Sugar☆love38
「いや、ムリムリ。ムリやな、うん。てかアホか。いや、本気でアホやったんか自分」
玄関先で棗は一笑したが、あまりに真剣な幼なじみの眼差しに不安を覚えた。
「……ごめん。行かせてくれ」
スッと目をそらし、翔太は棗の家を出ようとドアノブに手をかけた。
「っ!ちょ、待ちいな。本気で皆をほっぽってく気か!?理事長もなんか企んでるのに!?」
自分でも驚くぐらい必死に翔太を呼び止めた棗は、振り向いた翔太の表情に凍りついた。
「………しょう…た?」
「くどい。…俺はお前らの保護者じゃねぇんだ。……俺と違ってお前たちはちゃんと雪姫に選ばれた人間だろうが。そのくらいどうにかできる」
完全に気圧され、固まってしまった棗にちらっと目を向けた翔太は短い呟きを残して去っていった。
「帰る気はねぇから」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「……あー…アンタですかー」
せっかく頑張ってイギリスに着いて最初に見るのがコイツか……。いや予想は簡単にできたが。
ブツブツ不満を呟く翔太に志貴はにっこり笑って訊ねた。
「何か言った?さぁさぁ車は待たせてあるんだ。急ぐヨ」
空港を歩きながら車へと急ぐ。
「……雪姫は」
「あー…。どうせスグに家に着くから」
ちょっと呟いただけでポンポン返事が帰ってくる。
「……ですね」
そのまま二人は黙り込み、車が走り出してしばらくしてから唐突に志貴が呟いた。
「君は残酷だネ」
「……雪姫と結婚したことですか」
「違うヨ。美妃のほう」
「……?」
意表をつかれキョトンとした翔太を志貴はちらりと見た。
「君は、少なからず雪姫が死ぬかもしれないという恐怖を持ってここまで来た。…美妃は、雪姫の病気を知らない。だがもし雪姫の身体の事を知ったとしようネ?」
翔太は志貴が言わんとすることに気づき息をのんだ。
鋭い目で志貴は翔太を直視した。
「はたして美妃は、迷わず姉のもとに駆けつけられるだろうか。君が居なくなって生徒会の主軸にならないといけなくなった美妃は」
志貴の冷たい目線から逃れるように翔太は窓の外を見た。
流れる景色が都心からいつの間にか自然豊かな風景に変わっていた。
美妃でませんね(^_^;)
主人公だろ!?
……花戸です。
今日は誠に心苦しいお知らせがあります。
皆さまに読んでいただきここまで書き続ける事が出来たシュガー・プリンス、しばらく続きを執筆するスピードを緩めようという結論に達しました。
更新がかなり遅くなると思います。
皆さまのお時間を使って読んで頂いたのに……と、この結論に至るまではかなり悩みました。
しかし、やはりプロットもない物語で、かなり私の中でも混乱が生じております。ですが、自分の作品を適当に終わらすことは嫌なので、頭の整理が出来たらゆっくり執筆を再開させて頂こうと思います。
本当に勝手な作者で申し訳ありません。
これからは新しい物語も作りつつ精進していきたいと思っています。