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Sugar☆love7
瑠璃花はバイトの休憩時間に、バイト先のケーキ屋、家絵貴の店長子息でありバイトの先輩でもある、朝田翔太とお茶を飲んでいた。
「で、ハルヒ逃げたん?どうなった?」
相変わらず情報の早い瑠璃花に翔太は苦笑した。
「皆必死に引き留めてたよ。ハルヒちゃんのせいで部員になれなかったと思い込んでた楓まで。みんな、嬉しかったんだろうね。新鮮だし」
「…まぁな。ハルヒはどんなにイケメンでも不細工でも扱い一緒やからな…多分志貴さんのせいやと思うけど」
あー、と志貴の顔を思い出して翔太は唸った。
「あはは。さすが雪姫の双子の弟だよね。やることぶっ飛んでるって言うか、変人?」
「…ま、アンタも人の事言えんけどな」
翔太は盛大に笑った。
瑠璃花は少し驚いた。雪姫が居なくなってからというもの、そんな屈託のない笑い声は初めてだ。茶髪をかきあげ、翔太は微笑んだ。
「そうかな。別に法律に触れてるわけでも無いのにねー」
「…ま、いいけどな」