童話のパロディらしき小話② 赤ずきんちゃん
拍手で使うつもりで考えていて、すっかり忘れていた話です(笑)
鉛筆書きでメモしていたものをまとめただけ。
なので、短めです。
タイトル出した時点で、もうオチがバレバレだよなあ。
ある日メグは、雛ちゃんからエリーちゃんへのお使いを頼まれました。
「メグ、この赤い頭巾被って行き」
「どうしてですか?」
「なんやそうせなアカンらしいわ。作者の都合やって」
「そうですかー」
言われたとおりに赤い頭巾をかぶったメグは、森の中にあるエリーちゃんの家に行きました。
そこには、いかにも自分がエリーちゃんであるかのようなデカイ態度で、悪いオオカミのアレックスが居座っていました。
しかしメグは、エリーちゃん以外の人がこの家にいるとは思ってもみませんでしたので、首を傾げてアレックスに訊ねました。
「あれ? エリーちゃんって人型でしたっけ?」
「ああ、人型になったんだ」
答えながら彼は、扉に鍵を掛けました。
メグはそれに気付かず、さらに訊ねます。
「しかもどう見ても男に見えますが、エリーちゃんは女の子ですよね」
「ああ、性転換したんだ」
そう言いながら彼は、少しずつメグに近づいていきます。
「それにしたって、何もかもが違いすぎません?」
「気のせいだ」
彼はあっという間に壁際にメグを追い詰め、逃げ道を断ちました。
「あれ? なんで私、壁に押し付けられてるんですか? なんでその、顎を掴むのですか? なんで顔を近づけるので――」
言い終わらないうちに、口を塞がれていました。
(――あれ? あれ? あれ――? エリーちゃんはこんなことしません――……あ)
混乱するメグの視界の隅を、ニヤニヤしたエリーちゃんが横切りました。
(え? え? じゃあこれは誰ですか? ていうか一体どういうことですかー!?)
メグが全ての事情を把握したのは、オオカミさんに美味しく頂かれてしまった後でしたとさ。
*
「やっぱそんなオチか……っ!! メグを返せぇぇぇ――!!」
「ひ、雛ちゃん落ち着いてください!!」
「あ、メグ。……ごめんなー。まさかエリシアとアレックスが結託してるとはっ!」
「で、でも、赤ずきんって、狼の前でストリップして同衾――なんて版もあったそうですから、私のこれは多分まだマシなんですよ」
「へえー。それは面白い事を聞いたな」
「アレックス!! 貴様どっから湧きよった!? 出てけー!! メグ、塩持ってきて塩!! 思いっきりぶっかけたり!!」
「合点です! ……きゃー! ごめんなさい雛ちゃん捕まっちゃいましたー!!」
――その後の展開は、言わずもがなです。
『赤ずきんって、狼の前でストリップして同衾――なんて版も』
本当にあったらしいですね。私が考えたわけじゃなく、本家(?)に。
こんな感じの小話が、あと一本あります。