表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/44

Sugar☆love31

「…離れて下さいってば。何度目ですかねこれ言うの」



「えー…。厳しい…」



「熱いんです!もう初夏です…って!」



ベリッと腕に貼り付いた理桜を剥がす。

二人のやり取りを見ていた香坂が呟いた。



「…はたから見ると普通にBLだな。いやオイシイ」



はぁ!?と真っ青な顔をする美妃。

翔太はまぁまぁと笑ってパソコンを指した。



「ほら、もうすぐ雪姫が…あ、ほら」



数秒後、画面に満面の笑みを浮かべる雪姫が映った。



『はぁい♪美妃元気〜?みんなも〜』



「雪姫!」



美妃は思わず手を振った。理桜もペコと軽く頭を下げる。



『うふふ、見たわよビデオ。良かったじゃない。香坂先生ありがとー』



香坂はえっへんと胸をはった。



「ああまぁな。ちゃんと題名は白雪姫にしたから、お前も一緒だ」



『ふふ、嬉しいわ』



美妃は軽く驚いた。



そういう意味があったのか。

…いや普通もっと早く気付くか……。



美妃が自己嫌悪に陥っていると雪姫が不思議そうに瞬きした。



『あら?玲生は?』



「雪姫!それよりなっ、あのねっ」



自分も褒めてもらおうと身を乗り出す翔太を押し潰し、棗は苦笑いした。


「ちょっと野暮用…ちゅーかな〜。気にせんで」


『そう?あ、…美妃。叔母さまの事は知ってるわ。でも私に出来ることはないから』



「え」



『みんなで頑張りなさい。遠くから応援してる』


「え、ちょっと待っ」



美妃は眉をひそめた。理不尽な言い方ではなく…画像が悪いからかも知れないが、雪姫の顔色が。


翔太も気付いたようだ。心配気な表情で話しかけようとするが、雪姫の笑顔に遮られる。



『…じゃあ、頑張りなさいね。……あら、志貴』


画面一杯に兄の顔が映った。



『…おっと間違えた。難しいネ、コレ。美妃!元気かい!?』



雪姫と同じ黒曜石色の瞳が美妃を見つけてキラキラ輝く。


翔太が一瞬ゲッとした顔をした。


かまわず笑顔の兄に美妃は頷いた。



「あ、うん元気。久しぶりだね」



そういう美妃にいきなり理桜が目を覗き込んできた。



「……なんですか」



「…やっぱり、綺麗な薄い茶色だよね、美妃は」


「……目ですか?父に似たんですかね。そういう理桜さんも紫ですよ」



「俺は日本人の血のが薄いからね。まぁ黒髪カツラで黒カラコンつけたら見た目日本人だけども」


『ボクの妹に触るんじゃないよこの変態オヤシ。知ってるかい、セクハラだよそれ……あ、そろそろ時間かな、……ショータさん?…美妃をよろしくネ』



「あっちょっと!雪姫〜」


フッと画面が切り替わった。追いすがる翔太が最後に見たのは志貴のアッカンベーと舌を出した顔だった……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ