表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/4

そういうことか

 帰り道、オレたちはいつも通りに途中まで下校していた。

 

 でも、今日は…今日は、ただ帰るだけじゃない。

 

 きちんと言わなきゃだな…。

 

 藤也からどんな告白があるかは、わからないけど、オレは思い切って小春ちゃんへのおもいを藤也に伝えた。

 

 すると藤也は、遠くの雲を見つめながら

「そっかー。小春をよろしくな」

 って、意外と応援してくれるっぽかった?

 

「あのさ、藤也って…小春ちゃんとは、実の兄妹?」

「うん、そうだけど?似てない?」

「あ、いや…そうじゃないけどさ、その…小春ちゃんを…す、好きだったり?するのかなってさ…」

「あー、好きだよ」

 

 ⁉︎

 

 はっきりと聞こえた。

 

 好きって。

 

 …

 

 ゔーん…

 

 これは…いったいどうすれば…

 

「あ、でも海斗の好きとは違うよ?オレの好きは、家族愛な」

 

 よかったー。

 

 家族的に好きか。

 

 でも…藤也って妹に対する好き度が高いよね。

 

 そりゃかわいいけどさ…

 

「藤也ってさ、もしオレたちが付き合いだしたら、毎回デートに同伴する感じ?」

「それは、キモいだろ。ないない」

 

 よかったー。

 

 この前だけだったんだ?

 

 もしかしてオレって…審査されてたとか?

 

 まぁ、合格ってことやんな?

 

 なら、よかったーって心が滑り台みたいにスーって滑った。

 

 安心して告白できるわ。

 

「あ、でもさ」

 

 ⁉︎

 

 でも⁉︎条件付きか⁈

 

「ん?な、なに?」

「もし、海斗の部屋に行く時だけは教えてほしい。あとさ、こねこがうまれたら何匹か教えてもらいたい」

 

 …

 

「あー…うん。わかった」

 

 ねこ大好きなんかな?

 

「藤也って…ねこ好き?」

「うん。」

「なら、うまれたらうち来たらいいのに」

「マジ?」

「うん、全然いいよ」

「ありがとうな‼︎じゃあ、その時は小春もいいかな?」

「うん…」

 

 藤也は、少し嬉しいような安心した表情を見せた。

 

 なぜ小春ちゃん同伴?

 

 てか、今度は隠れないんだ⁇

 

 な、なんなん…?

 

 藤也がねこ好きってことは、わかりました。

 

 でも、やたらこねこをみたがるし、なんだろ…

 

 色々引っかかる…

 

 が、わからないものはわからない。

 

 

 そうこうしている間にも、うちの飼い猫はどんどんお腹が膨らんでくる。

 

 

 そしてオレの小春ちゃんに対するおもいも膨らんだ。

 

 

 何度か連絡をとっているうちに、オレは小春ちゃんを好きになりすぎた。

 

 でも、ちょっとブレーキがかかるんです。

 

 そう…兄である藤也。

 

 藤也は、いたって普通。

 

 しかし、小春ちゃんのことになると…どうも不審っていうか…うん。不審だ。

 

 で…小春ちゃんと一緒に遊ぶのは全然いいやんってことで、この前小春ちゃんと遊んだんだよね。

 

 そしたらさ、やたらと帰り時間を気にする藤也。

 

 あと、数時間おきに小春は元気かな?ってさ。

 

 で、オレの家に行くときは必ずオレにも連絡して!ってのは、必須らしい。

 

 これだけは、絶対よろしくって何度も言われた。

 

 

 オレの部屋って…なにかあるん?

 

 …

 

 よくわからないが、藤也は悪いやつじゃないし…小春ちゃんとの交際を応援してくれてもいるようだ。

 

 ただ心配が、普通の人よりも多めってだけだろう。

 

 

 だからオレは小春ちゃんに告白いたしました‼︎

 

 そしてオーケーをいただいたんです♡

 

 

 なのですぐさま兄である藤也にも伝えた。

 

 そしたら、おめでとう!って祝福してくれた。

 

 よかったぁ〜。

 

 と、思ったのも束の間… 

 

 藤也は、

「小春のこと抱きしめたりした?長時間は、危険かも」

 って言い出したんよ。

 

 え?

 

 どういうこと?

 

 オレが襲いそうで危険ってことかな?

 

 藤也は、詳しくは言えないんだけど…小春の様子がおかしかったらすぐ連絡してってことだった。

 

 なにー⁉︎

 

 

 よくわからないまま、うちのねこがこねこを産んだ。

 

 三匹

 

 すぐさま藤也と小春ちゃんに報告した。

 

 すると、ご両親ですか?ってくらいな勢いで、みたい‼︎ってなりました。

 

 まぁ、産んですぐだとねこも産後でクタクタなので、しばらくして落ち着いたらみにくることになりました。

 

 写真は、送ったけどね!

 

 

 やっとねこたちも落ち着き、藤也と小春ちゃんが家にくることになった。

 

 今回は、藤也も一緒だ。

 

 クローゼットにインしなくていいならば、安心だ。

 

 

 三人でねこをみつめる会だったんだけど…

 

 藤也は、ねこと小春ちゃんを交互にみておりますね…。

 

 なんなら小春ちゃんを凝視してる場面も多々ございましたよ?

 

 ん?

 

 で、そんな藤也をみていたら藤也が小春ちゃんをみながら、

「おかしいなぁ?なんだろう?」

 って呟いていたんですよね。

 

 だからオレはすかさず、

「どうした?」

 って聞いたんですよ。

 

 そしたら、

「なんでもない」

 って言われましてね…。

 

 なんなら小春ちゃんが藤也に、にらみをきかせておりましたよ?

 

 ん?

 

 やっぱりこの二人、なんか隠してない?

 

 オレは一応小春ちゃんの彼氏だし、聞く権利は、あるんじゃね?ってことで、藤也に聞いてみることにしたんです。

 

 

 そしたら…まさかのことを知りました。

 

 

 どうやら小春ちゃんと藤也は、昔こっそり物置でねこを拾って飼っていたそうな。

 

 で、小春ちゃんがねこアレルギーを発症して救急車で運ばれたって。

 

 だから、今回も危険なんじゃないかって心配で、クローゼットに隠れて何かあったらすぐ対処する予定だったそう。

 

 小春ちゃんがねこアレルギーあるということがバレると、恋が上手くいかなくなるかもしれないから、お兄ちゃんは、黙ってて!って口止めされていたって。

 

 なるほどなー。

 

 でも、なぜアレルギーが発症しなかったかって、実はオレも軽いけどねこアレルギーで、うちのねこは、あまりアレルギーが発症しないねこだから大丈夫というわけなのでした。

 

 そんなねこがいるのかと、藤也は驚いていた。

 

 小春ちゃんにもいうと、めっちゃ驚いていた。

 

 

 小春ちゃんのねこアレルギーがオレもわかったので、もう藤也がオレの部屋のクローゼットに隠れることもなくなりました!

 

 

 

 だからこれからは、めいっぱい小春ちゃんを抱きしめたいと思います♡

 

 

 

 おしまい

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ