Sugar☆love13
「はぁー…」
風呂上がり、瑠璃花はバタンとベッドに倒れこんだ。
少し目を閉じれば、あのコエが頭を巡る。
『アンタさえ いなかったら、私は死なずにすんだのに アンタさえ……』
「つっ………」
耳をふさぎ、ギュッと目を閉じる。
それでも、このイヤな汗と目眩のような気持ちの悪さは時間が経つのを待つ事でしか収まらない。
今回は久しぶりにきたが、習慣になってしまった…。
美妃に出会わなければ、癒されないキズを抱えて毎日一生こうするしか無かったのだろう。
「……ぁ」
今日の美妃の顔を思い出し、瑠璃花は真っ青な顔で薄く微笑んだ。
『瑠璃花…あの、お芝居出ない?』
『はぁ?』
『ほら白雪姫!まだ役は決まってないんだけど、どーも人数足りないって言うか…本音言うと瑠璃花と一緒に放課後残って練習したい…。お願い』
あんなに必死な顔の美妃を見たのは久々だった。
『…ごめんなー。バイトがな…。それに、もう男嫌いとか理由にするの限界なんちゃう?あと二年もあるわけやし、一人で慣れな。がんばりぃや』
美妃がしぶしぶ頷くのを待って、瑠璃花は逃げるように家に帰った。
今更ながら自分の汚さにヘドが出る。
…私こそ、いつまで逃げてるつもりやねん。
空っぽの状態で入学して、美妃に会って。
いままでの幸せが気持ちよくて。
でも
「…もう、ぬるま湯にはいれへんよな…」
こんな汚い自分が、美妃の近くにいるのは許せない。