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Sugar☆love6

「さっきからおったでボケ。…初めましてー。高三で副会長で瑠璃花の兄の東条棗とうじょうなつめですぅ」

ニッと口の端を上げて笑う棗に、美妃は驚きを隠せなかった。

…瑠璃花から兄がいるとは聞いていたが…。初めて見た。

確かに、雰囲気や話し方がソックリだ。

顔の造りはあまり似ていないが。この部の中でも一番男っぽい容姿をしていてかつ、人なつっこそうな印象を与える。

「よろしくお願いします」

深々と頭を下げた美妃に、翔太は少し苦笑した。誰も気付かなかったが。

「じゃ、次俺ね。白鳥玲生しらとりれお、妹ちゃんとはタメだからハルヒって呼んでい?」

「え、同い年なんですか?」

それにしては覚えがない。心底驚いた顔の美妃に、玲生は吹き出し、生徒手帳を取り出した。

「ほら、高一。

…俺のほうでは有名だったんだけど、ハルヒ。雪姫さんの妹で、男嫌い…ってか男に興味なくって、女にモテるって。ねえ翔さん」


自分の評価に今更ながら唖然とする美妃に追い討ちをかけるように翔太が口を開いた。

「ああ。玲生の事知らなかったのも驚きだけど、玲生とはるぐらい女の子にモテてたのは、正直仰天した」


「え、えー、まさか」


美妃の小さな反論は意味をなさず、棗も笑いながら語った。

「三年も流石雪姫さんの妹ってのもあったけど、めっちゃ人気やったもんなぁハルヒちゃん」

楓までもが口をはさんできた。

「二年もッスよ。超有名、ハルヒさん」美妃は泣きたくなる気持ちを押さえながら、これだけは言った。

「楓さん…。私後輩ですし、呼び捨てでお願いします」

楓はブンブンと頭を横に振った。

「いいえ、雪姫さんの妹を呼び捨てなんてしたら殺されるッス…色んな人に」

そんなに怖いのかと同情していると、突然、一番端っこにいた人がフラッとして倒れた。

「……大丈夫ですか?」

反射的に、間一髪のところでお姫様抱っこしてしまった。

安堵の表情を見せる美妃の顔を、その人はジーっと覗き込んだ。

「重くない?俺」

「あ、いえ別に」

「力持ちだねー」ストッと立ち上がったその人はペコッと軽くお辞儀した。

「ありがと」

「…ってそれだけかい!はよぅ自己紹介しいや。お前に関しての説明どころは必要以上にあんねん」


棗に急かされ、その人は無表情のまま、少し考える仕草をした。まるで人形のように整っていて、品のある容姿だ。

「…名前は秋野…理桜りおう

「うん。秋と桜っていうな。コスモスかっちゅうねん」

「…高二で、特技は…霊視?」

美妃はまた固まった。

「…は?」

「霊とか見えます話せます…あ、俺、昼間は元気なくってすぐ倒れるんでよろしく」

美妃は笑顔のまま完全に硬直した。プルプルと握った拳が震える。

「……。…マジで」

雪姫のバカー!!

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