Sugar☆love5
なおもギャーギャー騒ぐ楓と2mほど距離をおかれた美妃を引き連れ、翔太は生徒会の扉を開けた。元音楽室だった為、かなり広い部屋だ。
「翔太先輩っ…俺じゃだめですかっ?」
「……あ、ハルヒちゃん、そのソファにでも座っといて。……楓、茶」
嬉しそうに炊事場にむかう楓を完璧に無視し、美妃に向き合う。軽く微笑む。
「さっき連絡あったから、みんなすぐ来ると思うよ」
「あっ…はい。……」
「…………えっと、楓はね、ウチの生徒会に入りたい人でね」
「あ…。なるほど…?」少し首を傾げる美妃に翔太は苦笑した。元々女の子のように甘い顔がフニャッとなる。
「なんで疑問系ー?ヤだなー…」
そういうと楓の持ってきた紅茶をすすり、一瞬はっとした表情になり、すぐに悲しそうな笑みを浮かべた。
美妃の視線に気づいて、翔太は微笑む。
「どうした?」
「…いぇ、翔太さん、初孫抱いたときのおじいちゃんみたいな顔になってましたよ」
真顔で言う美妃に翔太は驚いたような顔になった。
「ひでー。って言うかよかった、ハルヒちゃん、雪姫がいうにはめちゃくちゃ男嫌いで、僕と話してくれるか心配だったんだよね。以外と面白いじゃん、ハルヒちゃん」
翔太の言葉に、美妃は頷いた。
「自分でも、兄以外の男の人にこんなに喋れて驚いてるんです。多分、翔太さんは…顔ですね」
「……ほぉ」「女の子みたいな顔なんで…。そんなに背も高くないですし」
「……一応171はあるよ。って言うか雪姫とかハルヒちゃんが高すぎんだよ!なんセンチ?170ある?」
必死な翔太の形相に美妃は固まった。
「ええっとー。雪姫は多分165で…私は170とか…?」
ぐはっと頭を抱える翔太に、お盆を抱えた楓が嬉しそうに呟く。
「俺、173です!」
「黙っとけよ楓?…はぁ。ま、いーや雪姫には勝ててるし…ってお前らいつの間に」