう『乙女』ではありませんが」


「……オトナですね。草食系だと思ってたのになかなかやりますね、ジャックさん」

「そうですね」


「で、今日のご相談内容は?」

「最近いろいろマンネリ化してきているので、初心に帰ってデートでも、と思うのですが、行き先が決まらないのです」


「行きたいところがたくさんあるなら、全部行けばいいじゃないですか」

「初デートは記念ですよ?」

「あれっ、デートはしたことないんですか? 何やってんですかね、ジャックさんは。まあいいでしょう。占ってみますね」


 水晶玉に手をかざします。そこに映った光景は――

「安易ですけど、水族館とかどうですか」

「水属性だから、というなら、確かに安易ですね」


「でも、のんびりまったーりゆらゆらーな、独特のあの空気は、私好きです」

「メグさんの好みですか。でも、私も好きです」

「そうでしょう!? あと、イルカショーなんかも見逃せませんよね!! 初デート、楽しんで来て下さいね!!」


「はい。アドバイスありがとうございました。メグさんも、アレックスさんと末長くお幸せに」

「ありがとうございます。お互いにグッドラック! ですね」





「やっと終わったか」

「はい。情報提供ありがとうです、アレックス」


「……なあ、俺たちもデートしないか?」

「ほえ?」

「この前言ってた夜景の綺麗な所、連れてってやるよ」

「え!? ホントですか!! わーい、一度でいいから見てみたかったんです」


「行くんだな。行くっつったな?」

「はい。……なんでそんなに念を押すのですか」


「夜景見たら、その後は朝まで帰す気ないから。――覚悟しとけよ」


「ひえ!? おおおおお持ち帰りですかっ?」

「当たり前だろう。ああ、楽しみだー」


 今さら撤回もできません。ううう、せめて勝負下着の用意を……って、私そんなもの持ってないですよ。

 わあ、どうしましょう。助けて雛ちゃーん……。


フレイム、ソリアム、イースのキャラを作る時、目や髪の色の設定より先に、「彼とのおススメデートコース」が浮かんでしまいまして……。

(実はこの三人は、未だに目と髪の色が設定されていなかったりします)


なんでメグが占い師やってるのかは謎です。バイト?

フェレス国に遊園地や水族館があるのかも謎です。


アレックスにメグとのデートプランを立てさせると、高確率でお泊りになります。

メグは、初めて行く場所なら、どこへ連れて行っても喜びます。

雛子は、お笑いのライブなら行くと言うんじゃないでしょうか。

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