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Sugar☆Love☆F

色とりどりの薔薇が美しく咲き誇るイングリッシュ・ガーデンに二人はいた。

茶髪の清楚な貴婦人はチョコをついばみ、物腰の柔らかい紳士がいとおしそうに彼女の髪をすくう。

彼らは、やっと逢えたという顔をして、微笑みあった。

そして、彼らの大切な二人に、祝福を歌った。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「ええ、その書類は向こうに。…は?ふざけないで下さいネ。期日に間に合わせるのがそちらのお仕事でしょうガッ」


志貴は携帯と近くにいる社員にイライラと指示を出していた。


ー…ここはイギリスの会社。志貴が立ち上げた。

伯爵家の昔ほどない資産を増やす手段として、志貴が始めた。主にアンティークの家具を売っているのだが、志貴の少なくない人脈も手伝い、かなり良い出だしをきった。

志貴は携帯をきり、ふうとため息をついた。


(ま、たのしーからいいけどネ♪あ…美妃に教会の予約頼まれてたんだった。忘れてたヨ)


フンフンと鼻歌を歌いながら志貴は会議室に向かった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「瑠璃花さん!明後日おひまですか!?」


蛍が頬を赤らめながら瑠璃花に尋ねると、玲生がギロッと蛍を睨んだ。


「あ、うんえーよ?…玲生。あんたはブーケのデザインできたん?」


「……これ」


手渡された紙をじっくり見詰めた瑠璃花は満足そうに頷いた。


「えーやん。流石。会場の花も全部任せてえーんやろ?」


「ああ。花は婿が無料でくれるらしいからな。使い放題だ」


「よおし。じゃ、明後日は披露宴用に使うホテル探しましょうね瑠璃花さん。二人で」


「……蛍さん。ぽっと出のくせにでしゃばんないでくれません」


瑠璃花はいがみ合う二人にクスクス笑った。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「あら、こちらも素敵ね。どうしますお着物。……結局、花奈子と雪姫さんの式は…ね」


「……御母様。私は間違っていたのでしょうか」

芙美子は嬉々として着物を選んでいる母に呟いた。

「……そんな事、わたくしにもわからないわ、芙美子さん。でも。貴女も、そろそろ自由に生きなさい。貴女は今、幸せでないの?」


はっと息を呑みうつむいた愛娘に、母は笑いかけた。


「さ、どうしましょうねお着物。披露宴は、黒じゃなくてもいいとおもうのだけれど」


「…いえ、御母様。私は黒がいいですわ。私は嫁いだ身ですし、誇りをもっていますから」


そう?と笑う母に、芙美子は素直な笑顔を見せた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「楓、紫紅ちゃん受付にいたけど。いかへんの?」

棗は隅っこでじめじめしている楓に首を傾げた。

「いや…だって…。紫紅、すっごくモテるんですよね…もう僕なんかいないほうがいーのかなーと。許嫁とかって縛り付けるのも、ねー」


じめじめじめじめとした楓に棗はため息をついた。

なんとか受付に戻そうと説得を試みようと楓を見ると、あ、と楓は口を開けて棗の後方を見ていた。

「…理桜さん……」


「困るよ、サボっちゃ。ちゃんとお客さんの除霊してよ」


それに、と白い背広を着た理桜は微笑んだ。


「紫紅さん、待ってたよ?」


走って受付に向かう楓を理桜と棗は微笑んで見送った。


「さて」


「俺も奥さんとこ行ってくるね♪」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

香坂は花嫁を見て満足げにニンマリ笑んだ。


「完璧にできた。元がいいのもあるが…綺麗だぞハルヒ」


ドレスは瑠璃花が選んだ。百合を基調としたブーケはAkinoを使い玲生が創った可憐なもの。


そしてーー…。


「すごく綺麗。美妃」


私の旦那様。秋野理桜。

美妃は泣きそうな顔を華やかに輝かせた。


「ありがとう、理桜さん……」

皆様、やっとシュガー・プリンス完結しました。

今までありがとうございました!


花戸紗世

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