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Sugar☆love29

美妃は外で瑠璃花に何が起こってるかなどつゆ知らず、なんとか女子をかき分けごちそうにありついていた。



大成功に終わった(途中はどうあれ)歓迎パーティーの打ち上げはめちゃくちゃ華やかだった。


日本にきてからというもの、一人暮らしなので食事は適当にしていたから豪華な食事に目が眩む。


「美妃さん、お疲れさま。久しぶりね」



素で料理を物色していた美妃は叔母の声に飛び上がった。



「ぎゃっ…叔母さま」



柔らかな感じの服をきた叔母は一層優しい印象を受ける。



「お食事中失礼。ちょっとよろしいかしら。お話があるのだけれど…」



「あ、はい」



美妃に微笑んだ叔母は、言いにくそうにチラッと美妃にペッタリ貼り付く理桜を見た。



「そちらの方は……」



美妃は慣れすぎて気にも止めなかった自分に驚きながらも理桜をパシパシ叩いた。



「こら、離れて下さい。ごはん食べてていいから」



不満そうな理桜がしぶしぶ離れたところで、美妃は叔母につれられて会場の隣の部屋に行った。

幸か不幸か瑠璃花がいる場所とは遠ざかる。



「…単刀直入に言うわ。実は、アイドル部の増設を考えているの」



「え、どういう…?」



「アイドル部の特徴はメンバーの写真を売ったりして収入が得れる所と、校外の大会に出場して、月岡の名前を広めることよね?今まで雪姫さんがそれは生徒会だけでいいと言うから、そうしてきたんだけれど…」



美妃は首を傾げた。何故私にその話を?



「でね、美妃さんにその手伝いをして頂きたいのよ。軽音部員を一新したり」



美妃は叔母を遮った。



「待ってください。軽音部とかは個人がやりたいと思って入るものですよね。強要は出来ませんし、生徒会だって入りたいという人を拒んではいません…はい。それに…」



美妃はこの頃、雪姫が少数精鋭をした意味が自分なりに少し解ってきた。


もし、学園に何十人もアイドルがいたら、ファンである生徒たちもまとまりが無くなる。

生徒会員がみんな仲良しだからファンも落ち着き結束力も出て、安全に応援できるが、もし別のアイドル部と生徒会が火花を散らしたらファンも敵対する部員や相手方のファンに何をするか予測が難しい。


ようするに、現状キープが最善なのだ。生徒会のメンバーを少し増やすのは可能だが、他に造るのは止めたほうがいい。



美妃が自分の立場を決めた事に気が付いた叔母は薄く笑った。



「全く…わかったわ。今のところは何もしない。いいわよ戻って。お迎えも来ているみたいだし」


「あー…はい、失礼します」



げっそりとした美妃は部屋を出た。

理桜がギューとしてくるのもほどく気にもならない。



「以外と…大変だね、マネージャー」



「大丈夫だって俺が居るから」



なんじゃそりゃ…。


気をとりなおし、美妃は料理へと向かった。


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