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Sugar☆love30

志貴は深く静かに眠る姉のそばで揺り椅子に座り、重い本を読んでいた。


…だがどの医学書を読み漁ってみても、ここまで進行してしまった姉を救う方法は見つからない。


無駄な事で気を紛らわしている自分に腹が立つ。

だがそれよりも、素直に姉に踊らされているあのボケボケ男を殺したい。


パタンと本を閉じた志貴は目を閉じた。



あのババアもアホ馬鹿なことを企んでいるらしい。


美妃は大丈夫だろうか。


…理桜がいるか。

雪姫は理桜の事を信用している。

というか、多分理桜が居なかったら美妃を残してイギリスに来ることさえ拒んだだろう。



だけども日本とイギリスでは、雪姫に対する後ろ楯の差があまりに違う。

志貴たちの親は、ほぼ駆け落ち状態で結婚した。

日本人の母の実家、三条家は、皇族の血をひく典型的な貴族のお家柄で、伯爵家の次男でイギリスでは高貴な身分とはいえ“外人”の父は、母の家から見ればどこまでも“外人”でしかなかった。

まして、長女の母を嫁がせるなど持ってのほか。

仕方なく父は母を連れて自分の家があるイギリスに逃亡。



気さくで美しかった母を伯爵家は次男の嫁としてアッサリ受け入れ、三条からの追っ手から母を守った。



そして両親が不慮の事故で亡くなってから雪姫や志貴、美妃はイギリスの邸宅に祖母と一緒に住んでいる。

雪姫や美妃が日本に住んでいる時は両親が残した遺産を使い、マンションの一室を借りている。



何故日本に行き母の妹が経営する学園に通っているのか…。

美妃はその意味を知らないが三条の意図を解っている志貴にとっては不愉快極まりない。


よって、志貴がどれだけ妹をおもっても、日本へいくことは無い。



志貴は黙想しつつ舌を鳴らした。



「あーどうしようか…」


すやすや眠る姉を見つめる。



…まだ、信じるのかい?


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